カーボンニュートラルQ&A

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地球温暖化の状況

Q. カーボンニュートラルとは何ですか?(220201)

A. CO2の排出量を減らして、抑えきれなかった分は吸収や回収をすることで、全体として排出量ゼロ(=ニュートラル)にすることです。
つまり温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味します。
「炭素中立」「ネットゼロ」「ゼロカーボン」「カーボンオフセット」「排出量実質ゼロ」も同じような意味です。
なお、カーボンネガティブとはCO2の排出量より、回収量、吸収量、貯留量が上回る状態のことを言います。

詳しくは
https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/(環境省)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/carbon_neutral_01.html(経済産業省HP)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/carbon_neutral_02.html(経済産業省HP)

Q. 温室効果とは?(220202)

A. 地球の大気には二酸化炭素などの温室効果ガスと呼ばれる気体がわずかに含まれています。これらの気体は赤外線を吸収し、再び放出する性質があります。
この性質により、太陽からの光で暖められた熱が全て宇宙に逃げずに地球表面付近の大気を暖めます。(温室効果)
これらの気体がないと地球の表面の温度は氷点下19℃と見積もられていますが、温室効果のために平均気温はおよそ14℃となっています。
現在は温室効果ガスが増えて、地球温暖化が進んでいる状態です。

詳しくは
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p03.html(国土交通省 気象庁HP)

Q. 温室効果ガスの種類は?(220203)

A. 二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、フロンガスがあります。二酸化炭素が全体の3/4を占め、次いでメタンとなっています。

詳しくは
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p04.html(国土交通省 気象庁HP)

Q. 6.5ガスについて教えてください。(221201)

A. 温室効果ガスのうち、非エネルギー起源二酸化炭素(非エネ起CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFC)、パーフルオロカーボン類(PFC)、六ふっ化硫黄(SF6)、三ふっ化窒素(NF3)の総称です。二酸化炭素をエネルギー起源と非エネルギー起源に分けて0.5種類とした非エネ起CO2とその他6種類のガスで「6.5ガス」といいます。

 詳しくは
https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/files/study/2022/stdy_20220117_3_rev2.pdf(環境省HP)

Q. 地球温暖化によりどのような影響がでているの?
 また今のまま温暖化が進み、世界の気温が2℃上昇すると何が起きると予想されるの?(220204)

A. 2017年時点で世界平均気温の上昇は約1℃と報告されています。すでに30年に1回起こる程度の異常気象が毎年起き、暑熱による死亡リスク、熱中症の増加、豪雨の頻発、台風の強大化、海面水位上昇、洪水、森林火災などの発生が増加しています。
また、2℃気温が上昇すると、10年に1度、夏の北極海の海氷が消失、サンゴ礁の99%以上が失われ、洪水の影響を受ける人口は1976-2005年を基準として170%増加など、人間や生態系への影響が重大になっていくと予測されます。

詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/earth/ondanka/oshiete201903.pdf(環境省PDF資料)

Q. 大気中の二酸化炭素の濃度は過去からどのように変化しているの?(220205)

A. 二酸化炭素の大気中の濃度は過去数百年にわたって280ppm(0.028%)程度でしたが、18世紀半ばから(産業革命以降)上昇を始め、現在は400ppm(0.04%)となっています。

詳しくは
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p06.html(国土交通省 気象庁HP)

Q. CO2の排出量が減れば、温度上昇しなくなるの?(220206)

A. 2050年ごろまでにカーボンニュートラルが達成できれば、温度上昇を1.5℃に抑えられる可能性大です。
IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)「1.5℃特別報告書」によると、

地球温暖化を1.5℃に抑制することは不可能ではない。しかし、社会のあらゆる側面において前例のない移行が必要である。
・CO2排出量が2030年までに45%削減され、2050年頃には正味ゼロに達する必要がある。メタンなどのCO2以外の排出量も大幅に削減される必要がある。
との記載があります。

詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ipcc/6th/ar6_sr1.5_overview_presentation.pdf(環境省HP)

Q. 呼吸で大気中のCO2が増加するの?(220207)

A. 私たちは呼吸によって二酸化炭素(CO2)を吐き出しています。しかし、そのCO2は食物として体内に取り込んだ有機物を分解しエネルギーを取り出す過程で最終的に排出されるものであり、その食物の起源をたどってゆくと植物が光合成によって大気中のCO2と水から作りだした有機物にたどりつきます。
つまり、私たちが呼吸によって吐き出すCO2はもともと大気中に存在したものなのです。ですから、いくら呼吸をしても大気中のCO2を増やしも減らしもしません。
このように、自然の炭素循環の中での出来事は、大気中のCO2濃度にほとんど影響しません。私たちが呼吸以外で排出するCO2が問題なのです。

詳しくは
https://www.cger.nies.go.jp/publications/qa/s001.pdf(国立環境研究所 地球環境研究センターHP)

Q. 温暖化の現状は今どうなっていますか?目標は達成できそうですか?(「IPCC」の最新報告書)(221202)

A. IPCC「第6次評価報告書(AR6)」のうち、今年2022年4月に公開された、「第3作業部会(ワーキンググループ3):気候変動の緩和」の報告書によると、
「第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)」より前に発表された各国の気候変動対策では、気候変動問題に関する国際的な枠組み「パリ協定」において掲げられた「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち(2℃目標)、1.5℃に抑える努力をする(1.5℃努力目標)」という目標を超えて、温暖化が進んでしまう可能性が高い。つまり、 温暖化を2℃より抑える可能性を高めるためには、2030年以降の急速な緩和努力の加速に頼ることとなります。
ワーキンググループ3報告書は、「温暖化が進んでいること」「現在打ち出されている政策だけでは、パリ協定の目標は達成できないこと」を示し、「対策の加速化」をうながすものとなりました。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ipcc_6th.html(資源エネルギー庁HP)

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国内の取り組み

Q. 日本のCO2削減目標値は過去にどういった変遷をたどってきたのか?(220214)

A.
1997年 COP3 京都議定書
 対象年度2008~2012 基準年度1990年度 削減目標6%
2013年 COP19
 対象年度2013~2020 基準年度2005年度 削減目標3.8%
2015年 COP21 パリ協定
 対象年度2016~2050 基準年度2013年度 削減目標 2030年26% 2050年80%
2021年 米主催気候サミット
 対象年度2016~2050 基準年度2013年度 削減目標 2030年46% 2050年カーボンニュートラル

詳しくは
http://www.env.go.jp/earth/copcmpcma.html(環境省HP)
http://www.env.go.jp/press/17426.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/press/102512.html(環境省HP)
https://www.mlit.go.jp/kowan/content/001429243.pdf(環境省HP)

Q. 日本でカーボンニュートラルという言葉が一気に広がるきっかけになったのは何ですか?(220215)

A. 2020年10月26日、当時の菅首相が国会で行った所信表明演説の中で「2050年までにカーボンニュートラル実現を目指す」ことを宣言したことからです。

 詳しくは
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2020/1026shoshinhyomei.html(首相官邸HP)

Q. 日本のカーボンニュートラルに向けた2030年CO2削減目標は何ですか?(220216)

A. 2021年4月22日アメリカ主催の気候サミットにおいて、2030年目標を2013年度比従来の▲26%から▲46%に引き上げ、さらに50%の高みに向け、挑戦を続けていくと表明しました。

 詳しくは
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page6_000548.html(外務省HP)

Q. 2030年CO2削減目標▲46%の部門別内訳はどうなってますか?(220217)

A. 2021年10月22日改定された地球温暖化対策計画によると
産業▲38%、業務その他▲51%、家庭▲66%、運輸▲35%、エネルギー転換▲47%となっています。

 詳しくは
https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/topics/20211028-topic-15.html(環境省HP)

Q. GXリーグについて教えてください。(220501)

A. GXとは「グリーントランスフォーメーション」の略です。
2050年カーボンニュートラルや、2030 年の国としての温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組を経済の成長の機会と捉え、排出削減と産業競争力の向上の実現に向けて、経済社会システム全体の変革がGXです。
2050年カーボンニュートラル実現と社会変革を見据えて、GXへの挑戦を行い、現在および未来社会における持続的な成長実現を目指す企業が同様の取組を行う企業群や官・学と共に協働する場が、GXリーグです。
GXリーグに参画する企業に求められる役割は、1.自らの排出削減の取組 2.サプライチェーンでの炭素中立に向けた取組 3.製品・サービスを通じた市場での取組 の3つです。
2022年度、GXリーグでは、賛同企業と共に「未来社会像対話」「市場ルール形成」「自主的な排出量取引」という3つの場の構築を行います。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/GX-league/gxleague_concept.pdf(経済産業省HP)

Q. GXリーグに賛同した企業について教えてください。(220502)

A. GXリーグは2022年2月1日に賛同企業の募集を行い、2022年3月31日に締め切られました。
2022年4月1日時点での賛同企業は合計440社となっています。賛同企業名はGXリーグ設立準備公式WEBサイトで公表されています。

 詳しくは
https://gx-league.go.jp/(GXリーグHP)

Q. GXリーグ 基本構想賛同企業追加募集について教えてください。(221001)

A. 経済産業省は、GXリーグ基本構想を2022年2月1日に公表、また同日から2022年3月31日まで、GXリーグの基本構想に対する賛同企業を募集し、440社の企業から賛同がありました。
今回、9月1日から2023年度の本格稼働開始まで、GXリーグ基本構想への賛同企業の追加募集を行うものです。
なお、2022年2月1日~3月31日までに賛同した企業は初期賛同企業、2022年9月1日以降の追加募集にて賛同した企業は追加賛同企業となります。

 詳しくは
https://gx-league.go.jp/aboutgxleague/document/%E3%80%90GXL%E3%80%91%E8%B3%9B%E5%90%8C%E4%BC%81%E6%A5%AD%E8%BF%BD%E5%8A%A0%E5%8B%9F%E9%9B%86%E8%AA%AC%E6%98%8E%E8%B3%87%E6%96%99%EF%BC%88%E5%8B%9F%E9%9B%86%E8%A6%81%E9%A0%85%EF%BC%89.pdf(GXリーグHP)

Q. GXリーグ追加募集における賛同企業の実施可能事項について教えてください。(221002)

A. 当初、大きく三つの取り組みを予定していましたが、
①未来社会像創造の場については、新たな参加企業の募集は終了しました。
②市場ルール形成の場では、今後設置されるWGへの参加または新規WGを提案し、活動することになります。
③自主的な排出量取引については、自主的な排出量取引の実施に向けたルールの策定に関する意見提出や自主的な排出量取引の実証事業への参加となり、追加賛同企業は二つの取り組みに参加することになります。

また、GXスタジオという交流の場で、賛同企業同士のプレゼンやディスカッションにより、仲間づくりと論点抽出などを行うことになります。

 詳しくは
https://gx-league.go.jp/aboutgxleague/document/%E3%80%90GXL%E3%80%91%E8%B3%9B%E5%90%8C%E4%BC%81%E6%A5%AD%E8%BF%BD%E5%8A%A0%E5%8B%9F%E9%9B%86%E8%AA%AC%E6%98%8E%E8%B3%87%E6%96%99%EF%BC%88%E5%8B%9F%E9%9B%86%E8%A6%81%E9%A0%85%EF%BC%89.pdf(GXリーグHP)

Q. なぜ、今回GXリーグ追加募集を行うのですか?(221003)

A. 2022年9月16日GXリーグ追加募集説明会での経済産業省担当者のコメントによると、

2022年3月31日の締め切り後、参加したいという声が多かったため。すでに賛同いただいた440社でCO2排出量の約40%をカバーしているが、さらに賛同を増やしCO2排出量のカバー率を上げたい。
GXリーグ全体のルールを決めている段階、今が意見を出していただくタイミングなので、ぜひ、賛同いただきたい。

とのことです。

 賛同企業のCO2排出量については、以下のリンク先「GXリーグにおける排出量取引に関する学識有識者検討会について」内に記述あり。
https://gx-league.go.jp/topic/#documents(GXリーグHP)

Q. GXリーグ「グリーン商材の付加価値付け検討WG」で議論された内容について教えてください。(240301)NEW

A. 本WGはGXリーグ「市場形成WG」の一つであり、各社の排出削減施策が、製品やサービスの経済的価値に結び付くための仕組みについて、具体商材のユースケースを想定しながら検討を行うWGです。グリーン商材の価値創出に関して、幅広い業界で応用可能な考え方についての提言をアウトプットとして策定するのが目的です。

 2023年1月にGXリーグに賛同した企業のうち、異業種17社で組成され、㈱日立製作所が事務局となり、2023年10月まで活動、その成果を「グリーン商材の付加価値付けに関する提言書」にまとめ、12月4日に公表しました。鉄鋼業界からは、日本製鉄㈱、JFEスチール㈱、JFE条鋼㈱、愛知製鋼㈱の4社が参加しました。
 提言書にて、環境に配慮した製品やサービス(以下、グリーン商材)における、ライフサイクルの環境付加価値低減につながる価値(以下、グリーン価値)が、グローバル市場で付加価値として適切に認識され、活用されていくための課題と課題解決に向けた提案を取りまとめました。
 グリーン商材の先行事例には、高炉ではマスバランス方式を適用した「グリーンスチール」、電炉では再生可能エネルギーで生産する「環境配慮型電気炉鋼材」がユースケースとして例示されています。

 詳しくは
https://gx-league.go.jp/aboutgxleague/document/%E3%80%90GXL%E3%80%91%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%95%86%E6%9D%90%E3%81%AE%E4%BB%98%E5%8A%A0%E4%BE%A1%E5%80%A4%E4%BB%98%E3%81%91%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%8F%90%E8%A8%80%E6%9B%B8.pdf(GXリーグHP)

Q. 中小企業にとって脱炭素経営によるメリットをどのように考えたら良いですか?(220601)

A. 1.優位性の構築(自社の競争力を強化し、売上・受注を拡大)、2.光熱費・燃料費の低減 3. 知名度や認知度の向上 4.脱炭素の要請に対応することによる社員のモチベーション向上や人材獲得力の強化。5.新たな機会の創出に向けた資金調達において有利。例えば、滋賀銀行は温室効果ガス排出量の削減や再生可能エネルギーの生産量または使用量等に関する目標の達成状況に応じて貸出金利が変動する「サステナビリティ・リンク・ローン」を開始しています。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/SMEs_handbook.pdf(環境省HP)

Q. 中小企業がカーボンニュートラルに取り組むメリットを教えてください。(230301)

A. 経済産業省の発行するパンフレットによると、中小企業がカーボンニュートラル(CN)に向けて取り組むメリットとして

  • 中小企業がカーボンニュートラル(CN)に取り組むことは、省エネによるコスト削減、資金調達手段の獲得、製品や企業の競争力向上の点において経営力強化にもつながります。
  • また、設備投資に伴う排出削減量をクレジット化して売却すれば、投資コストを低減できます。(但し、クレジット化して売却すると、自らの削減とは主張できなくなりますのでご留意ください。)
  • なお、サプライチェーン上や金融機関から排出量の削減を対応を迫られる動きが加速しており、中小企業における排出削減の取組にも注目が集まっています。

結果として
(1)省エネによるコスト削減
➢ エネルギー使用量を把握して削減ポテンシャルを検証、計画的・効果的な投資やプロセス改善により、一層の省エネ・省CO2、さらにエネルギーコストを削減。
(2)資金調達手段の獲得
➢ 金融機関がESG投資を推進しているため、温暖化対策の状況を加味した融資条件の優遇等を受けられる機会が拡大(サステナビリティ・リンク・ローン、トランジション・ファイナンス等)
(3)製品や企業の競争力向上
➢ 取引先企業から選好されやすくなり、既存の取引先との強固な関係性の構築のみならず、新規の取引先開拓にもつながり得る。
➢ 製品単位の排出量見える化が進めば、製品の差別化を行うことができる。
が期待できます。

具体的な支援策については、経済産業省が発行する「中小企業のカーボンニュートラル支援策」パンフレットをご覧ください。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/SME/pamphlet/pamphlet2022fy01.pdf(経済産業省HP)

Q. 企業の脱炭素経営に向けた取り組みにおいて、日本の位置づけを教えてください。(220602)

A. TCFD、SBT、RE100に取り組んでいる我が国企業の状況は以下の通りであり、世界トップクラスとなっています。
①TCFD(Taskforce on Climate related Financial Disclosure: 企業の気候変動への取組、影響に関する情報を開示する枠組み):
  日本の賛同企業数757(世界第1位)、
②SBT(Science Based Target: 企業の科学的な中長期の目標設定を 促す枠組み):
  日本の認定企業数173(世界第3位)、
③RE100 (Renewable Energy 100:企業が事業活動に必要な電力の100%を 再エネで賄うことを目指す枠組み)
  日本の参加企業数66(世界第2位)

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/datsutansokeiei.html(環境省HP)

Q. 官民がどう連携しているのか。(220405)

A. パリ協定を契機に、また、ESG金融の進展とも相まって、グローバル企業を始めとして「脱炭素化」を企業経営に取り組む動き(脱炭素経営)が国際的に拡大しており、気候関連のリスク・機会に関する情報開示の枠組み(TCFD)や、脱炭素化に向けた目標設定(SBT, RE100)に取り組む企業が増えています。
環境省では、これらの企業の脱炭素経営の具体的な取組を促進するため、各種ガイドを策定しています。

 詳しくは
https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/topics/20210716-topic-07.html(環境省HP)

Q. エネルギー白書とは何ですか?(240302)NEW

A. 資源エネルギー庁によって報告されるエネルギー政策基本法に基づく年次報告(法定白書)。2004年以降毎年作成され、2023年6月に20回目となるエネルギー白書2023が閣議決定・国会報告されました。
◆ エネルギー白書は例年3部構成。第1部はその年のエネルギーを取り巻く動向を踏まえた分析、第2部は国内外のエネルギーに関するデータ集、第3部はエネルギーに関して講じた施策集となっています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2023/whitepaper2023.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. 日本のエネルギー自給率とその動向について教えて下さい。(230303)NEW

A. 国民生活や経済活動に必要な一次エネルギーのうち、自国内で確保できる比率をエネルギー自給率といいます。1960年度には石炭等の国産エネルギーで一次エネルギーの58.1%を賄えていましたが、日本では、高度経済成長期にエネルギー需要が大きくなる中で、供給側では石炭から石油への燃料転換が進み、石油が大量に輸入されるようになったこともあり、それ以降はエネルギー自給率が大幅に低下しました。
 その後、原子力の導入等によりエネルギー自給率は改善傾向にありましたが、2011年以降は原子力の発電量が減少し、原子力の発電量がゼロになった2014年度のエネルギー自給率は、過去最低の6.3%にまで落ち込みました。2015年以降は、再エネの導入や原子力発電所の再稼動の進展によりエネルギー自給率は上昇を続け、2020年度は原子力の定期検査が長引き一時的に低下したものの、2021年度は再び上昇に転じ13.3%となりました。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2023/pdf/2_1.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. ガス業界の目指す2050年カーボンニュートラルについて教えてください。(220805)

A. ガス業界は2020年11月に、「2050年のガスのカーボンニュートラル化」へ挑戦する旨を宣言し、脱炭素社会の実現に向けた決意を表明(カーボンニュートラルチャレンジ2050)。 ①徹底した天然ガスシフト・天然ガスの高度利用、②ガス自体の脱炭素化、③CCUSや海外貢献等の取組といった多様なアプローチを複合的に組み合わせ、脱炭素社会の実現を図ることとしています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/gas_jigyo_wg/pdf/018_08_00.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. 都市ガスのカーボンニュートラル化の手段について教えてください。 (230401)

