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ご挨拶

一般社団法人特殊鋼倶楽部
会長 石黒 武

 平成29年5月の一般社団法人特殊鋼倶楽部第36回定時総会、理事会で、前任の藤岡愛知製鋼株式会社社長の後を受け、会長に選任されました大同特殊鋼株式会社社長の石黒武です。

 ご案内のとおり、特殊鋼は、最先端技術の「粋」です。鉄鋼材料の中で独特の高い機能を有する材料で、粗鋼生産の20%を占め、自動車をはじめとする輸送機器や産業機械、建設機械、工作機械等幅広い産業分野の中核部品材料として使われています。特殊鋼は、自動車等の性能・安全性を支える重要保安部品に必須であるのみならず、最終製品や部品の製造工程における性能やコスト削減の鍵を握る加工性をも左右し、我が国の製造業の競争力の根本を支える重要な素材です。また家庭においてもキッチンや家庭器具では広くステンレス鋼が使われるなど国民経済生活と密接な関わり合いを持つもので、特殊鋼業のレベルが国民経済を支えています。

 平成28年度の特殊鋼生産(熱間圧延鋼材ベース)は、前年度比4.4%増の1,966万トンで増加に転じました。国内向け特殊鋼生産は約1,300万トンで前年度比1.1%増、輸出向け特殊鋼生産は約660万トンで前年度比10.9%増、29年度第1四半期(4-6月期)の特殊鋼生産計画は497万トンで前年同期比5.2%と足元は上向きですが、今後については予断を許さない状況です。

 自動車をはじめとする需要業界は、国内の人口減少・高齢化、IoT・AI・ビッグデータ活用等による第4次産業革命、エネルギー・環境革命などを受けて大きく変化しています。また、世界の特殊鋼需要は伸長が期待されていますが、過剰生産能力を背景に、世界各国・地域でアンチダンピング等の輸入制限措置が多発しています。

 こうした状況に対応していくためには、個社レベルでは対応が難しい課題もあり、特殊鋼倶楽部は、そのような課題に対し役立つ存在でありたいと思います。具体的には、通商摩擦の未然防止・早期解決に向けた官民一体の取組、政府が積極的に推進している未来志向型の取引慣行に向けての活動、人材確保育成や特殊鋼認知度向上を目指した活動、市場開拓調査や海外調査などが挙げられます。

 特殊鋼倶楽部は、昭和27年5月16日に設立され、今年で65周年、私は15代目の会長となります。特殊鋼流通の円滑化と需要の拡大という共通目標達成に向けた、メーカー、販売業者両者の懇談、協議機関として結成されました。メーカーと販売業者が平等の資格の合同組織であり、我が国の産業団体でも海外の鉄鋼団体でもあまり例を見ないユニークな組織です。

 現在の特殊鋼業界は、メーカーと販売業者の偉大なる諸先輩方が、倶楽部創立の精神の下、高い志をもち、確たる信念をもって尽力してきた賜物です。この築き上げてきたレガシーに、もう一段磨きをかけ、更なる発展を実現していくためには、特殊鋼業界の直面する課題に対して、メーカー、流通を通じ、会員が連携、協力して取り組んでいくことが必要と考えております。そのための基盤を特殊鋼倶楽部として提供すべく努力してまいりますので、皆様からの特殊鋼倶楽部及びその会員各社へのご支援をお願い申し上げます。


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