A. 都市ガスのカーボンニュートラル化の手段としては、供給するガス種の変更を伴うものと、カーボンニュートラル化に資する手立てによるものが存在します。
供給するガス種の変更によるものが「合成メタン」「バイオガス、バイオメタン」「水素」などであり、カーボンニュートラル化に資する手立てによるものが「LNG+CCUS/カーボンリサイクル」「LNG+クレジットによるオフセット」などになります。
各手段は、技術の成熟度、経済性、需要家の選好等により、今後、選択・棲み分けが進むと考えられるため、現時点で長期的に重要な選択肢が狭められないような形で、各手段の導入促進の方策を検討することが重要です。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/gas_jigyo_wg/pdf/026_03_00.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. 都市ガスのカーボンニュートラル化の手段の一つ、「合成メタン」について教えてください。(230402)

A. 合成メタンのうち、再エネ等由来の水素を利用してメタネーションを行うものを、特に「e-methane」として、水素利用の一形態として推進しています。
合成メタンの供給・利用については、主として①海外で生産・液化して日本に輸出し、既存の都市ガス導管を通じて供給するモデルと②国内の工場等で排出される二酸化炭素を回収、水素と合成し工場等で利用するモデルが検討されています。
実用化・社内実装に向けて①大規模で高率的な生産技術の確立、②カーボンリサイクル燃料としての燃焼時の二酸化炭素排出に係る国内外の制度・ルール等の調整、③規制・制度・環境価値の認証・移転等の仕組み、支援策などの検討が重要です。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/gas_jigyo_wg/pdf/026_03_00.pdf#page=7(資源エネルギー庁HP)

Q. 都市ガスのカーボンニュートラル化の手段の一つ、「バイオガス、バイオメタン」について教えてください。(230403)

A. バイオガスはバイオマス由来の燃料ガスで、汚泥・汚水やゴミ、家畜等の排泄物、エネルギー作物などのメタン発酵により発生するガス。バイオメタンは”renewable natural gas"と呼ばれることもあり、一般的には、バイオガスから二酸化炭素等を除去して純度を高めたものです。
我が国におけるバイオガスの都市ガス利用は一部に限定。国内生産されたバイオガスの多くは、経済性や物理的制約の観点から、固定価格買取制度のある発電用燃料として活用されています。
都市ガス分野のバイオガス利用促進のための制度的仕組みとしては、現在、エネルギー供給構造高度化法において、特定燃料製品供給事業者である大手ガス事業者3社に対し、「判断の基準となるべき事項」を定め、バイオガス利用の取組を求めています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/gas_jigyo_wg/pdf/026_03_00.pdf#page=14(資源エネルギー庁HP)

Q. 都市ガスのカーボンニュートラル化の手段の一つ、「水素」について教えてください。(230404)

A. 我が国で想定される水素による化石燃料の代替需要は多岐にわたるが、LNGの代替としては、例えば火力発電の燃料(ガス火力の混焼・専焼)、産業用熱需要の燃料(工業炉・ボイラー・バーナー等)が想定されます。
LNGの代替としての活用に限らず、水素の導入促進一般について、規制・支援一体型での包括的な制度を検討中です。
我が国では、水素供給方法は専用導管やローリーの活用を想定しているところ、一部の都市ガス事業者による、専用導管による水素供給の取組が開始予定です。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/gas_jigyo_wg/pdf/026_03_00.pdf#page=19(資源エネルギー庁HP)

Q. 都市ガスのカーボンニュートラル化の手段の一つ、「LNG+CCUS/カーボンリサイクル」について教えてください。(230405)

A. CCSは、火力発電の脱炭素化や、素材産業や石油精製業といった電化や水素化等で脱炭素化できず二酸化炭素排出が避けられない分野を中心として、CCU/カーボンリサイクルとともに活用する必要があるという位置づけです。2030年までの事業開始に向けた事業環境を整備し(コスト低減、国民理解、海外CCS推進、CCS事業法整備)、2030年以降に本格的にCCS事業を展開します。
カーボンリサイクル燃料以外のCCU/カーボンリサイクル製品については、二酸化炭素を原料とするコンクリートや化学製品等についての検討が進められています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/gas_jigyo_wg/pdf/026_03_00.pdf#page=22(資源エネルギー庁HP)

Q. 都市ガスのカーボンニュートラル化の手段の一つ、「LNG+クレジットによるオフセット」について教えてください。(230406)

A. 熱のカーボンニュートラル化に対する需要家ニーズに対応し、都市ガス事業者はJクレジットやボランタリークレジットを活用した都市ガス供給を拡大中です(約60者が提供)。
カーボン・クレジットの活用一般については、①多様なカーボン・クレジットの意義・活用方法を整理すること、②カーボン・クレジットを通じた日本の排出量削減目標達成を促進するための取組の方向性を整理すること、③我が国における「カーボン・クレジット市場」の方向性を示すことを目的として、昨年6月にカーボン・クレジット・レポートが策定されています。
今後、都市ガス事業者が販売するクレジットを活用した都市ガスについても、需要家である企業等の活用場面を念頭に、使用されるクレジットの性質・種類の選択が進むことが想定されます。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/gas_jigyo_wg/pdf/026_03_00.pdf#page=27(資源エネルギー庁HP)

Q. 2021年度の日本のエネルギー発電の内訳について教えてください。(220807)

A. 経済産業省が2022年7月22日に公表したデータによると

電気事業者の発電電⼒量は8,635億 kWh で、その内訳は⽔⼒(揚⽔式含む)が858億 kWh(9.9%)、⽕⼒が6,814億 kWh(78.9%)(燃料種別︓⽯炭2,826億 kWh(32.7%)、LNG 3,191億 kWh(37.0%)、⽯油 208億 kWh(2.4%)ほか)、新エネルギー等が546億 kWh(6.3%)、原⼦⼒が678億 kWh(7.8%)などとなった。 なお、バイオマス発電と廃棄物発電による電⼒量は、⽕⼒発電に計上されているが、上記の「新エネルギー等」には、⾵⼒発電、太陽光発電、地熱発電に加えて、バイオマス発電及び廃棄物発電も再計上している。

とのことです。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/statistics/electric_power/ep002/pdf/2021/0-2021.pdf(経済産業省HP)

Q. 日本に於ける2030年度の電源構成目標を教えてください。(220808)

A. 火力発電は、当面、主要な供給力および再生可能エネルギーの変動性を補う調整力として活用しつつ、適切な火力発電の設備構成を維持し、安定供給を確保しながら、非効率の石炭火力発電のフェードアウトを進め、火力発電の比率を引き下げていきます。このような取り組みの結果、2030年度の電源構成は、再生可能エネルギーは36~38%程度、原子力発電は20~22%程度、LNG火力発電は20%程度、石炭火力発電は19%程度、石油火力発電は2%程度、水素・アンモニアによる発電を1%程度と見込んでいます。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211022005/20211022005-2.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. 地方公共団体における2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明の状況について教えてください。(221101)

A. 地球温暖化対策の推進に関する法律では、都道府県及び市町村は、その区域の自然的社会的条件に応じて、温室効果ガスの排出の削減等のための総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施するように努めるものとするとされています。

こうした制度も踏まえつつ、昨今、脱炭素社会に向けて、2050年二酸化炭素実質排出量ゼロに取り組むことを表明した地方公共団体が増えつつあります。
2022年9月30日現在、東京都、京都市、横浜市をはじめとした785自治体が「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ」を表明。表明自治体総人口は1億1,896万人となっています。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/policy/zerocarbon.html(環境省HP)

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質問文の( )内は登録年月連番を表します。

国際的な取り組み

Q. COPとはどういう意味ですか?(220220)

A. conference of the parties の略で「締約国会議」を意味します。ここでは「国連気候変動枠組条約締約国会議」を指します。
だいたい、毎年1回開催され、COPの次に数字を付けて何回目かの会議を表します。
日本人になじみのあるのは1997年京都で開催されたCOP3で「京都議定書」が定められました。

詳しくは
http://www.env.go.jp/earth/copcmpcma.html(環境省HP)

Q.「京都議定書」の内容は?その結果はどうなりましたか?(220221)

A. 先進国の温室効果ガス削減目標の明確化を行い、日本は2008年から2012年の5年間で1990年比▲6%を表明しました。
同様にEUは▲8%、米国は▲7%を表明しました。活動の成果として日本は目標を達成しましたが、米国は途中で脱退、議定書に参加していない途上国の温室効果ガスの排出量が増大。
世界全体の排出量が増加。結果として京都議定書は気候変動対策としては不十分となりました。
そこで新たな取り組みとしてCOP21にてパリ協定が合意、その後発効しました。

詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/cop6/3-2.html(環境省HP 京都議定書の概要)
https://www.env.go.jp/press/102374.html(環境省HP)

Q. パリ協定とは何ですか?またその目標は?(220222)

A. 2015年パリで行われたCOP21で合意された協定で、2020年以降の気候変動問題に関する国際的な取り組みです。
世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする。
そのため、できる限り早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には温室ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる。
という長期目標を掲げています。

詳しくは
http://www.env.go.jp/earth/cop/cop21/(環境省HP)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/ondankashoene/pariskyotei.html(経済産業省HP)

Q. グラスゴー合意について教えてください。(220303)

A. 2021年11月13日 イギリス グラスゴーで開催されたCOP26で合意文書が採択され、パリ協定で決めたことがルール化されました。
合意の主なポイントは以下の通りです。
①温室効果ガス削減目標を共通の様式で、5年毎に各国が報告 ②CO2の排出枠をクレジットとして売買可能 ③クレジットの2重計上を防止④1.5℃目標の対策を加速させる文言の追加 などです。

詳しくは
https://www.env.go.jp/press/files/jp/117098.pdf(環境省HP)

Q. COP27とは何ですか?(230101)

A. 2022(令和4)年11月6日(日)~同年11月20日(日)エジプト・アラブ共和国・シャルム・エル・シェイク において、国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)などが開催されました。
我が国からは、西村環境大臣のほか、外務省、環境省、経済産業省、財務省、文部科学省、農林水産省、国土交通省、金融庁、林野庁、気象庁の関係者が参加しました。
気候変動対策の各分野における取組の強化を求める COP27 全体決定「シャルム・エル・シェイク実施計画」などが採択されました。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/content/000088572.pdf(環境省HP)

Q. COP27で決まったこと(シャルム・エル・シェイク実施計画)について教えてください。(230102)

A. 合意のポイントですが、
・気候変動で途上国に生じた「損失と損害」の支援基金を設立。運営細則を来年決める
・気温上昇を1.5度に抑えるパリ協定の目標達成へさらに努力
・各国に1.5℃目標に沿った排出削減の強化は求めず、化石燃料の段階的廃止など強い対応は見送り
・再生可能エネルギー導入を加速すべきだとの認識を共有。失業対策など「公正な移行」を重視
・排出削減加速のための作業計画を策定
などがあげられます。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/content/000088572.pdf(環境省HP)

Q. COP28で初めて実施された「グローバル・ストックテイク(GST)」について教えてください。(240304)NEW

A. GSTとはパリ協定で掲げられた目標達成に向けて、世界全体の進捗状況を評価するものです。2015年のCOP21で採択された「パリ協定」では、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」という目標が掲げられました。GSTは、この目標達成に向けた世界全体の進捗を評価する仕組みで、5年ごとに行われます。COP28ではパリ協定発効以降、初めてGSTが実施されました。
 各国は5年ごとに行われるGSTの結果を踏まえ、自国の温室効果ガスの排出削減目標(NDC)を更新します。このように、GSTに基づいて、各国がNDCを策定し、実施の報告を行い、それが次のGSTに生かされる、というサイクルを繰り返すことで着実にパリ協定の目標達成に向かうことを目指しています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/cop28_01.html(資源エネルギー庁HP)

Q. なぜカーボンニュートラルを達成する目標が2050年なのか?(220223)

A. IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル Intergovernmental Panel on Climate Change)1.5℃特別報告書によると、地球温暖化を1.5℃に抑えるためのシナリオを検討しており、2050年前後に人為起因のCO2の正味排出ゼロが必須と結論付けています。

詳しくは
http://www.env.go.jp/earth/ipcc_ar6_sr_pamphlet.pdf(環境省 IPCC AR6特別報告書)

Q. SBTについて教えてください。(220710)

A. SBTとは、Science Based Targetsの略号の国際的なイニシアチブです。パリ協定が求める⽔準と整合した、5年〜10年先を⽬標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減⽬標のことです。SBTに取り組むメリットは、パリ協定に整合する持続可能な企業であることを、ステークホルダーに対して分かり易くアピールできることです。SBTに参加する企業は世界全体で年々増加しています。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/intr_trends.html(環境省HP)

Q. RE100について教えてください。(220711)

A. RE100(Renewable Energy 100%)とは国際的なイニシアチブで、2014年に結成した、事業を100%再エネ電⼒で賄うことを⽬標とする企業連合のことです。リスク回避・コスト削減・ESG投資の呼び込み・コネクションの拡⼤など、RE100には様々なメリットがあります。RE100に参加する企業は世界全体で年々増加しています。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/intr_trends.html(環境省HP)

Q. TCFDについて教えてください。(220712)

A. TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)とは.投資家等に適切な投資判断を促すための、効率的な気候関連財務情報開示を企業等へ促す民間主導のタスクフォースです。TCFD提言に沿った情報開示は、一般にTCFD開示と呼ばれています。TCFD開示では、以下の4項目を開示推奨項目としています。
  ガバナンス:気候関連リスク・機会についての組織のガバナンス
  戦略:気候関連リスク・機会がもたらす事業・戦略、財務計画への実際の/潜在的影響(2度シナリオ等に照らした分析を含む)
  リスク管理:気候関連リスクの識別・評価・管理方法
  指標と目標:気候関連リスク・機会を評価・管理する際の指標とその目標
戦略においては気候関連リスクと機会が与える影響を評価するため、シナリオ分析による情報開示が推奨されています。
また、コーポレートガバナンス・コードが改定され、プライム市場上場企業において、TCFD 又はそれと同等の国際的枠組みに基づく気候変動開示が求められています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/disclosure.html(経済産業省HP)
https://www.fsa.go.jp/news/r2/singi/20210406.html(金融庁HP)

Q. CDPについて教えてください。(220713)

A. CDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)は2000年に設立された国際的な環境非営利組織であり、「人々と地球にとって、健全で豊かな経済を保つ」ことを目的に活動しています。CDPは投資家、企業、自治体、政府に対して働きかけ、それぞれの環境インパクトに関する情報開示を促しています。CDPの情報開示システムは世界経済における環境報告のグローバルスタンダードとなっており、企業や自治体の環境インパクトに関する世界最大のデータセットを保有しています。CDPは情報開示の要請者と回答者の環境データ受け渡しのプラットフォームの運営を行っています。環境に関する3つの質問書(気候変動・水セキュリティ・フォレスト)を作成し、質問書への回答を基にスコアリング(A~D-)を実施しています。2022年、CDPは署名機関からの環境情報開示要請(気候変動分野)の対象日本企業を、東証プライム市場上場企業全社(1841社)に拡大します。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/zeb/news/pdf/20220303_cdp.pdf(環境省HHP)

Q. カーボンニュートラルを巡る日本、米国、欧州(EU)に於ける投資(額)等について教えて下さい。(220705)

A. 日本政府は「クリーンエネルギー戦略」の中間整理を公表し、2050年の温室効果ガスの排出量「実質ゼロ」を実現するには今後10年間に官民で150兆円の投資が必要と試算した。一方、脱炭素を巡っては、米国は総額1兆2000億ドル(約160兆円)規模のインフラ投資を行う方針で、欧州連合(EU)は10年間で官民で1兆ユーロ(約140兆円)超の投資計画をまとめた。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/green_transformation/pdf/20220519_1.pdf(経済産業省HP)

Q. GMP(グローバル・メタン・プレッジ)とは何ですか? 日本の対応は?(220901)

A. 世界全体のメタン排出量を2030年までに2020年比30%削減することを目標とする米国・EUの共同イニシアティブのことです。COP26で正式に発足しました。
現時点では、削減量の国別目標は求めていません。
日本も参加を表明、すでにメタンの排出量が米国の約23分の1、EUの約15分の1とすでに相当低い水準を達成しているため、2030 年度までにメタン排出量を 2013 年度比 11%削減(2019 年度比6%削減)することを掲げるとともにこれまで国内でメタンの排出削減に成功した取組を優良事例として各国に共有する等のイニシアティブを含む各種取組を通じ、世界の脱炭素化に向けて、引き続き我が国としてリーダーシップを発揮していくことを表明しました。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/others/global_methane_pledge.pdf(経済産業省HP)

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税、クレジット、排出枠、しくみ、制度など

Q. 環境税とは?(220226)

A.
地球温暖化対策のための税(以下「地球温暖化対策税」と言います。)は、石油・天然ガス・石炭といったすべての化石燃料の利用に対し、環境負荷に応じて広く薄く公平に負担を求めるものです。具体的には、化石燃料ごとのCO2排出原単位を用いて、それぞれの税負担がCO2排出量1トン当たり289円に等しくなるよう、単位量(キロリットル又はトン)当たりの税率を設定しています。また、急激な負担増を避けるため、税率は3年半かけて3段階に分けて引き上げられました。 地球温暖化対策税により、化石燃料の利用量に応じて負担が生じることになりますが、省エネルギーの取組みや再生可能エネルギーの利用を積極的に進めていただくことにより、経済的な負担を減らしつつ、CO2を削減することが可能です。

詳しくは
https://www.env.go.jp/policy/tax/about.html(環境省HP)

Q. 炭素税という言葉をよく聞くけど、私たちの生活に関わってくるの?(220304)

A.
炭素税は、CO2排出に伴う外部費用を内部化することで、排出量を削減する手法です。
排出の多い取組が、少ない取組よりも高額課税されることで、十分に高い水準の負荷があれば、排出の少ない取組が選好されることが期待されています。
課税により、炭素排出削減に向けた政府としての意志を示すことに加え、税収使途の有効活用による脱炭素投資促進が期待されています。
これらの効果により、CO2削減に加えて、中長期的には、脱炭素投資の促進により新たな経済活動が喚起される可能性がありますが、短期的には企業の負担が増加し最終消費者への影響もあると思われます。

詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_neutral_jitsugen/pdf/004_02_00.pdf(経済産業省 HP)

Q. クレジット(J-クレジット)とは?(220227)

A.
国が認証するJ-クレジット制度とは、省エネルギー機器の導入や森林経営などの取組による、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。本制度により創出されたクレジットは、低炭素社会実行計画の目標達成やカーボン・オフセットなど、様々な用途に活用できます。2050年カーボンニュートラルに向けて、カーボンニュートラルな代替技術が実装するまでの移行期では、クレジットでCO2排出量を調整する動きが加速しております。

詳しくは
https://www.meti.go.jp/press/2021/08/20210804003/20210804003.html(経済産業省HP)

Q. ゼロエミ・FIT電源ってなに?(220305)

A.
「ゼロエミ(ゼロ・エミッション)」とは、産業等の活動から発生するものをゼロに近いものにするため、資源の有効活用を目指す理念のことです。
また、FITとは「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のことで、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。FIT制度で買い取られた再生可能エネルギーのことを「FIT電気」といい、電力会社が買い取る費用の一部を電気の利用者から賦課金という形で集め、今はまだコストの高い再生可能エネルギーの導入を支えています。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/surcharge.html(資源エネルギー庁 HP)

Q. 再エネ賦課金について教えてください。(220809)

A. 正式名は再生可能エネルギー発電促進賦課金といい、固定価格買取制度で買い取られる再生可能エネルギー電気の買い取りに要した費用は、電気の使用者から広く集められる再エネ賦課金によってまかなわれます。再生可能エネルギーで発電された電気は、日々使う電気の一部として供給されているため、再エネ賦課金は、毎月の電気料金とあわせて支払っています。
2022年5月検針分からは、使用した電気量×3.45円/kwhが再エネ賦課金となります。

その特徴としては

  • 電気を使うすべての方に負担。
  • 電気料金の一部となっている。
  • 負担額は電気の使用量に比例する。
  • 再エネ賦課金の単価は、全国一律の単価になるよう調整されている。
  • 集めた再エネ賦課金は、電気事業者が買取制度で電気を買い取るための費用に回され、最終的には再生可能エネルギーで電気をつくっている方に届く。
  • 再エネ賦課金の単価は、買取価格等を踏まえて年間でどのくらい再生可能エネルギーが導入されるかを推測し、毎年度経済産業大臣が決定。なお、推測値と実績値の差分については、翌々年度の再エネ賦課金単価で調整。
  • 買取制度によって買い取られた再生可能エネルギーの電気は、電気の一部として供給されているため、電気料金の一部として再エネ賦課金を支払うととなっている。(なお、再エネ賦課金単価の算定の際、買取に要した費用から、電気事業者が再生可能エネルギーの電気を買い取ることにより節約できた燃料費等は差し引かれている。)

ことがあげられます。

ただし、大量の電力を使用する事業所で、国が定める要件に該当する場合、再エネ賦課金の額が減免されます。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/surcharge.html(資源エネルギーHP)

Q. FIP制度とは?(220406)

A.
FIP制度とは「フィードインプレミアム(Feed-in Premium)」の略称で、FIT制度のように固定価格で買い取るのではなく、再エネ発電事業者が卸市場などで売電したとき、その売電価格に対して一定のプレミアム(補助額)を上乗せすることで再エネ導入を促進する制度です。
FIP制度においては、再エネ発電事業者はプレミアムをもらうことによって再エネへ投資するインセンティブが確保されます。さらに、電力の需要と供給のバランスに応じて変動する市場価格を意識しながら発電し、蓄電池の活用などにより市場価格が高いときに売電する工夫をすることで、より収益を拡大できるというメリットがあります。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/fip.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 省エネ機器を導入した際の補助金は今後増加するの?(220306)

A.
資源エネルギー庁のHPには、「省エネルギー設備投資に係る利子補給金助成事業費補助金」をはじめとする各種補助金制度が紹介されています。
今後、増加するかについては予算の関係で定かではありませんが、適宜下記HPをご参照ください。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/support/(資源エネルギー庁 HP)

Q. カーボンニュートラル化を実現するグリーントランスフォーメーション(GX)の為の資金調達策について教えてください。(220708)

A. 岸田首相は、20兆円規模の「GX経済移行債(GX)」を発行する方針。GX債は、脱炭素社会へ移行するために必要な資金を調達するつなぎの国債で、事前に財源を確保しておくことを想定している。二酸化炭素を多く出す企業が排出枠を買い取る排出量取引制度からの収入を活用するなど今後、枠組みの詳細を詰める必要がある。脱炭素の実現は政府の施策だけでなく、民間資金をどう活用するかがカギを握る。政府は民間資金の活用を則す効果的な支援体制を早急に構築することが求められている。

 詳しくは
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/seisaku_kishida/kihonhoushin.html(首相官邸HP)

Q. 「GX推進法」について教えてください。(240305)NEW

A. 2023年2月、政府はGXのための政策パッケージである「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定。その実行に必要な制度を定めるため、2023年通常国会に「GX推進法」などを提出、5月12日に成立しました。
 その「GX推進法」の骨子ですが、
①GX推進戦略の策定・実行・・戦略はGX経済への移行状況を検討し、適切に見直し
②GX経済移行債の発行・・2023年度から10年間で20兆円規模(民間投資と合わせ、計150兆円規模)
③成長志向型カーボンプライシングの導入
 ③-1炭素に対する賦課金(化石燃料賦課金)の導入・・2028年度から化石燃料の輸入事業者等に対して徴収
 ③-2排出量取引制度(有償オークション)・・2033年度から発電事業者に対して、特定事業者負担金を徴収
➃GX推進機構の設立・・ⅰ)民間企業のGX投資支援 ⅱ)化石燃料賦課金・特定事業者負担金の徴収 ⅲ)排出量取引制度の運営などからなります。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/press/2022/02/20230210004/20230210004-1.pdf(経済産業省HP)

Q. カーボンニュートラル化に向けた新技術の不確実性やコスト未知数の対策について教えてください。(220709)

A. 新技術の実用化の目途や実際にかかる費用が不確実な部分が多い。短期的に実用化できない技術や設備などに資金を投じるため、投資基準があいまいだと、単なる企業支援策となり歳出が膨らむ懸念もある。欧州各国はグリーン国債を、脱炭素に役立つ投資先に限定するなど厳格な基準を定めている。日本でのGX債も使途を明確にすることが求められている。

 詳しくは
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/07/b8d559477d6057bb.html(ジェトロHP)

Q. カーボンニュ―トラルと法律やしくみってどういう関係があるの?(220218)

A. 2021年5月26日、地球温暖化対策推進法の一部改正案が成立し、同年6月2日、公布されました。
今回の改正では、2020年秋に宣言された2050年カーボンニュートラルを基本理念として法に位置づけるとともに、その実現に向けて地域の再生可能エネルギーを活用した脱炭素化の取組や、企業の排出量情報のデジタル化・オープンデータ化を推進する仕組み等が定めらました。

今回の改正では、特に以下3点が要点となります。

2050年までの脱炭素社会の実現を掲げる基本理念の設定
地球温暖化対策の推進は、環境の保全と経済及び社会の発展を統合的に推進しつつ、日本における2050年までの脱炭素社会の実現を旨として、国民並びに国、地方公共団体、事業者および民間の団体等の密接な連携のもとに行われなければならないものとする。

地方創生につながる再エネ導入を促進
2050年までのカーボンニュートラルの実現には再生可能エネルギーの利用が不可欠である。一方、再生可能エネルギー事業に対する地域トラブルが見られ、地域における合意形成が課題となっている。こうした課題を解決するため、地方自治体が策定する地方公共団体実行計画において、地域の脱炭素化や課題解決に貢献する事業の認定制度を創設し、関係法律の手続きのワンストップ化を可能とするなど、円滑な合意形成による再生可能エネルギーの利用促進を図る。

企業の温室効果ガス排出量情報のオープンデータ化
地球温暖化対策推進法では、一定以上の温室効果ガスを排出する事業者に対し、排出量を報告させ、国が取りまとめて公表する制度が存在する。
同制度においてデジタル化を推進することにより、報告する側と使う側の双方の利便性向上を図る。
また、開示請求を不要とし、オープンデータ化を勧め、企業の脱炭素に向けた前向きな取り組みが評価されやすい環境の整備を進める。

 詳しくは
http://www.env.go.jp/press/109218.html(環境省HP)

Q. 「非化石証書」について教えてください。(220503)

A. 非化石証書とは、化石燃料を使っていない「非化石電源」で発電された電気が持つ「非化石価値」を取り出し、証書化したものです。非化石価値取引市場で売買されます。
2018年5月からまずは小売電気事業者向けにFIT電気の非化石証書のオークションがスタートしました。(2021年11月から需要家、仲介事業者もオークションに参加できるようになりました。)

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/hikasekishousho.html(資源エネルギー庁HP)

Q. トラッキング付非化石証書とは何ですか?(220504)

A. FIT電源である再生エネ由来で、政府によって発電設備に関する属性情報がトラッキング(追跡)された非化石証書のことです。具体的には、電源種や発電所所在地などの詳細なトラッキング情報が非化石証書に付与されます。
このトラッキング付き非化石証書は、事業で使用する電気を再生エネ電気由来100%にすることを目指す国際企業連合であるRE100加盟企業の目標達成手法に活用できます。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/033_01_00.pdf(経済産業省HP)

Q. 再エネ価値取引市場について、教えてください。(220505)

A. 2021年11月から新たな市場として再エネ価値取引市場がスタートしました。
これにより、FIT非化石証書を小売り電気事業者だけでなく、需要家、仲介事業者も市場でオークションにて購入可能になりました。
また、FIT証書に対して全量トラッキング化となり、入札最低価格も1.3円/kWh→0.3円/kWhに大幅に引き下げられました。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/nonfossil/page/20211021.html(資源エネルギー庁HP)

Q. CBAMとは何の略ですか?(220810)

A. 炭素国境調整措置(Carbon Border Adjustment Mechanism)の略です。
CO2の価格が低い国で作られた製品を輸入する際に、CO2分の価格差を事業者に負担してもらう仕組みのことです。
CO2の価格が相対的に低い他国への生産拠点の流出や、その結果として世界全体のCO2排出量が増加することを防ぐことが目的です。
現在、EU・米国で検討が進行中です。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/council/06earth/shiryou4.pdf(環境省HP)

Q.炭素国境調整措置(CBAM)に対する日本の基本的な考え方について教えてください。(220506)

A. 経済産業省のホームページによると

  • 炭素国境調整措置は、国内の気候変動対策を進めていく際に、他国の気候変動対策との強度の差異に起因する競争上の不公平を防止し、カーボンリーケージが生じることを防止するためのものである。輸入品に対し炭素排出量に応じて水際で負担を求めるか、輸出品に対し水際で負担分の還付を行う、または、その両方を行う制度である。
  • 日本は、対話等を通じて、主要排出国及び新興国がその能力に応じた排出削減に取り組むよう国際社会を促していくことが基本である。よって、炭素国境調整措置については、その導入自体が目的であるべきではなく、国際的な貿易上の悪影響を回避しつつ、新興国を含む世界各国が実効性のある気候変動対策に取り組む誘因とするものでなければならない。
  • 炭素国境調整措置について、諸外国の検討状況や議論の動向を注視しつつ、国内の成長に資するカーボンプライシングの検討と平行しながら、以下の対応を進める。
    ① 炭素国境調整措置は、WTOルールと整合的な制度設計であることが前提であり、諸外国の検討状況も注視しながら対応について検討する。
    ② 製品単位あたりの炭素排出量について、正確性と実施可能性の観点からバランスのとれた、国際的に信頼性の高い計測/評価手法の国際的なルール策定・適用を主導する(例:ISOの策定)。
    また、各国が有する関連するデータの透明性を確保することを促す。
    ③ 日本及び炭素国境調整措置を導入する国において、対象となる製品に生じている炭素コストを検証する。
    ④ 炭素国境調整措置導入の妥当性やその制度のあり方について、カーボンリーケージ防止や公平な競争条件確保の観点から立場を同じくする国々と連携して対応する。

とのことです。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_neutral_jitsugen/pdf/002_02_00.pdf(経済産業省HP)

Q. EUが提示したCBAM案の概要について教えてください。(220811)

A. 2021年7月14日欧州委員会は、EUの2030年気候目標の達成に向けての対策パッケージ「Fit for 55」を発表しました。その一環として炭素国境調整措置(CBAM:Carbon Border Adjustment Mechanism)を提案。
対象となるのは、セメント、電気、肥料、鉄鋼、アルミニウムで、輸入者は輸入品に含まれる排出量1トンに対応するCBAM証書を購入する必要があります。証書の価格はEU-ETS排出枠価格と連動し、毎週のオークションの終値の平均価格に基づき決定するとのことです。

その内容は
(1)対象とする貿易措置・・ 輸入財についてはEU排出量取引制度(以下、EU-ETS)に基づく炭素価格分を支払い。輸出財については還付はなし。
(2)対象セクターの範囲 ・・セメント、鉄・鉄鋼、アルミニウム、肥料、電力(炭素集約的とされる産業)
(3)炭素価格および排出量の計算・調整方法・・ 前年分の対象輸入品量とその炭素排出量を申告し、EU ETSを反映して炭素価格を設定
(4)対象国の範囲・・ 全輸入相手国

同案について、2023年から予備段階として輸入業者からの炭素価格×排出量の報告を開始、2026年から実際の支払いの義務化を開始するとしている。 なお、上記(3)について、申告する排出量は製品の生産時に直接発生した炭素排出量であり(サプライチェーンや製品のライフサイクルにおける全ての炭素排出ではない)、この実排出量の計測が難しい場合は、EU域内の同種製品の排出量下位10%の平均値を適用するとしている。また、輸出相手国に対しては、既に当該国で炭素税や排出量価格が製品にかかっている場合には、EU域内でその分の減額が認められるとしている

同案は今後、欧州理事会と欧州議会での審議を経て修正される可能性もあります。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/council/06earth/17sankou3.pdf(環境省HP)

Q. 米国における国境炭素調整をめぐる動向について教えてください。(220812)

A. 2021年2月17日電力中央研究所 社会経済研究所の資料によると

  • バイデン大統領・民主党の選挙公約に盛り込まれた国境炭素調整
    炭素排出抑制の国内政策の導入を前提に、国境炭素調整の併用を公約。競争上の悪影響の緩和が主たる狙い
  • 国内政策の公約は「部門別の規制的措置」が中心。ただし、国境炭素調整の対象と想定されるエネルギー集約型の輸出入が多い部門に対する規制は明言せず
    選挙公約では、電力部門、石油・ガス部門、自動車への規制を提示。国境調整の対象となりやすいエネルギー集約型の輸出入が多い部門(鉄鋼等の素材産業)への規制導入は明言せず。炭素税・排出量取引も公約には含まれていない
  • 国境炭素調整の検討が本格化するのは、エネルギー集約型の輸出入が多い部門への規制、または米国経済全体への炭素税・排出量取引を導入する時
    政権の支持基盤の1つである労働組合との関係においても、素材産業等の競争上の悪影響緩和は重要。ただし、これらの部門への規制や炭素税・排出量取引は公約に明示されておらず、検討時期は予測困難。急浮上する可能性もある 

とのことです。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_neutral_jitsugen/pdf/001_03_00.pdf(経済産業省HP)

Q. カーボンニュートラル投資促進税制について教えてください。(220507)

A. カーボンニュートラルに向け、脱炭素化効果の高い先進的な投資(化合物パワー半導体等の生産設備への投資、生産プロセスの脱炭素化を進める投資)について、税額控除(10%・5%)又は特別償却(50%)ができる措置を創設する。

 詳しくは
https://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei21/03.htm(財務省HP)

Q. トランジション・ファイナンスについて教えてください。(220508)

A. トランジション・ファイナンスとは、脱炭素社会の実現に向けて長期的な戦略に則り、着実なGHG削減の取組を行う企業に対し、その取組を支援することを目的とした新しいファイナンス手法です。トランジション・ファイナンスは、資金調達者がパリ協定と整合した長期目標を実現するための戦略を明確に求められるという点において、より将来に対して野心的な取組を担保する主体へのファイナンスと言えます。そのため、トランジション・ファイナンスをグリーンボンド等と同様に、脱炭素社会の実現に向けて極めて重要な手段として位置付けています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/transition_finance.html(経済産業省HP)

Q. CFP(カーボンフットプリント)とは何ですか?(221102)

A. CFP(カーボンフットプリント)とは、Carbon Footprint of Products の略称で、商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量を CO2に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組みです。LCA(ライフサイクルアセスメント)手法を活用し、環境負荷を定量的に算定するものです。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sangi/carbon_neutral/pdf/001_04_01.pdf(経済産業省HP)

Q. カーボンフットプリント(CFP)の役割について教えてください。(221103)

A. CFPは⾃社の製品のサプライチェーン上におけるCO2排出量を、ライフサイクルアセスメント(LCA) の観点から算定したものであり、CFPに取り組むことで、⾃社製品サプライチェーン上で、優先的にCO2排出削減に取り組むべき⼯程を把握することができます。
カーボンニュートラルを実現するため、脱炭素・低炭素製品(グリーン製品)が選択されるような 市場を創り出していく必要があり、その基盤としてCFPを⾒える化する仕組みが不可⽋となります。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/carbon_footprint/pdf/001_04_00.pdf(経済産業省HP)

Q. 二国間クレジットが、我が国にも途上国にもメリットがある理由を教えてください。(220509)

A. 開発途上国にとって、先進的な低炭素技術の多くはコストが高く、投資がきちんと回収できるのか見込みが立てにくい場合があります。そんな時に、先進国から資金や技術を提供してもらって排出削減プロジェクトに取り組み、成果をクレジットとして先進国に渡します。こうすれば、途上国は自国だけでは実施が難しかったプロジェクトに取り組むことができ、先進国はクレジットで自国の削減目標をおぎなうことが可能になるのです。日本が進めている「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism、JCM)」は、日本の持つすぐれた低炭素技術や製品、システム、サービス、インフラを途上国に提供することで、途上国の温室効果ガスの削減など持続可能な開発に貢献し、その成果を二国間で分けあう制度です。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/jcm.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 日本が戦略パートナー国として参画することを発表した「First Movers Coalition」とはどのようなものですか?(220603)

A. First Movers Coalition(FMC)は、COP26において米国政府が世界経済フォーラムと協力して立ち上げたイニシアティブであり、2050年までにネット・ゼロを達成するために必要な重要技術の早期市場創出に向け、世界の主要グローバル企業が購入をコミットするためのプラットフォームです。
日本政府は、2022年5月24日、戦略パートナー国としてのFMCへの参画を発表しました。本参画は、2021年4月に発表された「日米気候パートナーシップ」に基づく協力の成果であり、5月23日に日米首脳会談後に発表された気候パートナーシップのファクトシートにおいて、日米がFMCにおいて更なる協力を進めるとともに、この分野で日本企業の役割を高めることの意思が示されております。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220524001/20220524001.html(経済産業省HP)

Q. カーボンニュートラルの実現に向けて家庭部門の省エネも重要な要素とされていますが、令和4年度から運用開始の省エネ・コミュニケーションランキング制度とその目的を教えてください。(220604)

A. 本制度は、電力・ガス会社等のエネルギー小売事業者による省エネに関する一般消費者向けの情報提供やサービスの充実度を調査し、取組状況を毎年度評価・公表する制度です。これにより、一般消費者に電力・ガス会社等のエネルギー小売事業者を選択する際の参考にしていただき、提供された省エネルギー情報を元に一層の省エネルギーに取り組んでいただくこと、また、電力・ガス会社等のエネルギー小売事業者による更なる情報提供を促すことを目的としています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/press/2021/03/20220331007/20220331007.html(経済産業省HP)

Q. 地域脱炭素移行・再エネ推進交付金の概要と目的について教えてください。(220605)

A. 本事業は、「地域脱炭素ロードマップ」及び地球温暖化対策計画に基づき、脱炭素事業に意欲的に取り組む地方自治体等を複数年度にわたり継続的かつ包括的に支援するスキームとして交付金を設ける(中略)。改正地球温暖化対策推進法と一体となって、少なくとも100か所の「脱炭素先行地域」で、脱炭素に向かう地域特性等に応じた先行的な取組を実施するとともに、脱炭素の基盤となる重点対策を全国で実施し、各地の創意工夫を横展開することを目的とする。交付要件は、脱炭素先行地域内の民生部門の電力消費に伴うCO2排出実質ゼロ達成 等 。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/policy/roadmapcontents/cn05.pdf(環境省HP)

Q. インターナルカーボンプライシングについて教えてください。(220606)

A. インターナルカーボンプライシング(ICP)は、組織が内部的に使用する炭素価格です。組織が独自に自社の炭素排出量に価格を付け、何らかの金銭価値を付与することで、企業活動を意図的に低炭素に変化させることができる仕組みです。例えば、CO2 1tあたり20,000円で換算し投資基準を引き下げて再エネ導入を増やしたり、CO2 1tあたり20,000円を実際に社内で積み立て、脱炭素活動に投資したりします。ICPの幅は0.01-909US$/CO2tと広いのが現状です。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/press/ICP%E6%A6%82%E8%A6%81%E8%B3%87%E6%96%99.pdf(環境省HP)

Q. ICP(インターナル カーボン プライシング)導入のメリットについて教えてください。(230201)

A. 導入によって得られるメリットとしては、 ①CO2が価格付けされるため、CO2に対する投資額・コストが可視化される、②ICPという企業横断的な基準が設定されることで、脱炭素に関する企業ガバナンスを整備しやすくなる、③CO2削減量を「見なしの利益」として加味することで、投資対象可能となる投資が増加し、脱炭素活動が推進されることになる、などです。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/content/900440896.pdf(環境省HP)

Q. ICP導入の現状について教えてください。(230202)

A. 2018年から2019年にかけて、世界で1500社以上が導入しました。なお、TCFDの開示要求項目の中の「指標と目標」項目において、ICPの実施が推奨されており、今後、導入する企業の数は増加していくと見込まれます。我が国においては、2022年1月時点で、ICPを既に導入している企業は131社にのぼり、148社が2年以内の導入を考えている、と回答しています。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/content/900440896.pdf(環境省HP)

Q. グリーンイノベーション基金について教えてください。(220240)

A.
2050年カーボンニュートラル目標に向けて、令和2年度第3次補正予算において国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に造成した2兆円の「グリーンイノベーション基金」(以下「基金」という。)のことです。
本基金では、「経済と環境の好循環」を作っていく産業政策であるグリーン成長戦略において実行計画を策定している重点分野のうち、特に政策効果が大きく、社会実装までを見据えて長期間の取組が必要な領域にて、具体的な目標とその達成に向けた取り組みへのコミットメントを示す企業等を対象として、10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援していきます。

詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/gifund/index.html(経済産業省HP)

Q. ESG投資をどうとらえるべきか?(220243)

A.
温暖化への対応を“経済成長の制約やコスト”と考える時代は終わり、“成長の機会”ととらえる時代になりつつあります。
実際に、環境・社会・ガバナンスを重視した経営をおこなう企業へ投資する「ESG投資」は世界で3,000兆円にもおよぶとされ、環境関連の投資はグローバル市場では大きな存在となっています。また、諸外国の政府を見ても、120以上もの国と地域が「2050年カーボンニュートラル」という目標を掲げ、脱炭素化に向けた大胆な政策措置を相次いで打ち出しています。
脱炭素化をきっかけに、産業構造を抜本的に転換し、排出削減を実現しつつ次なる大きな成長へとつなげていく。
まさに脱炭素化は、産業政策の観点からも、重要な政策テーマとなりました。
リーマンショック後に起こったような経済停滞を繰り返さず、「2050年カーボンニュートラル」を旗印に、日本の持続可能な経済成長、新たな雇用創出につなげていくことが目指されます。
そこで、「2050年カーボンニュートラル」という高い目標のもと、民間企業の大胆なイノベーションをうながし、新しい時代に向けた挑戦を応援するために策定されたのが、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」です。
国として具体的な見通しや高い目標を掲げることで、カーボンニュートラルの実現に向けたイノベーションを起こし、日本の次なる成長の源泉となる。こうした「経済と環境の好循環」をつくっていくことが、この戦略策定の狙いです。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/green_growth_strategy.html(経済産業省 資源エネルギー庁HP)

Q. エネルギー政策を考える上で、カギとなるものを教えてください。(221203)

A. エネルギー政策は、複雑なものになります。なぜなら、私たちの生活や仕事に大きな影響をあたえるエネルギーは、さまざまな“理想”を同時に追求し、バランスをとっていく必要があるからです。

エネルギーを考えるカギとなる、4つの“理想”を紹介します。
①「絶対に安全なものを使いたい」②「いつでもどこでも安定して使えるようにしてほしい」③「値上がりすると生活が苦しい。安いものがいい」④「地球のため、環境にやさしいものを選びたい」
これら4つの“理想”は、どれも重要なものです。でも、4つをまとめて叶えられるような夢のエネルギーは見つかっていません。そこで、さまざまなエネルギーを組み合わせて、4つの“理想”をできるだけバランスよく実現し、リスクを低くできるようなエネルギー政策が必要となるのです。
4つの“理想”は、頭文字をとって「S+3E(安全性+エネルギーの安定供給、経済効率性、環境への適合)」と呼ばれ、日本のエネルギー政策の基本的方針となっています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/s_3e.html(資源エネルギー庁HP)

Q. ディマンド・リスポンス(DR)とは何ですか?(230103)

A. ディマンド・リスポンス(DR)とは、電力の需要と供給のバランスをとるために、消費者が賢く電力使用量を制御することで、電力需要パターンを変化させることです。これにより、電力の需要と供給のバランスをとることができます。私たちの生活に欠かせない電気を安定して供給するためには、電気をつくる量(供給)と電気の消費量(需要)が同じ時に同じ量になっている必要があります。これらの量が常に一致していないと、電気の品質(周波数)が乱れてしまい、電気の供給を正常に行うことができなくなってしまいます。電力会社は、この電力の需給バランスを一定にするために、あらかじめ作成した発電計画をベースにしつつ、刻々と変動する電力需給に合わせて発電量を変え、供給する電力量を需要と一致させ続ける努力をしています。しかし、電気は貯めることができないため、急な需要の増加に備えて電気をあらかじめ蓄えて用意しておくことはできません。その日その時に使う電気は毎日生産し、必要になった都度供給しなければならないのです。さらに、供給側には、電力需給バランスに急な変動をもたらしてしまうリスク要因が存在しています。たとえば、太陽光や風力など再エネの供給量は、天候などさまざまな条件によって変動しますが、近年の再エネの導入拡大によってこの変動量が増加しています。需要が多い時期には電力需給がひっ迫する一方、需要が少ない時期には供給が過剰になり、再エネ由来の電気が余ることもあります。どこかの発電所や送配電線が急なトラブルで電気を送れなくなり、電力需給バランスを狂わせてしまう場合もあります。こうした状況を背景として、エネルギーの需要側が、供給状況に応じて賢く消費パターンを変化させるDRの重要性が高まっているのです。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electricity_measures/dr/dr.html(資源エネルギー庁HP)

Q. ディマンド・リスポンス(DR)の手法について教えてください?(230104)

A. DRは、需要制御のパターンによって、需要を減らす(抑制する)「下げDR」と、需要を増やす(創出する)「上げDR」の二つに区分されます。たとえば、電力がたくさん使われる時間帯や、太陽光発電の発電量が少なくなり、需給が逼迫しやすい時間帯(夕方15時~18時頃)に、私たちが電気を使う量を減らせば、ピークの山の高さを低くする、つまり需要量を抑えることができます。こうした需要量を減らす取り組みは、「下げDR」と呼ばれます。また、自宅の蓄電池にためていた電気や、コージェネレーションシステムなどの自家発電設備を使うことで、電気が足りない時間に電力会社からの電力供給を抑制することも、「下げDR」の一種です。一方、「上げDR」は、春・秋の昼間のように、再エネ(太陽光)がたくさん発電する一方で電力需要は比較的小さい場合など、発電量が需要量を上回ってしまう時に必要となります。余りそうな電気を有効活用するために、たとえば、夕方から夜の時間ではなく、昼の時間に電動車のバッテリーや蓄電池の充電をするなど、電気の需要を時間をずらして生み出すことで、需給バランス確保に役立てる方法があります。また、需要制御の方法によって、①電気料金型(ピーク時に電気料金を値上げすることで各家庭や事業者に電力需要を抑制する)と、②インセンティブ型(電力会社との間であらかじめピーク時などに節電する契約を結んだ上で、電力会社からの要請に節電した場合に対価を得る)の2つに区分されます。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/dr.html(資源エネルギー庁HP)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electricity_measures/dr/dr.html(資源エネルギー庁HP)

Q. ディマンド・リスポンス(DR)によるメリットを教えてください。(230105)

A. DRは、全体の電力需給バランスの改善に資するだけでなく、電力使用量を抑えることで、高騰するLNGスポット市場での追加購入量を減らすことができるため、日本全体として、発電のための燃料調達コストを抑制できるというメリットがあります。さらに、再エネの導入拡大によって電力供給が過剰となっているタイミングでは、DRにより需要時間帯をシフトすることで、再エネ由来の電力を有効に使うこともできます。また、ご家庭や企業といった、電気の需要家の皆様にとっては、電気料金の負担抑制に加え、(インセンティブ型DRの場合)電力会社からの報酬が得られるというメリットがあります。電気を賢く効率的に使用するDRは、日本全体(マクロ)にとっても、個別の需要家の皆様(ミクロ)にとっても、いずれにもメリットのある、重要な取組と言えるでしょう。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electricity_measures/dr/dr.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 「仮想発電所:バーチャルパワープラント(VPP)」 について教えてください。(230106)

A. 東日本大震災に伴う電力需給のひっ迫を契機に、従来の省エネの強化だけでなく、電力の需給バランスを意識したエネルギーの管理を行うことの重要性が強く認識されました。また太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入が大きく進みましたが、これらは天候など自然の状況に応じて発電量が左右されるため、供給量を制御することができません。このような背景から、大規模発電所(集中電源)に依存した従来型のエネルギー供給システムが見直されるとともに、需要家側のエネルギーリソースを電力システムに活用する仕組みの構築が進められています。バーチャルパワープラント(VPP)とは、需要家側エネルギーリソース、電力系統に直接接続されている発電設備、蓄電設備の保有者もしくは第三者が、そのエネルギーリソースを制御することで、発電所と同等の機能を提供することです。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/advanced_systems/vpp_dr/about.html#tag1(資源エネルギー庁HP)

Q. VPP・DRを活用したビジネス「ネガワット取引」について教えて下さい。(230107)

A. VPP・DRを活用したビジネスとして、既に「ネガワット取引」が始まっています。「ネガワット取引」とは、需要家側エネルギーリソースや分散型エネルギーリソースを統合制御し、VPPやDRからエネルギーサービスを提供する事業者(アグリゲーター)との事前の契約に基づき、電気のピーク需要のタイミングで節電を行う、インセンティブ型の下げDRのことをいいます。アグリゲーター等と契約により、事業者だけでなく一般家庭の需要家もVPP・DRに参加することができます。また、需要家はこの取組に参加することにより報酬を手にすることも可能です。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/advanced_systems/vpp_dr/negawatt.html#tag3(資源エネルギー庁HP)

Q. エコリーフ環境ラベルとはどのようなものですか?(230203)

A. 製品の環境情報を、ライフサイクルアセスメント(LCA)手法を用いて定量的に表示し、インターネットなどを通じて公開することにより、ラベル利用者がグリーン購入・調達に活用するとともに、メーカーが環境負荷のより少ない製品(エコプロダクツ)を開発・製造・販売していくための動機付けとなることをねらいとした環境ラベルです。資源採取から製造、流通、使用、廃棄・リユース・リサイクルまでのライフサイクル全体にわたっての環境影響に着目しています。(社)産業環境管理協会が運営しており、1998年から試行開始、2002年4月から本運用が開始されています。
(※現在は、(社)サステナブル経営推進機構が管理・運営しています)

 詳しくは
https://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/a04_07.html(環境省HP)

Q. エコリーフの対象物品について教えてください。(230204)

A. 製品分類別基準(PCR;Product Category Rule)は、複写機や複合機のほか、パソコン/ディスプレイ、食品用金属缶、自動販売機、インターホン、紙製飲料容器、照明器具、タイルカーペット、ユニフォーム等81製品分類が完成し、その対象は、耐久消費財、 業務用機器・材料、日用品、基礎資材、 エネルギー、情報通信、物流システムなどに渡っています。このPCRを用いて作成されたエコリーフは、81製品分類453製品(累計1,137製品) が、検証(および判定)を経て公開中となっています(2013年5月時点)。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/a04_07.html(環境省HP)

Q. 改正省エネ法について教えてください。(240306)NEW

A. 省エネ法は、オイルショックを契機として1979年に制定以来、時代に合わせて改正が行われてきました。2021年に、政府は2050年カーボンニュートラル実現や2030年の野心的な温室効果ガス削減目標を達成するため、「第6次エネルギー基本計画」を閣議決定。その実行に必要な制度を定めるため、2022年の通常国会において「省エネ法等を一部改正する法律」を制定し、2023年4月から施行されました。
 改正の目的は、徹底した省エネに加えて、2050年カーボンニュートラル目標に向けた非化石エネルギーへの転換促進、太陽光発電等の変動型再エネ普及拡大に伴い、再エネ供給量が多い時間帯への電力需要シフトを促進。ESG投資拡大に伴い、任意で情報開示できる枠組みを提供することでステークホルダーの情報収集に寄与などです。
 改正の概要は①エネルギー使用の合理化・・エネルギー管理の対象に非化石エネルギーを追加 ②非化石エネルギーへの転換・・化石エネルギーから非化石エネルギーへの転換を求める ③電気の需要最適化・・デマンドレスポンス実施日数と電力量の報告 ➃任意開示制度・・定期報告書の一部情報を開示する枠組みを設定などです。
 ちなみに、電炉における製鉄業では、2030 年度における外部調達する電気及び自家発電による電気の使用量に占める非化石エネルギーの割合の目安となる水準は59%以上となっています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/media/data/shoene_tebiki_01.pdf(資源エネルギー庁HP)

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質問文の( )内は登録年月連番を表します。

CO2排出量

Q. 電力起因のCO2排出量って何?(220229)

A.
電気は化石燃料と異なり、実際に使用する場所でCO2を排出しませんが、発電する際にCO2を排出します。他人(電気事業者など)から供給された電気を使用する際、他人が発電する際に排出したCO2を使用者が間接的に排出したものとみなします。

詳しくは
https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/files/briefing/2020/briefing_document_2.pdf(環境省HP)

Q. CO2排出量の計算方法は?(220230)

A.
まず、CO2を排出する活動(エネルギー消費活動)を抽出、事業活動の中で、どのような活動を通してCO2を排出しているか、活動を洗い出します。
例:工場や事務所での電力消費、ガスの利用によるエネルギー消費など。
次に対象となる活動のエネルギー消費量を特定し、排出係数をかけてCO2排出量を計算します。排出係数は環境省のHPで公表されています。
また、電力の排出係数は契約している電力会社(電気事業者)によって違うので、ご注意ください。

詳しくは
https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/calc(環境省HP)

Q. CO2排出量のリアルタイムでの測定はできないのか?(220231)

A.
温室効果ガス排出量は、直接大気を測定するのではなく、統計データなどに基づき算定しています。排出量は、活動量に排出係数をかけることにより算出され、更に地球温暖化係数(GWP)をかけることによりCO2換算として算出されます。
質問の意図とは違うかもしれませんが、気象庁では綾里、南鳥島及び与那国島における大気中の二酸化炭素濃度を1987年から常時観測しています。
いずれの観測地点においても、季節変動を繰り返しながら二酸化炭素濃度は増加し続けています。

詳しくは
https://www.nies.go.jp/gio/faq/faq2.html#Q2-1(国立環境研究所HP)
https://ds.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/ghgp/co2_trend.html(気象庁HP)

Q. 日本国内の産業部門からのCO2排出量を教えてください。(220402)

A. 2019年度のデータによると、日本の温室効果ガス排出量は12億1,300万トン(CO2換算)です。エネルギー起源CO2排出量は10億2,900万トン、そのうち、産業部門のエネルギー起源CO2排出量は3億8,600万トン(38%)となっています。
産業別の内訳は鉄鋼業 1億5,500万トン(40%)、化学工業 5,600万トン(14%)、機械製造業 4,200万トン(11%)、窯業・土石製品製造業 3,000万トン(8%)、パルプ・紙・紙加工品製造業 2,100万トン(5%)などとなっています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/chikyu_kankyo/ondanka_wg/pdf/003_03_00.pdf(経済産業省HP)

Q. 日本国内の運輸部門からのCO2排出量を教えてください。(220403)

A. 2019年度のデータによると、日本の温室効果ガス排出量は12億1,300万トン(CO2換算)です。エネルギー起源CO2排出量は10億2,900万トン、そのうち、運輸部門のエネルギー起源CO2排出量は2億700万トン(20%)であり、運輸別の内訳は貨物輸送8500万トン(41%)、旅客輸送1億2200万トン(59%)となっています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/chikyu_kankyo/ondanka_wg/pdf/003_03_00.pdf(経済産業省HP)
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_tk_000007.html(国土交通省HP)

Q. サプライチェーン排出量について教えてください。(220704)

A. 事業者自らの排出だけでなく、事業活動に関係するあらゆる排出を合計した排出量を指します。つまり、原材料調達・製造・物流・販売・廃棄など、一連の流れ全体から発生する温室効果ガス排出量のことです。
サプライチェーン排出量=Scope1排出量+Scope2排出量+Scope3排出量
  Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
  Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
  Scope3: Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
SCOPE3は15のカテゴリーに分類されています。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)

Q. Scope3の15のカテゴリについて教えてください。(220803)

A. カテゴリー1~8が自社の上流、カテゴリー9~15が自社の下流にあたります。例えば上流にあたるカテゴリー1は「購入した製品・サービス」で、該当する活動例としては、「原材料の調達、パッケージングの外部委託、消耗品の調達」があります。また、下流にあたるカテゴリー10は「販売した製品の加工」で、 該当する活動例としては、「事業者による中間製品の加工」となります。 その他のカテゴリーについては以下の環境省のHPでご確認下さい。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)

Q. Scope3のCO2排出量の算定方法について教えてください。(220902)

A. CO2排出量は、活動量に排出原単位を乗じることで、算定可能です。活動量は事業者の活動の規模に関する量で、社内の各種データや、文献データ、業界平均データ、製品の設計値等から収集します。排出原単位は活動量あたりのCO2排出量で、基本的には既存のDBから選択して使用するが、排出量を実測する方法や取引先から排出量情報の提供を受ける方法もあります。例として「貨物の輸送量(活動量)×貨物の輸送1トンキロあたりのCO2排出量(原単位)」で算定できます。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)4ページ

Q. Scope3のカテゴリ1について教えてください。(220903)

A. カテゴリー1は「購入した製品・サービス」で、該当する活動例としては、「原材料の調達、パッケージングの外部委託、消耗品の調達」があります。算定方法には以下の2種類があり、算定方法②が現実的です。
【算定方法①】
 自社が購入・取得した製品またはサービスに係る資源採取段階から製造段階までの排出量をサプライヤーごとに把握し、積み上げて算定する方法
  Σ サプライヤーごとの排出量
【算定方法②】
 自社が購入・取得した製品またはサービスの物量・金額データに製品またはサービスごとの資源採取段階から製造段階までの排出原単位をかけて算定する方法
   Σ(自社が購入・取得した製品またはサービスの物量・金額データ×排出原単位)

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)75-86ページ

Q. Scope3のカテゴリ2について教えてください。(220904)

A. カテゴリー2は「資本財」で、該当する活動例としては、「生産設備の増設」があります。複数年にわたり建設・製造されている場合には、建設・製造が終了した最終年に計上します。 算定方法には以下の3種類があり、算定方法③が現実的です。
【算定方法①】
 自社が購入または取得した資本財別に原材料調達から製造までの排出量を把握し、積み上げて算定する方法
  Σ(物品購入量 × サプライヤー独自の資本財ごとの排出原単位)
【算定方法②】
 資本財のサプライヤーから資本財に関するScope1 及びScope2 の排出量、原材料の重量、輸送距離、廃棄物の重量等を把握し、項⽬別に積み上げて算定する方法
  Σ(サプライヤーの資本財関連のScope1 及びScope2 の排出量)+ Σ(原材料の投入量または価格× 排出原単位)+ Σ(原材料の輸送量× 排出原単位)+ Σ(資本財に関連した廃棄物の重量× 排出原単位)
【算定方法③】
 購入した資本財の重量、販売単位、あるいは支出額を把握し、排出量を推計する方法
 ・Σ(資本財の重量 × 排出原単位)
 ・Σ(資本財の販売単位 × 排出原単位)
 ・Σ(資本財の価格(建設費用) × 排出原単位)

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)24-30ページ

Q. Scope3のカテゴリ3について教えてください。(220905)

A. カテゴリー3は「Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー活動」で、該当する活動例としては、「調達している燃料の上流工程(採掘、精製等)、調達している電力の上流工程(発電に使用する燃料の採掘、精製等)」があります。
【燃料の算定方法】
 Σ(自社が購入した燃料の物量・金額データ × 排出原単位)
【電気の算定方法】
 電力会社から通常の契約で調達を行っており、電源の種類を特定した契約ではない場合(現実的)
  Σ(自社への電気の入力データ× 全電源平均の排出原単位)
 電源の種類を特定した契約によって調達している場合
  Σ(自社への電源の種類別の電気の入力データ× 電源の種類別の排出原単位)
【熱の算定方法】
 熱については、契約先によらず、産業用蒸気と冷水・温水の2種類で算定
  Σ(自社への熱の入力データ× 排出原単位)

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)54-61ページ

Q. Scope3のカテゴリ4について教えてください。(220906)

A. カテゴリー4は「輸送、配送(上流)」で、該当する活動例としては、「調達物流、横持物流、出荷物流(自社が荷主)」があります。 算定方法は以下の通りです。
【輸送の算定方法】
 国内における輸送については、算定・報告・公表制度における特定荷主の算定方法を適用して算定
 ●燃料法
  Σ(燃料使用量× 排出原単位)
 ●燃費法
  Σ(輸送距離 / 燃費× 排出原単位)
 ●トンキロ法※
  トラックΣ(輸送トンキロ× トンキロ法燃料使用原単位× 排出原単位)
  鉄道、船舶、航空Σ(輸送トンキロ× トンキロ法輸送機関別排出原単位)
   ※ただし、トンキロ法では帰り便の空輸送に係る排出量は算定できない
【拠点(荷役、保管、販売)の算定方法】
  物流拠点や販売拠点での荷役、保管、販売について、対象拠点におけるエネルギーの使用に伴う排出
 ●燃料
  Σ(燃料使用量× 排出原単位)
 ●電力
  ∑(電力使用量× 排出原単位)
 対象拠点における冷凍空調機器使用時の冷媒の漏洩による排出
 ●通常使用時の漏洩量を、整備時の補充量・回収量から把握し算定する場合
  Σ{(排出量算定期間中の稼動機器の補充に使用した冷媒量-回収・適正処理量)× 地球温暖化係数}
 ● 漏洩率から通常使用時の漏洩量を把握し算定する場合
  Σ{(排出量算定期間中の稼働機器に含まれる冷媒量× 使用時排出原単位- 回収・適正処理量)× 地球温暖化係数

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)87-92ページ

Q. Scope3のカテゴリ5について教えてください。(221004)

A. カテゴリー5は「事業から出る廃棄物」で、該当する活動例としては、「廃棄物(有価のものは除く)の自社以外での輸送(※1)、処理 」があります。(※1)Scope3基準及び基本ガイドラインでは、輸送を任意算定対象としています。 算定方法には以下の2種類があり、算定方法②が現実的です。
【算定方法①】
 処理・リサイクルの実態(廃棄物種類別の処理方法等)の把握ができる場合
  Σ(廃棄物種類・処理方法別の廃棄物処理・リサイクル量× 廃棄物種類・処理方法別の排出原単位
【算定方法②】
 処理・リサイクルの実態把握が困難な場合、廃棄物種類毎の標準的なシナリオに基づいた排出原単位を用いて算定
  Σ(廃棄物処理・リサイクル委託費用(量)× 排出原単位

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)62-66ページ

Q. Scope3のカテゴリ6について教えてください。(221005)

A. カテゴリー6は「出張」で、該当する活動例としては、「従業員の出張 」があります。算定方法は以下の通りです。
 各交通機関による移動距離、又は、移動のために消費された燃料使用量が把握できる場合
<旅客航空機、旅客鉄道、旅客船舶、自動車>
 ① (輸送モード別)Σ(旅客人キロ × 排出原単位) ここで、旅客人キロ =(経路別)Σ(旅客数 × 旅客移動距離)
<自動車>
 ② 【燃料法】 Σ(燃料使用量 × 排出原単位)
 ③ 【燃費法】 Σ(移動距離 / 燃費 × 排出原単位)
(移動手段別の)交通費支給額に基づき算定する場合
 ④ (移動手段別) Σ(交通費支給額 × 排出原単位)
<宿泊に係る排出量(任意)>
 ⑤ ∑(宿泊数 × 宿泊施設の排出原単位)

★①~⑤の方法による把握、算定が難しい場合
 出張日数に基づき算定
  (出張種類(国内日帰・国内宿泊・海外)別) ∑(出張日数 × 排出原単位)
★出張日数に基づく算定が難しい場合
 常時使用される従業員数に基づき算定
  ∑(従業員数× 排出原単位)

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)31-38ページ

Q. Scope3のカテゴリ7について教えてください。(221006)

A. カテゴリー7は「雇用者の通勤」で、該当する活動例としては、「従業員の通勤 」があります。算定方法は以下の通りです。
 各交通機関による移動距離、又は、移動のために消費された燃料使用量が把握できる場合
<旅客航空機、旅客鉄道、旅客船舶、自動車>
 ① (輸送モード別)Σ(旅客人キロ × 排出原単位) ここで、旅客人キロ =(経路別)Σ(旅客数 × 旅客移動距離)
<自動車>
 ② 【燃料法】 Σ(燃料使用量 × 排出原単位)
 ③ 【燃費法】 Σ(移動距離 / 燃費 × 排出原単位)
(移動手段別の)交通費支給額に基づき算定する場合
 ④ (移動手段別) Σ(交通費支給額 × 排出原単位)
<テレワークに係る排出量(任意)>
  (エネルギー種類別)∑(燃料使用量 × 排出原単位 + 電力使用量 × 排出原単位)

★①~④の方法にによる把握、算定が難しい場合
 常時使用される従業員数に基づき算定
 (勤務形態・都市階級別)∑(従業員数 × 営業日数 × 排出原単位)

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)39-46ページ

Q. Scope3のカテゴリ8について教えてください。(221007)

A. カテゴリー8は「リース資産(上流)」で、該当する活動例としては、「自社が賃借しているリース資産の稼働(算定・報告・公表制度では、Scope1,2 に計上するため、該当なしのケースが大半)」があります。算定方法には以下の2種類があり、算定方法②が現実的です。
【算定方法①】
 リース資産ごとにエネルギー種別の消費量が把握できる場合、
  Σ(リース資産のエネルギー種別消費量 × エネルギー種別排出原単位)
【算定方法②】
 リース資産ごとのエネルギー消費量は把握できるが、エネルギー種別の消費割合が不明の場合
  Σ(リース資産のエネルギー消費量 × エネルギー種別に加重平均した排出原単位)

※自社が賃借している資産が資産全体の⼀部分の場合(例.オフィスビルのテナント等)、面積比率などを用いてリース資産のエネルギー消費量を按分する。
★①②の方法による算出が難しい場合、
 各リース資産についての規模等を表す指標(延床面積等)に基づいて算出
 <建築物の場合>
  Σ(賃借している建築物の床面積 × 単位面積当たりの排出原単位)

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)68-73ページ

Q. Scope3のカテゴリ9について教えてください。(221008)

A. カテゴリー9は「輸送、配送(下流)」で、該当する活動例としては、「出荷輸送(自社が荷主の輸送以降)、倉庫での保管、小売店での販売」があります。 算定方法はカテゴリー4と同じで以下の通りです。
【輸送の算定方法】
 国内における輸送については、算定・報告・公表制度における特定荷主の算定方法を適用して算定
 ●燃料法
  Σ(燃料使用量× 排出原単位)
 ●燃費法
  Σ(輸送距離 / 燃費× 排出原単位)
 ●トンキロ法※
  トラックΣ(輸送トンキロ× トンキロ法燃料使用原単位× 排出原単位)
  鉄道、船舶、航空Σ(輸送トンキロ× トンキロ法輸送機関別排出原単位)
   ※ただし、トンキロ法では帰り便の空輸送に係る排出量は算定できない
【拠点(荷役、保管、販売)の算定方法】
  物流拠点や販売拠点での荷役、保管、販売について、対象拠点におけるエネルギーの使用に伴う排出
 ●燃料
  Σ(燃料使用量× 排出原単位)
 ●電力
  ∑(電力使用量× 排出原単位)
 対象拠点における冷凍空調機器使用時の冷媒の漏洩による排出
 ●通常使用時の漏洩量を、整備時の補充量・回収量から把握し算定する場合
  Σ{(排出量算定期間中の稼動機器の補充に使用した冷媒量ー回収・適正処理量)× 地球温暖化係数}
 ● 漏洩率から通常使用時の漏洩量を把握し算定する場合
  Σ{(排出量算定期間中の稼働機器に含まれる冷媒量× 使用時排出原単位- 回収・適正処理量)× 地球温暖化係数

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)97-102ページ

Q. Scope3のカテゴリ10について教えてください。(221104)

A. カテゴリー10は「販売した製品の加工」で、該当する活動例としては、「事業者による中間製品の加工」があります。中間製品(部品、部材など)のみが該当します。 下流において多数の潜在的な用途があり、各用途のGHG排出プロファイルが異なり、中間製品の使用に関する合理的な下流排出量の推計が不可能な場合、カテゴリ9、10、11、12から当該排出量を除外することが可能(Scope3基準)です。算定方法は以下の通りで、③が現実的です。
【算定方法①、②】
 販売先の事業者から加工に伴う排出量データまたはエネルギー消費データを入手できる場合
 ①Σ 中間製品の加工に伴う排出量(CO2 以外のガスも含む)
 ②Σ(中間製品の加工に伴うエネルギー消費量 × 排出原単位)
【算定方法③】
 販売先企業から上記のデータが入手できない場合
 ③Σ(中間製品の販売量 × 加工量当たりの排出原単位)

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)108-112ページ

Q. Scope3のカテゴリ11について教えてください。(221105)

A. カテゴリー11は「販売した製品の使用」で、該当する活動例としては、「使用者による製品の使用」があります。本カテゴリに含まれる排出は、具体的には、以下 2つの区分のとおりで、間接使用段階排出の算定は任意です。
 <直接使用段階排出>
  ・使用時にエネルギー(燃料・電力)を直接消費する製品
  ・燃料及びフィードストック
  ・GHGおよび、GHGを含有または使用時にGHGを生じる製品
 <間接使用段階排出>
  ・使用時にエネルギーを間接的に消費する製品 例:アパレル(洗濯と乾燥を要する)、食物(調理と冷凍を要する)
算定方法は以下の通りです。
 <直接使用段階の排出量>
  ① エネルギー使用製品
   (製品使用時に消費する燃料の使用に伴う排出量)+(製品使用時に消費する電力の使用に伴う排出量)+(製品使用時の6.5 ガスのCO2 換算排出量)
    =Σ{(製品の想定生涯使用回数)×(報告期間における販売数)×(使用1 回あたりの燃料消費量)×(排出原単位)}
      +Σ{(製品の想定生涯使用回数)×(報告期間における販売数)×(使用1 回あたりの電力燃料消費量)×(排出原単位)}
       +Σ{(製品使用時の6.5 ガスの排出量)×(地球温暖化係数)}
  ②燃料・フィードストック(石炭、石油、都市ガス等)
    Σ{(燃料・フィードストックの販売量の合計)×(排出原単位)}
  ③GHG含有製品であり、使用時にGHGを排出するもの
    Σ{(製品のGHG 含有量)×(製品の総販売数)×(生涯使用期間のGHG 排出率)×(地球温暖化係数)}
    もしくは
   Σ(製品または製品群からの使用段階の排出量) ※CO2排出率が不明な場合は100%とする
<間接使用段階の排出量>
 ①一般的な使用シナリオを用いる方法
   (使用シナリオにおける燃料の使用に伴う CO2排出量)+(使用シナリオにおける電力の使用に伴う CO2排出量)
    +(使用シナリオにおける製品使用時の 6.5 ガスの CO2換算排出量)
     =Σ{(製品の想定生涯使用回数×本シナリオにおける想定使用回数の割合×報告期間における販売数×本シナリオにおける使用 1 回あたりの燃料消費量×排出原単位)+Σ(製品の想定生涯使用回数×報告期間における販売数×使用 1 回あたりの電力燃料消費量×排出原単位)}
           +Σ{(製品使用時の 6.5 ガスの排出量×地球温暖化係数)}

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)113-119ページ

Q. Scope3のカテゴリ12について教えてください。(221106)

A. カテゴリー12は「販売した製品の廃棄」で、該当する活動例としては、「使用者による製品の廃棄時の輸送(※)、処理」があります。」 ※ Scope3基準及び基本ガイドラインでは、輸送を算定対象外としていますが、算定頂いても構いません。 算定方法はカテゴリー5と同じで以下の通りです。
算定方法には以下の2種類があり、算定方法②が現実的です。
【算定方法①】
 処理・リサイクルの実態(廃棄物種類別の処理方法等)の把握ができる場合
  Σ(廃棄物種類・処理方法別の廃棄物処理・リサイクル量× 廃棄物種類・処理方法別の排出原単位)
【算定方法②】
 処理・リサイクルの実態把握が困難な場合、廃棄物種類毎の標準的なシナリオに基づいた排出原単位を用いて算定
  Σ(廃棄物処理・リサイクル委託費用(量)× 排出原単位)

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)127-131ページ

Q. Scope3のカテゴリ13について教えてください。(221107)

A. カテゴリー13は「リース資産(下流)」で、該当する活動例としては、「自社が賃貸事業者として所有し、他者に賃貸しているリース資産の稼働」があります。 算定方法はカテゴリー8と同じで以下の通りです。
【算定方法①】
 リース資産ごとにエネルギー種別の消費量が把握できる場合、
  Σ(リース資産のエネルギー種別消費量 × エネルギー種別排出原単位)
【算定方法②】
 リース資産ごとのエネルギー消費量は把握できるが、エネルギー種別の消費割合が不明の場合
  Σ(リース資産のエネルギー消費量 × エネルギー種別に加重平均した排出原単位)

※自社が賃借している資産が資産全体の⼀部分の場合(例.オフィスビルのテナント等)、面積比率などを用いてリース資産のエネルギー消費量を按分する。
★①②の方法による算出が難しい場合、
 各リース資産についての規模等を表す指標(延床面積等)に基づいて算出
 <建築物の場合>
  Σ(賃借している建築物の床面積 × 単位面積当たりの排出原単位)

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)120-126

Q. Scope3のカテゴリ14について教えてください。(221108)

A. カテゴリー14は「フランチャイズ」で、該当する活動例としては、「自社が主宰するフランチャイズの加盟者のScope1,2 に該当する活動」があります。算定・報告・公表制度における「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」に準じて算定を行います。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)103-106ページ
https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/manual(環境省HP)

Q. Scope3のカテゴリ15について教えてください。(221204)

A. カテゴリー15は「投資」で、該当する活動例としては、「株式投資、債券投資、プロジェクトファイナンスなどの運用」があります。算定方法には以下の2種類があり、算定方法①が現実的です。
【算定方法①】
 被投資者から得た投資別のScope1 及びScope2 の排出量を投資持分比率に応じて積み上げて算定する方法
 ・ Σ(各株式投資の排出量 × 株式保有割合)+Σ(各債券投資の排出量 × 投資先の総資本に対する割合)+Σ(各プロジェクトの排出量 × プロジェクト出資額の割合)
任意で以下の項目を加算できる。
 ・ Σ(各収益の使途不明な債権への投資額 × 投資部門の排出原単位) + Σ(管理型投資及び顧客業務への投入額 × 投資部門の排出原単位)+ Σ(その他分野への投資額 × 投資部門排出原単位)
【算定方法②】
 経済データを用いて投資からの排出量を推計する⽅法
 ・ Σ(株式投資額 × 投資部門の排出原単位)+ Σ(債権投資額 × 投資部門の排出原単位)+ Σ(プロジェクトへの総投資額 × 投資部門の排出原単位)
任意で以下の項目を加算できる。
 ・ Σ(各収益の使途不明な債権への投資額 × 投資部門の排出原単位)+ Σ(管理型投資及び顧客業務への投入額 × 投資部門の排出原単位)+ Σ(その他分野への投資額× 投資部門の排出原単位)

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)47-52ページ

Q. Scope3のその他について教えてください。(221205)

A. その他に該当する活動例としては、「従業員や消費者の日常生活」があります。企業活動に何らかの関係を持つカテゴリ1から15では範囲となっていない排出(自由に算定・情報提供するためのカテゴリ)です。従業員や顧客の家庭での排出は、カテゴリ11(販売した製品の使用)、カテゴリ12(販売した製品の廃棄)と⼀部重複する可能性があります。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html(環境省HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/tools/study_meeting_2021.pdf(環境省HP)132ページ

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質問文の( )内は登録年月連番を表します。

省エネ

Q. 省エネって何?(220210)

A. 省エネとは、「省エネルギー」の略です。石油や石炭、天然ガスなど、限りあるエネルギー資源がなくなってしまうことを防ぐため、エネルギーを効率よく使うことをいいます。省エネルギーは、エネルギーの安定供給確保と地球温暖化防止の両面の意義をもっています。

家庭向けの省エネで言いますと、 家庭のエネルギー消費の50%以上は電気です。家庭で省エネを進めるには、電気の使い方を見直す必要があります。
例えば、節電を進めるためには、3つの方法があります。
「減らす」・・消費電力を減らすことです。節電と省エネの両方に効果があります。
「ずらす」・・電気を使う時間帯をずらすことです。エネルギーを使う量は変わらないので、節電にはなりますが、省エネにはなりません。
「切り替える」・・他の方法に切替えることです。省エネになるかどうかは場合によります。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/what/(経済産業省 資源エネルギー庁HP)

Q. 省エネってカーボンニュートラル?(220209)

A. カーボンニュートラルに向けた需要側の取り組みとしては、非化石化エネルギーの導入拡大とともに省エネを強化することにより、化石エネルギーの使用量を削減することになります。
したがって、徹底した省エネ強化がカーボンニュートラルにつながります。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/what/(経済産業省 資源エネルギー庁HP)

Q. 中小企業がカーボンニュートラルに取り組むメリットを教えてください。(230301)

A. 経済産業省の発行するパンフレットによると、中小企業がカーボンニュートラル(CN)に向けて取り組むメリットとして

  • 中小企業がカーボンニュートラル(CN)に取り組むことは、省エネによるコスト削減、資金調達手段の獲得、製品や企業の競争力向上の点において経営力強化にもつながります。
  • また、設備投資に伴う排出削減量をクレジット化して売却すれば、投資コストを低減できます。(但し、クレジット化して売却すると、自らの削減とは主張できなくなりますのでご留意ください。)
  • なお、サプライチェーン上や金融機関から排出量の削減を対応を迫られる動きが加速しており、中小企業における排出削減の取組にも注目が集まっています。

結果として
(1)省エネによるコスト削減
➢ エネルギー使用量を把握して削減ポテンシャルを検証、計画的・効果的な投資やプロセス改善により、一層の省エネ・省CO2、さらにエネルギーコストを削減。
(2)資金調達手段の獲得
➢ 金融機関がESG投資を推進しているため、温暖化対策の状況を加味した融資条件の優遇等を受けられる機会が拡大(サステナビリティ・リンク・ローン、トランジション・ファイナンス等)
(3)製品や企業の競争力向上
➢ 取引先企業から選好されやすくなり、既存の取引先との強固な関係性の構築のみならず、新規の取引先開拓にもつながり得る。
➢ 製品単位の排出量見える化が進めば、製品の差別化を行うことができる。
が期待できます。

具体的な支援策については、経済産業省が発行する「中小企業のカーボンニュートラル支援策」パンフレットをご覧ください。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/SME/pamphlet/pamphlet2022fy01.pdf(経済産業省HP)

Q. カーボンニュートラルに関して、何からはじめればいいかわからない。どこに相談に行けばいいかわからない。(その1)(230302)

A. 独立行政法人 中小企業基盤整備機構では、中小企業・小規模事業者を対象に、カーボンニュートラル・脱炭素に関する相談について、専門家によるweb相談を実施しています。
経験豊富な専門家によるアドバイスで無料で何度でもWeb会議システムで全国どこからでも相談可能です。

 詳しくは
https://www.smrj.go.jp/sme/consulting/sdgs/favgos000001to2v.html(独立行政法人 中小企業基盤整備機構HP)

Q. カーボンニュートラルに関して、何からはじめればいいかわからない。どこに相談に行けばいいかわからない。(その2)(230303)

A. 「省エネお助け隊」は、各地域に存在する地域密着型の省エネ支援団体です。中小企業等の省エネ取組に対して、事前ヒアリング・事前打ち合わせ、省エネ診断・支援を通し、現状把握から改善まできめ細やかなサポートをします。
省エネと経営の専門家集団が支援、自社の域内の省エネお助け隊に相談が可能、さらに設備のチューニング、設備更新の計画立案、資金計画のアドバイス等が可能となります。
事前相談や打ち合わせは無料、省エネ診断・支援は9割補助が受けられますので1割負担となります。

 詳しくは
https://www.shoene-portal.jp/(一般社団法人 環境共創イニシアチブHP)

Q. カーボンニュートラルに関して、何からはじめればいいかわからない。どこに相談に行けばいいかわからない。(その3)(230304)

A. 一般財団法人 省エネルギーセンターが行う「省エネ最適化診断」は、「省エネ診断」による使用エネルギー削減に加え、「再エネ提案」を組み合わせることで、脱炭素化を加速する新しいサービスです。

診断および提案内容は
・設備・機器の最適な使い方 ・メンテナンス方法の改善による省エネ ・温度、照度など設定値の適正化 ・高効率機器への更新 ・排熱等エネルギーロスの改善、有効利用 ・太陽光発電など再エネ設備導入提案になります。
(申し込み受付期間の制約があるのでご注意ください)

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/SME/pamphlet/pamphlet2022fy01.pdf#page=8(経済産業省HP)

Q. 節電・省エネのヒントを教えてください。(221109)

A. 経済産業省資源エネルギー庁のホームページに「どうやったら、節電できる? 明日からすぐに役立つ節電・省エネのヒント」として、エアコン、照明、冷蔵庫などの家電製品の使い方やオフィスやお店ででもできる節電や省エネのヒントが掲載されています。

例えば、エアコンの温度を26℃から28℃に2℃上げると1.6%~5.4%の節電効果があり、エアコンの目詰まりしたフィルターを清掃すると、0.6%~1.9%の節電につながることや人がいない部屋などの不要な照明を消すと1.5%~2.3%の節電効果が得られることが書かれています。

さらに事業所向けに節電、省エネメニューが具体的に説明されています。
業種別の電力消費の特徴、内訳を明確にし、照明や空調などに対する基本アクションの事例と建物全体に対する節電効果が数字で示されています。
さらに製造業では⽣産設備の節電メニュー、ユーティリティ設備の省エネ・節電メニューと機械・設備毎の節電効果が数字で示されています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/setsuden_tips.html(資源エネルギー庁HP) https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/shoene_setsuden/pdf/setsudenmenu_jigyosha02.pdf(資源エネルギー庁HP)事業者向け節電・省エネ

Q. 省エネ家電に買い換えたいが、選び方を教えてください。(230305)

A. まだ使えるから、と古い家電を使い続けていませんか?
家電の省エネ化は毎年進んでいて、古い家電を使い続ける方がかえって「もったいない」のです。「もったいない」がもったいない。地球にもお財布にも優しい家電に買換えて、おトクな省エネライフを始めましょう!
最新型の省エネ家電に買い換えると、例えば、冷蔵庫では10年前と比べて▲約47%、照明器具では電球をLEDで▲約85%、テレビでは6年前と比べて▲約29%の省エネ効果が得られます。

具体的な省エネ家電の選び方は「統一省エネラベル」で (1) eマークが緑色のもの、 (2)省エネ基準達成率の数字が大きいもの、 (3)★の数が多いもの、 (4)年間の目安エネルギー料金の安いもの、 などに注目して製品を選びましょう。

 詳しくは
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/kaikae/kaden/(環境省HP)

Q. エコジョーズについて教えてください。(221206)

A. .『エコジョーズ』は、一言で言うと「排気熱を再利用した、高効率ガス給湯器」です。給湯器は、ガスを燃焼させて、その熱で水を温めてお湯を沸かすのですが、その際に約200℃ほどの排気熱が出ます。
従来の給湯器は、その排気熱を水蒸気にして捨てていましたが、『エコジョーズ』はこの排気熱を再利用して、計2回、水を温めます。結果、排気熱を約50〜80℃ほどまで下げ、熱効率を従来の約80%から約95%まで高めることができました。

 詳しくは
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/topics/20170614-01.html(環境省HP)

Q. エネファームについて教えてください。(221207)

A. 『エネファーム』は、「ガスを使って発電する家庭用燃料電池」です。原理としては、都市ガス・LPガスから取り出した水素と、空気中の酸素を電気化学反応させて発電します。また、このときに発生する排熱を使ってお湯を沸かし、タンクに貯めて給湯に利用します。タンクのお湯が無くなった場合や暖房使用時は『エコジョーズ』などのバックアップ給湯器でお湯を作るため、快適で省エネな暮らしが実現できます。
『エネファーム』の総合エネルギー効率は約85〜95%LHVであり、火力発電所の利用効率が約41%LHVであることと比べると、いかに『エネファーム』がエネルギー効率に優れているかが分かると思います。
LHV(Lower Heating Value)・・低位発熱量(燃料の燃焼によって生成された水蒸気の蒸発潜熱を除いたもの)

 詳しくは
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/topics/20170614-01.html(環境省HP)

Q. エコキュートについて教えてください。(230108)

A. 『エコキュート』とは、家庭用ヒートポンプ給湯器です。
『エコキュート』は、「ヒートポンプユニット」によって自然の空気中にある「熱」をかき集め、その熱を利用して、お湯を作る給湯器です。ヒートポンプの中には冷媒(れいばい)としてCO2が入っています。ファンを回転させてヒートポンプ内に空気を取り込むと、低温の冷媒(CO2)が空気から熱を吸収します。CO2はその先にあるコンプレッサーで圧縮されることで、約110~120℃近くの高温になり、その熱で水を温めるという仕組みです。水を温めたCO2は膨張弁を通すことで低温・低圧に戻され、再び空気中の熱を吸収します。グルグル循環することになります。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/council/06earth/y060-64/mat02-3.pdf(環境省HP)

Q. ヒートポンプについて教えてください。(230109)

A. ヒートポンプは、気体を圧縮すると温度が上がり、膨張させると温度が下がる性質を活用した技術です。冷暖房に同時に対応可能なシステムであるとともに、ガスや石油による燃焼方式に比べてCO2排出量の削減が可能なシステムでもあります。ヒートポンプ内では、熱を運ぶ役割をする冷媒(フロンガスやCO2など)が圧縮による温度上昇と膨張による温度低下を繰り返しながら循環します。

暖房や給湯時は、冷媒の温度が外気より下がった時に外気の空気熱を取り込み、電力により冷媒を圧縮します。それにより冷媒の温度が上昇した時に熱を放出することにより、高温の空気熱を発生・移動させ、暖房や給湯に利用します(冷房時は屋内と屋外が逆になり、熱が取り込まれることにより室温が下がる)。

蓄熱槽を設置することで、さらに効率的な運転を行うことが出来ます。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/gel/ghg-guideline/business/measures/view/3.html(環境省HP)

Q. ヒートポンプによるCO2排出抑制の可能性について教えてください。(230110)

A. A.我が国の民生部門(家庭・業務用分野)の空調・給湯需要および産業部門の加温や乾燥など加熱用途や空調用途にヒートポンプシステムが普及した場合、約1.3億t-CO2/年のCO2排出抑制が可能となると言われてます。
これは、2005年度の日本のCO2排出量(12.93億t- CO2 )の約10%に相当する量になります。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/council/06earth/y060-64/mat02-3.pdf(環境省HP)

Q. コージェネレーションシステムについて教えて下さい。(220510)

A. コージェネレーションシステム(コジェネ)とは、「共同」や「共通」という意味を持つ「コー(co-)」で始まる名前の通り、2つのエネルギーを同時に生産し供給するしくみです。現在主流となっているコジェネは、「熱電併給システム」と呼ばれるもので、まず発電装置を使って電気をつくり、次に、発電時に排出される熱を回収して、給湯や暖房などに利用します。発電の燃料には、天然ガス、石油、LPガス、バイオマスなどが使われています。発電装置としては、産業用で大規模に使用されることの多いガスタービン、広く業務用として活用されるガスエンジンのほか、ディーゼルエンジン、蒸気タービン、さらに近年は燃料電池も使用されるようになっています。たとえばエネファームは「家庭用燃料電池」とも呼ばれ、水素を使って発電するしくみです。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/cogeneration.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 石炭火力発電は近いうちに廃止しないの?(220208)

A. 日本にとって、安定供給と経済性にすぐれた石炭火力発電は一定程度の活用が必要です。
一方で石炭には、地球温暖化の原因とされるCO2を排出するという、環境面での課題があります。単位あたりで見たCO2排出量はほかの化石燃料に比べても多いため、利用するためには色々と工夫をしていくことが必要となります。
エネルギー源に完璧なものはなく、石炭を選ばざるを得ない国もあり、そうした国々の経済発展とCO2削減に貢献しています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/qa_sekitankaryoku.html(経済産業省 資源エネルギー庁HP)

Q. 日本の高度な石炭火力発電技術は世界にどのような貢献が期待出来るでしょうか?(220701)

A. 燃焼によって発生するCO2は同じ電気をつくる場合、石炭は天然ガスと比べると2倍近くになりますが、日本の石炭火力は蒸気タービンの圧力や温度を超々臨界圧という極限まで上昇させる方法(USC: Ultra Super Critical=超々臨界圧発電)で、欧米やアジア諸国に比べ高い発電効率を実現しています。
仮に日本のベストプラクティス(最高水準性能)を排出の多い米国、中国、インドに適用した場合には、日本のCO2総排出量より多い約12億t-CO2の削減効果があると試算されています。

 詳しくは
https://www.jpower.co.jp/bs/karyoku/sekitan/sekitan_q03.html(J Power HP)

Q. 石炭火力発電で国際的にトップレベルの発電効率を更に43%目標へ引き上げる場合、どのような方策が求められるのでしょうか?(220702)

A. 目標水準を「43%」とする場合、設備本来の発電効率のみの達成が厳しい水準であるため、各社はバイオマス等混焼や熱利用の実施、低効率の石炭火力の休廃止や設備利用率の低下、タービン改造による効率向上等の措置が必要であり、その選択は事業者の経営判断によって決められる。
例えば、バイオマス混焼の取組において、発電効率実績が41%の場合、一般論として、バイオマス用ミルの設置が不要となる5%程度の混焼で43%の水準を達成することが可能※。
※ただし、混焼率5%以下でも、ミルとは別に貯蔵設備や受払設備の設置に対する設備投資が必要(100億円近くに上る可能性あり)。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/sekitan_karyoku_wg/pdf/008_03_00.pdf(経済産業省HP)

Q. 石炭火力発電において、石炭使用量削減のためにバイオマスを混焼させた場合の発電効率への影響を教えてください。(220703)

A. 石炭とバイオマスの混焼において、一般的にバイオマス混焼率を上昇させると全体の発電効率は減少するが、資源エネルギー庁の試算では、バイオマス燃料の性質により異なる前提の上で、混焼率1%につき発電効率は0.08%の低下にとどまる。したがって、混焼率を上げていくことに より、一定量の発電量を産出するために必要な石炭の使用量は減少することから、化石燃料の使用 の合理化が図られるものと考えられる。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/sekitan_karyoku_wg/pdf/008_03_00.pdf(経済産業省HP)

Q. 火力発電をゼロエミッションにする技術を日本が開発中と聞きました。詳しく教えてください。(221208)

A. 現時点で火力発電は日本の電源構成の7割以上を占めています。さらに火力発電は、天候などに左右される再生可能エネルギー(再エネ)の出力をおぎなう「調整力」も持っています。CO2削減のために火力発電を急激に減らせば、こうした機能は損なわれ、電力の安定供給に支障が出る恐れもあります。
そこで、現在火力発電が果たしている役割はそのままに、日本がめざす「2050年カーボンニュートラル」の実現も狙うべく、日本で研究が進められているのが、火力発電をゼロ・エミッション化する様々な技術です。

ゼロエミッション火力プラントを支える技術は大きく4つあり、それらは①水素エネルギー ②燃料アンモニア ③CCS ④カーボンリサイクル/CCUSです。
2022年5月に米国・ダラスで開催された国際展示会「POWERGEN International 2022」で紹介したところ、来場者の反応はおおむね好評で、日本が提案する「ゼロ・エミッション火力プラント」を通じて、世界のエネルギー事業者たちの「カーボンニュートラル」実現に向けた熱意と関心の高さをうかがわせるものとなりました。

中でも、定評のある水素エネルギーやCCUSに加えて、燃料アンモニアに対する関心が高かったのが特長的でした。安全性やコスト面などの具体的な質問が数多くよせられ、活発な意見交換がなされました。また、既存設備を生かしながら火力発電でのCO2排出量を低減できるというコンセプトに対し、好意的な反応を示す来場者もいました。これらの反応を見ても、燃料アンモニアを含む日本の新たな提案は、火力発電依存の高い日本が2050 年までにCO2 排出ゼロを実現する具体的な道筋として、来場者からは一定の評価を得たと考えられます。

安価な石炭などの化石燃料を使った火力発電は、アジアなど開発途上国でも多く使用されており、火力発電のゼロ・エミッション化は、そのような開発途上国のCO2排出削減にも役立ちます。また、開発途上国における火力発電所のゼロ・エミッション化を支援することは、長期的には日本企業が大規模なエネルギー市場を獲得する機会ともなります。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/zeroemission.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 「電力需給逼迫注意報」が東京電力管内で発令される事態となっていますが、需給が逼迫する最大の要因は何でしょうか?(220806)

A. 経済産業省のHPによると

  • 近年、脱炭素の流れの中で、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う火力発電所の稼働率の低下等により休廃止が増加。併せて、今年3月の福島県沖地震による稼働停止の長期化も懸念。
  • 一方で、これまでに再稼働した原子力発電所は計10基にとどまり、太陽光をはじめとする再生可能エネルギーの導入が進んでいるものの、特に冬季において、需給ひっ迫時の供給力が減少。
  • その結果、2022年度夏季は、7月の東北・東京・中部エリアにおいて予備率3.1%と非常に厳しい見通し。冬季は、1月、2月に全7エリアで安定供給に必要な予備率3%を確保できず、東京エリアはマイナスの予備率と特に厳しい見通し。

とのことです。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/press/2022/06/20220607003/20220607003-2.pdf(経済産業省HP)

Q. グリーン成長戦略における半導体・情報通信産業への政府支援と国民生活のメリットを教えてください。(221110)

A. 支援内容は、①次世代パワー半導体開発支援(従来のSi に加え、GaNやSiCといった次世代パワー半導体の研究開発)、②グリーンデータセンターの開発支援(光エレクトロニクス技術など技術開発等を通じて、データセンターを省エネ化)③エッジコンピューティング開発支援(センサーなどエッジ側のデータ処理技術の開発、情報通信インフラの省エネ化)。
次世代パワー半導体がすべての家電に搭載された場合、省エネ効果は、2050年に1家庭当たり約7,700円/年に相当する。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ggs/pdf/green_koho_r2.pdf(経済産業省HP)

Q. 次世代グリーンパワー半導体への具体的取り組み目標とその課題を教えてください。(221111)

A. パワー半導体は自動車・産業機器、電力・鉄道、家電などの電気製品の制御に使用される。例えば、EVの電力損失のうち約20%がパワー半導体の損失とされている為、様々な電気機器の省エネ化が重要。プロジェクトでは、電動車、再エネなど電力、サーバ電源等、カーボンニュートラルに向けて革新的な省エネ化が必要な分野において、次世代パワー半導体(SiC、GaN等)による50%以上の損失低減と社会実装を促進するためのSiパワー半導体と同等のコスト実現に向けた低コスト化に取り組む。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211019002/20211019002-1.pdf(経済産業省HP)

Q. 次世代パワー半導体の世界市場規模と今後の見通しを教えてください。(221112)

A. 世界市場規模は、2021年時点で約3兆円であるが、2030年には5兆円、2050年には10兆円市場になると言われている。
   電気機器の多くは従来のSi(シリコン)が使用されているが、次世代パワー半導体(SiC(シリコンカーバイド)、GaN(窒化ガリウム)、Ga2O3(酸化ガリウム)等) はSiよりも省エネ性能に優れており、市場規模拡大が予想されている。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/industrial_restructuring/pdf/004_03_00.pdf(経済産業省HP)

Q. パワー半導体の性能改善によって、世界のCO2削減量はどうなりますか?(221113)

A. 次世代パワー半導体の適用により、サーバ電源、xEV、系統の電力変換において、合計で2030年には▼1.5億トン/年、2050年には▼3.2億トン/年のCO2削減が期待される。高効率化による電動車普及率前倒しや、風力発電容量の増加も期待されるため、上記数字以上の成果が期待される。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/industrial_restructuring/pdf/004_03_00.pdf(経済産業省HP)

Q. 次世代グリーンデータセンターへの取り組み内容を教えてください。(221114)

A. 産業・社会のデジタル化に伴うデータセンターの消費電力急増に対して、光電融合技術を導入することにより、超低消費電力、超高速処理の達成を目指す取り組みが国際的に展開されつつある。プロジェクトではサーバ内等の電気配線を光配線化する革新的な光電融合技術により、データ集約拠点であるデータセンターの40%以上の大幅な省エネ化を目指す。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211019002/20211019002-1.pdf(経済産業省HP)
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/industrial_restructuring/pdf/004_03_00.pdf(経済産業省HP)

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再エネ

Q. 再生エネルギーの定義とは?(220211)

A. 「再生可能エネルギー」とは太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスといった、自然由来で二酸化炭素(CO2)を排出せずに活用できるエネルギーのことです。エネルギー源が枯渇しない、二酸化炭素(CO2)を排出しない、どこにでも存在しているといった特徴があります。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/outline/index.html(経済産業省 資源エネルギー庁HP)

Q. 再生エネ電気ってなに?どんなのがあるの?(220212)

A. 再生可能エネルギーで発電した電気のことです。再生可能エネルギーは政令において太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存する熱・バイオマスが定められています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/outline/index.html(経済産業省 資源エネルギー庁HP)

Q. 再エネ電力に関する具体的な活用手法について教えてください。(230306)

A. 我が国における再エネ電力の活用(=調達)手法は、以下のとおり大きく4つあります。
(1)敷地内での太陽光発電の導入
(2)敷地外での太陽光発電の導入
(3)再エネ電力の購入
(4)再エネ電力証書の購入
(1)と(2)は企業自身が太陽光発電を新たに導入し、発電した電力を自ら消費する手法になります。再エネ設備を新たに導入する取組は、社会全体の再エネ導入量を増やすものであり、「追加性」があるとして、これを積極的に評価する潮流もあります。
特に(1)敷地内での太陽光発電の導入は、太陽光発電の設置スペース(建物屋根や空き地等)の確保のしやすさや、システム費用の低下等により、導入がしやすくなってきています。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%AE%E5%86%8D%E3%82%A8%E3%83%8D%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%EF%BC%88%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%90%91%E3%81%91%EF%BC%89.pdf(環境省HP)

Q. 敷地内での太陽光発電の導入手法について教えてください。(230307)

A. 企業が所有(借用含む)する敷地内で太陽光発電を設置し、同一敷地内の需要場所に電力を調達する手法です。主な特徴として以下3点があります。
・システム費用の低下等により、再エネ電力の購入や再エネ電力証書の購入の調達コストと同程度になりつつあるため、敷地内に一定の太陽光発電設置スペースがあれば、積極的に検討することも1案です。
・屋根のスペースが限られることにより必要十分な再エネ電力が得られないことがあります。
・“追加性”のある取組であるため、脱炭素化の訴求効果も期待できます。
具体的な調達手法としては、購入方式、リース方式、オンサイトPPA方式があります。

 詳しくは、以下リンク先のスライド12~20を参照ください。
https://www.env.go.jp/earth/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%AE%E5%86%8D%E3%82%A8%E3%83%8D%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%EF%BC%88%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%90%91%E3%81%91%EF%BC%89.pdf#page=13(環境省HP)

Q. 敷地外での太陽光発電の導入手法について教えてください。(230308)

A. 企業が再エネ電力を調達したい需要場所の敷地外にて太陽光発電を設置し、そこから送電することで電力を調達する手法です。主な特徴として以下2点があります。
・現在は、他の手法に比べると調達コストが高い傾向はあるものの、今後、企業の脱炭素化を中長期的に継続していく上で、効果的な手法として期待されています。
・“追加性”のある取組であるため、脱炭素化の訴求効果も期待できます。
具体的な調達手法としては、自営線方式、自己託送方式、オフサイトコーポレートPPA方式があります。

 詳しくは、以下リンク先のスライド26~33を参照ください。
https://www.env.go.jp/earth/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%AE%E5%86%8D%E3%82%A8%E3%83%8D%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%EF%BC%88%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%90%91%E3%81%91%EF%BC%89.pdf#page=27(環境省HP)

Q. 再エネ電力の購入について教えてください。(230309)

A. 現在の電力契約を、小売電気事業者が提供する「再エネ電力メニュー」に切り替える手法です。主な特徴として以下2点があります。
・現在、最も簡易的に再エネ電力が調達でき、調達コストも安価な手法です。
・企業の脱炭素化実現に向けて、短期的に貢献できる手法といえます。
具体的な調達手法としては、小売電気事業者の再エネ電力メニューへの切り替えです。

 詳しくは、以下リンク先のスライド34を参照ください。
https://www.env.go.jp/earth/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%AE%E5%86%8D%E3%82%A8%E3%83%8D%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%EF%BC%88%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%90%91%E3%81%91%EF%BC%89.pdf#page=35(環境省HP)

Q. グリーンエネルギーって何?(220213)

A. グリーンエネルギーには、グリーン電力とグリーン熱があり、グリーン電力は以下①~③の条件をすべて満たす再生可能エネルギーにより発電した電力のことです。
①石油・石炭・天然ガス等の化石燃料による発電でないこと
②原子力による発電でないこと
③発電過程における温室効果ガス及び硫黄酸化物・窒素酸化物等有害ガスの排出がゼロか、 または著しく少ないこと
上記の条件を満たす発電方式は、当面、風力、太陽光、バイオマス、水力、地熱、化石燃料・バイオマス混焼発電 とします。

また、グリーン熱は以下④⑤の条件をすべて満たす再生可能エネルギーにより生成した熱のことです。
④石油・石炭・天然ガス等の化石燃料による熱生成でないこと。
⑤熱生成過程における温室効果ガス、および硫黄酸化物・窒素酸化物等有害ガスの排出がゼロか、または著しく少ないこと。
上記の条件を満たす熱発生方式は、当面、太陽熱、バイオマス熱、雪氷エネルギー利用 とします。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/green_energy/newenergy/unneikisoku_191031.pdf(経済産業省 資源エネルギー庁HP)

Q. 今後、再生エネルギー比率が上がることで、電力コストはどうなるの?(220401)

A. 複数のシナリオがあります。RITE(地球環境産業技術研究機構)のシナリオでは、託送料金を除く電力コストは足元2020年の試算値(13円/kWh程度)に比べ、2050年では、24.9円/kWhと予想されます。この場合、再エネ比率は23%から54%に上がります。さらに再エネ比率を100%に設定すると、電力コストは53.4円/kWhに上昇する結果となります。
一方、京都大学のシナリオでは、現状のコストを0とした場合(再エネ比率34%)2050年での電力コストアップ分は55%と試算しています。その際の再エネ比率は89%となります。
これら2つのシナリオを単純比較はできませんが、再エネ比率が上がると電力コストが上昇する傾向は同じです。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/2021/043/043_005.pdf(資源エネルギー庁 HP)
https://www.econ.kyoto-u.ac.jp/renewable_energy/stage2/pbfile/m000347/REEKU_DP0032.pdf(京都大学大学院 ディスカッションペーパー)

Q. 水力発電は、長期エネルギー需要見通しの中でのどのような位置づけになっていますか。(220907)

A. 水力発電は、技術やノウハウも蓄積されていて、低コストで一定量の電力を安定的に供給できる「ベースロード電源」として重要な役割をになっています。また、再エネのひとつで、発電時CO2を排出しないクリーンなエネルギーでもあります。他の再エネが気象条件に左右されるのに比べて、渇水のリスクをのぞけば、自然条件によらず安定して発電ができること、発電量の調整ができることも特徴です。2030年のエネルギーの見通しを示した「エネルギーミックス」では、再エネの比率は総発電電力量の22~24%ですが、そのうち3分の1程度の8.8~9.2%、電力量では939億~981億kWhを水力とすることが目標とされています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/suiryokuhatuden.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 大規模水力発電の課題と2030年の見通しを教えてください。(220908)

A. 日本の大規模水力は、すでに多くの場所で開発が進められ、新たなダムを建設できる場所は限定的で、ダムの建設には巨額の資金と長い時間を必要とするといった短所もあります。こうしたことを踏まえ、2014年に策定された「エネルギー基本計画」では、発電に利用されていない既存のダムに発電設備を設置したり、古くなった発電設備を新しいものに取り替えて、発電効率や出力をアップさせるなどの方法を進めることが掲げられています。今後2030年までには、進行中の設置案件や経済性のある設置案件のみで開発が進んだ場合には862億kWh、技術開発などによって既存の発電所の出力向上なども進めば904億kWhに達することが想定されます。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/suiryokuhatuden.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 中小水力発電が果たす役割とFIT認定の動向について、教えてください。(220909)

A. 河川の流水を利用する以外にも、農業用水や上下水道を利用する場合もあります。すでに開発ずみの大規模水力に比べて、まだまだ開発できる地点が多く残されています(未開発地点は2016年3月末時点で約2700地点、約1000万kW)。また、中小水力は、「固定価格買取制度(FIT)」の対象にもなっていて、2012年のFIT導入後は順調に認定量が増えてきました。運転開始量も増加傾向にあります。2017年3月末時点で、112万kW(598件)の中小水力発電設備がFIT認定を取得し、そのうちの24万kW(285件)が運転を開始しています(リプレース含む)。運転開始済量は、認定された容量のうちの約21.4%に相当します。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/suiryokuhatuden.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 中小水力発電の導入事例と、その開発余地・課題について教えてください。(220910)

A. 中小水力発電の規模は、数十kWから数千kWまで様々で、利用する水の種類として、河川系の水資源を利用する場合と、農業用水や上下水道等を利用する場合がある(水資源別の各発電所はHP参照)。河川における中小水力発電については、3万kW以下の開発余地が大きい。ただし、開発地点の奥地化、出力の小規模化、高コスト構造が課題。
また、農業用水や上下水道利用等の場合の開発余地も大きい。ただし、圧倒的に小規模のものが多く、コスト高や水利権の調整などが課題。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/001_07_02.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. 「揚水発電」 について教えてください。(230205)

A. 揚水発電は、電力が余って発電の必要が無い時に水を高い所にくみ上げることで、電気を水の位置エネルギーとして蓄えておくことができる発電方式ですが、再生可能エネルギーの普及に伴い変動する電源の安定化のため電力貯蔵の機能が重要になり揚水発電が注目されています。既存の揚水発電所は大規模なものが多く、今後は小規模分散型が必要となってきます。日本全国に約2700の多目的ダムがあり、下池として活用可能で条件により180~700TWh/yの蓄電ポテンシャルが見込まれ(出力 120 ~ 380GW)、一方で今後頻発懸念の洪水/渇水等の気候変動対策にも寄与することも期待されています。

 詳しくは
https://www.jst.go.jp/lcs/pdf/webinar20220624-7.pdf(低炭素社会戦略センターHP)
https://www.cbr.mlit.go.jp/hamamatsu/shintoyone/part-pumpingup.html(国土交通省HP)

Q. 自然エネルギーを資源として利用する潮流発電について教えてください。(230407)

A. 我が国は排他的経済水域世界第6位の海洋国であることから、海洋再生可能エネルギーの大きなポテンシャルを有しており、その中でも一年中安定した発電が見込まれる潮流発電については広く普及が期待されています。そこで、環境省では平成26年度より実施している「潮流発電技術実用化推進事業」において、国の海洋再生可能エネルギー実証フィールドに選定された長崎県五島市久賀島沖での取組み及び各種調査で取得したデータを広く公開することにより、潮流発電に対する理解を深め、その普及拡大を図っています。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/tidalcurrent_pg/index.html(環境省HP)

Q. 世界各国の主な地熱資源量と地熱発電設備容量の変化について教えてください。(220911)

A. 各国の地熱資源量を見ると、世界最大規模の地熱地帯(ザ・ガイザーズ地熱地帯)をもつアメリカが第1位(3,000万kW)、多くの火山島からなるインドネシアが第2位(2,779万kW)、次いで日本 は世界第3位(2,347万kW)に位置しており、世界有数の地熱資源国と言えます。
発電設備容量で見ると、近年では、インドネシア、ニュージーランド、アイスランド、トルコ、ケニアにおける地熱開発の伸びが著しく、日本は2015年にケニアに抜かれて世界第10位まで後退しています。

 詳しくは
https://geothermal.jogmec.go.jp/information/plant_foreign/(JOGMEC HP)

Q. 今後わが国に於ける地熱開発とその課題について教えて下さい。(220912)

A. 環境省自らが率先して行動することを定めた「地熱開発加速化プラン」を推進する。2030年までに、10年以上とされる地熱発電のリードタイムを自然公園内の案件開発の加速化で2年程度短縮し、最短で8年程度を目指すとともに、60超の地熱施設数を全国で倍増することを目指しています。地熱資源の殆どは国立・国定公園に集中しておる為、自然公園法や温泉法の運用見直しを進めると共に、温泉事業者等の地域の不安や自然環境への支障を解消するために科学データの収集・調査を実施し、円滑な地域調整による案件開発の加速化を図っています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/034_04_00.pdf(環境省HP)

Q. 地熱発電の特長と我が国における課題は何でしょうか?(230206)

A. 日本は火山帯に位置するため、地熱利用は戦後早くから注目されていました。本格的な地熱発電所は1966年に運転を開始し、現在では東北や九州を中心に展開されています。総発電電力量はまだ少ないものの、安定して発電ができる純国産エネルギーとして注目されています。特徴としては、1.発電に使った高温の蒸気・熱水は、農業用ハウスや魚の養殖、地域の暖房などに再利用ができること、2.地下の地熱エネルギーを使うため、化石燃料のように枯渇する心配が無く、長期間にわたる供給が期待されること、3.地下に掘削した井戸の深さは1,000~3,000mで、昼夜を問わず坑井から天然の蒸気を噴出させるため、発電も連続して行われること があります。地熱発電所の性格上、立地地区は公園や温泉などの施設が点在する地域と重なるため、地元関係者との調整が必要という課題があります。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/geothermal/index.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 風力発電について、我が国の導入目標はどのようになっていますか?(221009)

A. 2019年度での日本での導入実績は、陸上風力が4.2GW、洋上風力はごくわずかですが、2030年の温室効果ガス46%削減(2013年度比)という目標に向けては、さらに導入を拡大し、陸上風力で17.9GW、洋上風力で5.7GWという水準を目指すこととしています。(※2030年の再エネ導入目標は各々2019年度と比べると、太陽光は55.8GW→103.5~117.6GW、水力50.0GW→50.7GW、バイオマス4.5GW→8.0GW)

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energykihonkeikaku2021_kaisetu03.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 風力発電の特長と我が国における課題は何でしょうか?(221010)

A. 風力発電の特長は、1.陸上と洋上で発電が可能 2.高い経済性(大規模発電の場合、コストは火力発電並み) 3.高い変換効率 4.昼夜発電可能 など。
世界の風力発電コストが急速に低下している一方で、我が国の発電コストは高止まりしている。系統制約、環境アセスメントの迅速化、地元調整等の開発段階での高い調整コストなども課題です。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/wind/index.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 洋上風力発電には着床式と浮体式があると聞きましたが違いは何ですか?(221209)

A.  「着床式」は、風車の支柱が海底まで到達しており、下部構造及び基礎により風車を固定します。着床式は比較的水深が浅い場合に適しています。「浮体式」は、風車自体が海洋に浮いており、係留により位置を保持します。浮体式は水深が深い場合に適しています。日本の風力発電においては、開発に伴い陸域での適地が減少しており、広大な適地が確保できる洋上への展開が望まれています。着床式は実用化が進みつつありますが、近海の水深が急激に大きくなる日本では浮体式の実用化が必要不可欠と言われています。水深の深い場所でも設置可能な浮体式洋上風車の我が国のポテンシャルは、陸上風車と着床式洋上風車の合計の約2倍強と推定されます。

 詳しくは
https://www.mlit.go.jp/common/001000883.pdf(国土交通省HP)
https://www.nedo.go.jp/floating/index.html(NEDO HP)
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/kou-ku/30300035.htmll(北九州市HP)

Q. 洋上風力発電の課題を解決するための法整備や具体的な動きについて教えてください。(221011)

A. 日本では陸地の制約から洋上風力発電への期待が大きいが、海域の占有や漁業関係者や船舶運航事業者などとの利害調整が課題となっていた。この解決の為に、2019年4月から「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)」が施行されている。経済産業大臣と国土交通大臣が、洋上風力発電に適した「促進区域」を指定(年1回程度)、その後、公募で事業者が選定され事業計画が認定され、事業者は、その海域を利用するための「占用許可」や、「固定価格買取制度(FIT)」の認定の取得に進むという流れとなっている。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/yojohuryokuhatuden2019.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 再エネ海域利用法の状況について教えてください。(221012)

A. 再エネ海域利用法に基づき、2019年12月に長崎県五島市沖を初の促進区域に指定し、2020年6月から事業者の公募を開始した。続いて2020年7月には、①秋田県能代市・三種町・男鹿市沖、②秋田県由利本荘市沖(北側・南側)、③千葉県銚子市沖の3つを促進区域に指定、同年11月から事業者の公募を開始した。また、新たな有望区域として、2020年7月に①青森県沖日本海(北側)、②青森県沖日本海(南側)、③秋田県八峰町・能代市沖、④長崎市西海市江島沖の4か所を公表し、協議会の設置や国による風況・地質調査の準備に着手した。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/yojo_furyoku/pdf/002_02_01_01.pdf(経済産業省HP)

Q. 洋上風力発電の市場予測と日本の戦略とはどのようなものですか?(221013)

A. 洋上風力は欧州を中心に拡大してきたが、今後アジア市場の急成長が見込まれる(アジア 2018年:5GW、2030年:126GW、2050年613GW(出典RENA”Foture f Wind)。浅い海域での着床式とは異なり、今後、中長期的に拡大が見込まれる浮体式の技術開発については世界横一線状態にある。競争に勝ち抜くために、アジアの気象・海象に合わせた風車や浮体等の技術開発、ユーザーを巻き込んで、世界で戦えるコスト水準で風車・浮体・ケーブル等を一体設計して実証することで社会実装に繋げていく。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211001011/20211001011-1.pdf(経済産業省HP)

Q. 現在の蓄電池の利用と今後の将来像について教えてください。(221115)

A. 現在、定置用蓄電池は、再エネ電源や需要家に併設し、電力の自家消費や非常時用電源として、設置場所内で主に活用されています。普及が進むEV等(車載用蓄電池)も、走行用の充電のみ行うのが通常となっています。今後、家庭やビルの需要側の蓄電池、車載用蓄電池、電力網と直接つながる大規模な系統用蓄電池を組み合わせて、蓄電池に充電した電力を、系統を介して再エネ事業者や送配電事業者への調整力として活用するなど、多様な用途で活用されています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/industrial_restructuring/pdf/003_02_00.pdf(経済産業省HP)
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/storage_system/pdf/003_05_00.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. 今後の蓄電池の市場規模予測について教えてください。(221116)

A. 当面、車載用蓄電池市場が急拡大し、2030年以降、定置用蓄電池(家庭・産業・系統用)の市場も大きく成長することが見込まれています。欧中勢は、EV需要創出策や蓄電池産業政策(投資支援等)を背景に、シェアを拡大し、コスト競争力を獲得していくことが予想されますが、日系勢は、技術優位で初期市場を確保したものの、近年はコスト競争で押されつつありシェアも低下傾向です。エネルギー基盤となる定置用蓄電池を見据え、総合的なわが国の競争力強化戦略が必要となっています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/industrial_restructuring/pdf/003_02_00.pdf(経済産業省HP)

Q. 次世代蓄電池として期待される「全個体電池」 について教えてください。(230207)

A. 当面の主流は液系リチウムイオン蓄電池(以後、液系LiB)であるが、次世代蓄電池として電解液を個体にした全固体リチウムイオン蓄電池が期待されている。様々な見方があるが2020年代後半以降にEV市場で投入の可能性があると言われています。これまで日本が研究開発をリードしてきたが、近年、各国も研究強化、特に中国が猛追しています。特徴として、可燃性の電解液による発火や液漏れがなくなり安全性が向上し、同じ体積の液系LiBと全固体電池で比べると、航続距離が約2倍になります。大電流での急速充電が可能となり充電時間も短縮(液系LiBの1/3程度)されます。一方で、経年劣化(寿命が短い)に技術課題があり、量産化の技術確立にも課題を抱えています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/joho/conference/battery_strategy/battery_saisyu_torimatome.pdf(経済産業省HP)

Q. バイオマス発電の特長と我が国における課題は何でしょうか?(230208)

A. バイオマスとは、動植物などから生まれた生物資源の総称で、バイオマス発電では、この生物資源を「直接燃焼」したり「ガス化」するなどして発電します。特徴として、1.光合成によりCO2を吸収して成長するバイオマス資源を燃料とした発電は「京都議定書」における取扱上、CO2を排出しない、2.未活用の廃棄物を燃料とするバイオマス発電は、廃棄物の再利用や減少につながり、循環型社会構築に大きく寄与、3.家畜排泄物、稲ワラ、林地残材など、国内の農産漁村に存在するバイオマス資源を利活用することにより、農産漁村の自然循環環境機能を維持増進し、その持続的発展を図ることが可能、4.家畜排泄物や生ゴミなど、捨てていたものを資源として活用することで、地域環境の改善に貢献 などがあります。資源が広い地域に分散しているため、収集・運搬・管理にコストがかかる小規模分散型の設備になりがちという課題があります。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/biomass/index.html#denki(資源エネルギー庁HP)

Q. 再生可能エネルギーの太陽熱利用について教えてください。(230209)

A. 太陽の熱エネルギーを太陽集熱器に集め、熱媒体を暖め給湯や冷暖房などに活用するシステムで、機器の構成が単純であるため、導入の歴史は古く実績も多いです。特長として、1.当然のことながら、システムのエネルギー源は太陽エネルギー。エネルギー源そのものの導入コストは永久的に無料。2.簡単なシステムであるため、特別な知識や操作が必要なく、一般事務所だけでなく給湯利用の多い介護施設などでも手軽に導入可能 があります。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/solar2/index.html(資源エネルギー庁HP)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/attaka_eco/index.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 再生可能エネルギーの雪氷熱利用について教えてください。(230210)

A. 冬の間に降った雪や、冷たい外気を使って凍らせた氷を保管し、冷熱が必要となる時季に利用するものです。寒冷地の気象特性を活用するため、利用地域は限定されますが、資源は豊富にあることから注目される取組です。特徴として、1.寒冷地では従来、除排雪、融雪などで膨大な費用がかかっていた雪を、積極的に利用することでメリットに変えることが可能、2.雪氷熱の積極利用により企業イメージアップに加え、商品の付加価値向上に寄与 があります。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/snow/index.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 再生可能エネルギーの温度差熱利用について教えてください。(230211)

A. 地下水、河川水、下水などの水源を熱源としたエネルギーです。夏場は水温の方が温度が低く、冬場は水温の方が温度が高いという水の持つ熱をヒートポンプを用いて利用したものが温度差熱利用です。冷暖房など地域熱供給源として全国で広まりつつあります。特長として、1.システム上、燃料を燃やす必要がないため、クリーンなエネルギーと呼ぶことができ、環境への貢献度も高いシステムであること、2.熱源と消費地が近く、温度差エネルギーは民生用の冷暖房に対応できること、3.温度差エネルギーは寒冷地の融雪用熱源や、温室栽培などでも利用できること があります。建設工事の規模が大きいためイニシャルコストが高いため、地元の地方公共団体などとの連携が必要となることが課題です。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/temperature/index.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 再生可能エネルギーの地中熱利用について教えてください?(230310)

A. 地中熱とは、浅い地盤中に存在する低温の熱エネルギーです。大気の温度に対して、地中の温度は地下10~15mの深さになると、年間を通して温度の変化が見られなくなります。そのため、夏場は外気温度よりも地中温度が低く、冬場は外気温度よりも地中温度が高いことから、この温度差を利用して効率的な冷暖房等を行います。特長として、1.空気熱源ヒートポンプ(エアコン)が利用できない外気温-15℃以下の環境でも利用可能、2.放熱用室外機がなく、稼働時騒音が非常に小さい
3.地中熱交換器は密閉式なので、環境汚染の心配がない、4.冷暖房に熱を屋外に放出しないため、ヒートアイランド現象の元になりにくい があります。設備導入(削井費用等)に係る初期コストが高く設備費用の回収期間が長いことが課題です。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/underground/index.html(資源エネルギーHP)

Q. 再エネ電力証書の購入について教えてください。(230408)

A. 電力と別に再エネ由来の環境価値だけを証書として購入する手法です。主な特徴としては、再エネ電力の購入とほぼ同様であり、また再エネ電力の購入と組み合わせて採用するパターンが多くみられます。
具体的な調達手法としては、:J-クレジット、グリーン電力証書、非化石証書があります。

 詳しくは、以下リンク先のスライド35~38を参照ください。
https://www.env.go.jp/earth/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%AE%E5%86%8D%E3%82%A8%E3%83%8D%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%EF%BC%88%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%90%91%E3%81%91%EF%BC%89.pdf#page=36(環境省HP)

Q. 再エネ100宣言 RE Actionについて教えてください。(230409)

A. RE100は参加要件から、多くの中小企業や非企業(自治体、教育機関、医療法人など)は参加することが困難です。 「再エネ100宣言 RE Action」は、RE100の参加要件を満たさない団体が使用電力を100%再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示し、再エネ100%利用を促進する日本独自のプログラムです。
再エネの調達方法としては、RE100と同様、自家発電による電力に加え、小売り電気事業者から再エネ電力メニュー等を通して調達する方法や、再エネ電力証書を購入することで調達する方法があります。
取り組むメリットとして、以下3点があります。
①再エネの取組を対外的にアピールでき、企業価値の向上、ESG投資の呼び込みにつながります。
②再エネ100宣言 RE Actionのロゴを利用し、PR活動に活用できます。
③参加団体間の協力やビジネスを促進するための「脱炭素コンソーシアム」に参加できます。

 詳しくは、以下リンク先のスライド45を参照ください。
https://www.env.go.jp/earth/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%AE%E5%86%8D%E3%82%A8%E3%83%8D%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%EF%BC%88%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%90%91%E3%81%91%EF%BC%89.pdf#page=46(環境省HP)

Q. 再エネ電力のリバースオークションによる購入について教えてください。(230410)

A. リバースオークションとは、競り下げ方式により、再エネ電気の最低価格を提示する販売者(小売電気事業者)を選定できる方法です。
一般的なオークションとは逆に、販売者である小売電気事業者は低い電力単価を入札することで落札できるため、その結果、需要家(企業、自治体)は再エネ電気をより低廉な価格で購入することが可能となります。企業向けには、電力使用量の提示から、見積、契約までオンライン上で行うことができるサービスや、自治体と連携してより多くの企業に参加を呼びかける事例もあります。
リバースオークションのメリット​として、以下2点があります。
・公正な競り下げ方式のオークションで適正な価格を引き出し、低廉な再エネ電力契約を見つけられる
・複数社からの入札がプラットフォームで行われるので、企業、自治体での相見積の取得や比較などの事務手続きを簡素化できる

 詳しくは
https://ondankataisaku.env.go.jp/re-start/howto/06/(環境省 再エネ スタートHP)

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太陽光発電

Q. 太陽光発電=カーボニュートラルではないと思うが、どうなのか?(メンテナンス、製造廃棄など)(220307)

A.
「カーボンニュートラル」とは、CO2をはじめとする温室効果ガスの「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」 を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることです。
また、太陽光発電は、シリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用し、太陽の光エネルギーを太陽電池(半導体素子)により直接電気に変換する発電方法です。化石燃料を燃焼させないため、発電時にはCO2を発生させませんので、有力なカーボンニュートラルの手法の一つです。エネルギー源が太陽光であるため、基本的には設置する地域に制限がなく、導入しやすいシステムといえます。
送電設備のない遠隔地(山岳部、農地など)の電源として活用することができます。災害時などには、貴重な非常用電源として使うことができます。
課題としては気候条件により発電出力が左右されること。また、導入コストも次第に下がってはいるものの、今後の更なる導入拡大のため、低コストに向けた技術開発が重要です。

詳しくは
https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/(環境省 HP)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/solar/index.html(資源エネルギー庁 HP)

Q. 太陽光発電のメリットについて教えてください。(220607)

A. 1.エネルギー源は太陽光
  エネルギー源が太陽光であるため、基本的には設置する地域に制限がなく、導入しやすいシステムといえます。
2.用地を占有しない
  屋根、壁などの未利用スペースに設置できるため、新たに用地を用意する必要がありません。
3.遠隔地の電源
  送電設備のない遠隔地(山岳部、農地など)の電源として活用することができます。
4.非常用電源として
  災害時などには、貴重な非常用電源として使うことができます。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/solar/index.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 太陽光発電を導入した際のデメリットを教えて。(220407)

A.
太陽光発電は、エネルギー源が太陽光であるため、基本的には設置する地域に制限がなく、導入しやすいシステムといえます。屋根、壁などの未利用スペースに設置できるため、新たに用地を用意する必要がなく、送電設備のない遠隔地(山岳部、農地など)の電源として活用することができるうえ、災害時などには、貴重な非常用電源として使うことができます。
しかしながら、課題としては気候条件により発電出力が左右されることや、導入コストも次第に下がってはいるものの、今後の更なる導入拡大のため、低コストに向けた技術開発が重要と言われております。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/solar/index.html?msclkid=1fada8f3a67711ecb9b24964db59fb0d(資源エネルギー庁HP)

Q. 太陽光発電の導入を検討していますが、具体的な導入方法について教えてください?(220608)

A. 環境省では、民間企業や地方自治体等が、屋根や駐車場に太陽光発電を設置し、その電力を建物内で消費する、いわゆる自家消費型の太陽光発電の導入等を推進しています。

自家消費型の太陽光発電は、建物でのCO2削減はもちろんのこと、停電時にも一定の電力使用ができるため防災性の向上にも繋がるものです。また、太陽光発電設備の導入を初期費用ゼロで行うことが可能なオンサイトPPAやリースというサービスもあります。

「太陽光発電の導入支援サイト」では、太陽光発電の導入方法に関する概要資料や、環境省主催セミナーの情報、環境省の太陽光発電に関する導入支援事業等、太陽光発電の導入に役立つ情報を紹介しています。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/post_93.html(環境省HP)

Q. 敷地内での太陽光発電の導入手法について教えてください。(230307)

A. 企業が所有(借用含む)する敷地内で太陽光発電を設置し、同一敷地内の需要場所に電力を調達する手法です。主な特徴として以下3点があります。
・システム費用の低下等により、再エネ電力の購入や再エネ電力証書の購入の調達コストと同程度になりつつあるため、敷地内に一定の太陽光発電設置スペースがあれば、積極的に検討することも1案です。
・屋根のスペースが限られることにより必要十分な再エネ電力が得られないことがあります。
・“追加性”のある取組であるため、脱炭素化の訴求効果も期待できます。
具体的な調達手法としては、購入方式、リース方式、オンサイトPPA方式があります。

 詳しくは、以下リンク先のスライド12~20を参照ください。
https://www.env.go.jp/earth/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%AE%E5%86%8D%E3%82%A8%E3%83%8D%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%EF%BC%88%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%90%91%E3%81%91%EF%BC%89.pdf#page=13(環境省HP)

Q. 敷地外での太陽光発電の導入手法について教えてください。(230308)

A. 企業が再エネ電力を調達したい需要場所の敷地外にて太陽光発電を設置し、そこから送電することで電力を調達する手法です。主な特徴として以下2点があります。
・現在は、他の手法に比べると調達コストが高い傾向はあるものの、今後、企業の脱炭素化を中長期的に継続していく上で、効果的な手法として期待されています。
・“追加性”のある取組であるため、脱炭素化の訴求効果も期待できます。
具体的な調達手法としては、自営線方式、自己託送方式、オフサイトコーポレートPPA方式があります。

 詳しくは、以下リンク先のスライド26~33を参照ください。
https://www.env.go.jp/earth/%E3%81%AF%E3%81%98%E3%82%81%E3%81%A6%E3%81%AE%E5%86%8D%E3%82%A8%E3%83%8D%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%EF%BC%88%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%90%91%E3%81%91%EF%BC%89.pdf#page=27(環境省HP)

Q. 太陽電池について教えてください。(220609)

A. 太陽電池とは、光のエネルギーを直接電気に変換できるよう、材料や構造に工夫が加えられたダイオード、すなわち電流を一方向だけに流す半導体素子の一種です。物質に光が当たると、その物質から電子が外に飛び出してしまう「光電効果」と呼ばれる原理を利用して発電を行います。
太陽電池の種類は、材料や厚み、接合数(接合面の数)、動作原理などで分類されます。材料はシリコン系、化合物系、有機物系があります。

 詳しくは
https://tenbou.nies.go.jp/science/description/detail.php?id=3(国立環境研究所HP)

Q. 太陽電池の変換効率について教えてください。(220714)

A. 太陽電池が、光エネルギーを電気に変換するときの効率を「変換効率」と呼び、数値が高いほどたくさんの電気を生むことができますが、太陽電池の種類によって変換効率には差があります。現在市販されている太陽電池の変換効率は、およそ15~20%。この数値をアップさせようと、世界中の研究者やメーカーがしのぎを削っています。
太陽電池は、その素材によって、「シリコン系」「化合物系」「有機系」「有機無機ハイブリッド系」に大きく分類されます。現在もっとも普及しているのはシリコン系で、実績にも優れています。中でも、「結晶シリコン系太陽電池」が世界市場の90%以上を占めています。
現在、このタイプで世界最高性能を達成しているのは日本企業で、セル単位での変換効率は26.6%、モジュール単位での変換効率は24.4%です。
セルは太陽電池の最小単位の素子、モジュールはセルを連結して板(パネル)状にしたもの。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/taiyoukouhatuden2017.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 2030年に向けた太陽光発電の導入目標を教えてください。(220715)

A. .2021年10月第6次エネルギー基本計画において2030年再エネ比率36%~38%という野心的な目標が掲げられました。
再エネ導入推移は2011年度10.4%、2020年度19.8%ですので、大幅な増加になります。
そして太陽光発電比率は2011年度0.4%、2020年度7.9%に対し、2030年目標は14~16%となっています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/040_01_00.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. 2030年に向けた太陽光発電の導入目標を達成するための方策を教えてください。(220716)

A. 令和3年8月4日資源エネルギー庁の資料によると、2030年度までに必要な太陽光発電の導入見込み量は100GWです。
現時点の導入量は56GW、既認定未稼働の稼働は18GW、新規導入量は現行並みに毎年認定すると想定し、14GW、残りは政策を強化することで12GW程度の導入を見込んでいます。

 詳しくは
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2021/siryo26/1-2_sankou.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. 2030年に向けた公共部門の太陽光発電の導入可能性について教えてください。(220717)

A. .2021年7月6日環境省の資料によると、2030年度までに国・地方公共団体が保有する設置可能な建築物屋根等の約50%に太陽光発電を導入することを目指し、6.0GWの導入を見込んでいます。
内訳は全建築物におけるポテンシャル最大量が21.2GW、その内、屋根の形状など設置困難な場合および老朽施設を除くと15.9GW、導入率50%ですので、7.9GWとなります。
すでに全施設の約10%に太陽光発電が導入(1.9GW)されているので、その分を引いて6.0GWとなるわけです。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/034_04_00.pdf(環境省HP)

Q. 我が国に於ける国⼟⾯積あたりの太陽光発電の導⼊量の現状と今後の課題について教えてください。(221014)

A. 平地の少ない我が国に於いて、⽇本は既に国⼟⾯積あたりの太陽光発電の導⼊量は主要国で1位の状況であり、平地面積辺りでみると2位ドイツの約2倍となっています。地域と共⽣しながら、安価に事業が実施できる太陽光発電の適地が不⾜しているという点について、発電事業者等から懸念の声があがっており、適地の確保が導⼊拡⼤に向けた⼤きな課題の⼀つとなっている。海外においても太陽光発電の導⼊を拡⼤する動きは急速に進んでおり、国際機関の報告によれば世界的に屋根置きの設置が進むと想定されているところ、先⾏的に課題に直⾯する⽇本発のイノベーションにより、今後拡⼤が⾒込まれる次世代型太陽光市場の獲得を⽬指しています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211001005/20211001005-2.pdf(資源エネルギー庁HP)
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/031_02_00.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. 更なる太陽光発電導入の課題克服に向けた取り組みについて教えてください。(221015)

A. 課題を克服する⼿段の⼀つとして、既存の技術では太陽光発電を設置できなかった場所(耐荷重の⼩さい⼯場の屋根、ビル壁⾯等)にも導⼊を進めていくことが期待されているが、その実現には電池の軽量性や壁⾯等の曲⾯にも設置可能な柔軟性等を兼ね備え、性能⾯(変換効率や耐久性等)でも既存電池に匹敵する次世代型太陽電池の開発が不可⽋。これまで様々な種類の太陽電池が開発され、⼤きくシリコン系、化合物系、有機系の 3 種類に分類されるが、現在普及している太陽電池の 95%以上はシリコン系である。シリコン系以外の太陽電池の⼀部は、既に実⽤化しているものの、現状ではコストを含む性能⾯でシリコン系に対して競争⼒を持つに⾒込みが⽴っていない状況にある。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211001005/20211001005-2.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. 次世代型太陽電池として期待されるペロブスカイト太陽電池について教えて下さい。(221016)

A. 有機系の⼀つであるペロブスカイト太陽電池は、直近 7 年間で変換効率が約 2倍に向上(シリコン系の約4倍のスピード)するなど、⾶躍的な成⻑を遂げており、シリコン系に対抗しうる太陽電池として有望視されている。 具体的には、既存の太陽電池に⽐べ 1)少ない製造⼯程で製造することが可能(製造コスト低減)になる。 ※製造技術においても⾼度な塗布技術を持つ⽇本に有意性あり。 2)プラスチック等の軽量基板の利⽤が容易であり軽量性や柔軟性を確保しやすい。 3)主要な材料であるヨウ素の⽣産量は、⽇本が世界シェア 30%を占めている。 といった特徴を有することに加え、将来的に他の太陽電池と組み合わせる技術)の進展によりシリコン太陽電池を⼤きく越える性能の実現が期待されることなどから、⾼い競争⼒が期待される。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211001005/20211001005-2.pdf(資源エネルギー庁HP)
https://www.jst.go.jp/seika/bt107-108.html(科学技術振興機構HP)

Q. ペロブスカイト(次世代型太陽電池)について、世界と日本の開発動向について教えてください。(230311)

A. 英国では、オックスフォード大学発スタートアップのオックスフォードPVが、タンデム型(複数種を組み合わせた電池)の開発を行っています。また、ポーランドのスタートアップ企業であるサウレ・テクノロジーズは、屋内向けの電子商品タグ等のペロブスカイト太陽電池を発表。中国では、2015年頃からスタートアップ企業が設立され、多数の企業や大学により研究開発が活発に行われています。日本は、ペロブスカイト太陽電池の開発でトップ集団に位置(世界最高の変換効率を記録)しており、研究開発から基盤技術開発、実用化・実証事業まで一気通貫で取り組み、2030年を目途に社会実装を目指しています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/green_power/pdf/003_04_00.pdf(経済産業省HP)

Q. ペロブスカイト(次世代型太陽電池)の社会実装に向けて、我が国の具体的事例について教えてください。(230312)

A. グリーンイノベーション基金が設置され、この活用によって製造技術の確立等に向けた研究開発が加速しています。研究開発に取り組む企業は、ユーザー企業との実証計画をプレスリリースしており、社会実装に向けた動きも実現しつつあります。
・積水化学工業は屋外耐久性10年相当を確認し、30cm幅のロールtoロール製造プロセスを構築(発電効率15.0%)、2025年に全面開業するJR西日本「うめきた(大阪)駅」広場部分にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置。※一般供用施設でのペロブスカイト太陽電池採用計画は世界初( JR西日本調べ)
(積水化学工業・JR西日本プレスリリース(2022年8月3日))
・エネコートテクノロジーズは株式会社マクニカと協業し、IoT端末向けのペロブスカイト太陽電池をマクニカのCO2センサーに搭載、試作品を開発し、量産化に向けた取組を進めている。(エネコートテクノロジーズ・マクニカ プレスリリース(2022年3月8日))

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/green_power/pdf/003_04_00.pdf(経済産業省HP)

Q. ゴビ砂漠全体に太陽光パネルを設置すると、地球に暮らす全人類が使用するエネルギーをまかなえると聞きましたが、本当ですか?(220718)

A. 実際に計算してみましょう。
まず、太陽光発電システムの発電量は、条件やメーカーによって異なりますが、1平方メートルで年間75kWh~115kWhです。
ゴビ砂漠の面積≒130万km2(地球全体約0.9%)ですので、ゴビ砂漠全部の太陽光発電量は、
  年間 75~115×1,300,000×1,000×1,000=9.75×1013~1.50×1014kWh となります。

世界のエネルギー使用量は、2019年 約14,000Mtoe(原油換算トン)ですので、kwhに換算すると、
   年間 14,000×106×1.16×104=1.48×1014kWh となります。(1toe=1.16×104kWh)

結果として、2つの値は、ほぼ一致したため、質問の答えとしては「YES」となります。

Q. 太陽光発電はパネル製造時のCO2排出量と建設時の森林破壊によるCO2排出量を何年で回収できるの?(230212)

A. 太陽光発電で削減できるCO2の量を評価する場合、太陽光パネルを製造する際のCO2発生量を考慮しなければなりません。
また、メガソーラーを建設する場合、森林を破壊することがあります。その場合、森林が毎年固定したCO2が発生することになるので、それも考慮する必要があります。

2022年12月23日に開催された資源エネルギー庁の令和4年度第4回工場等判断基準WGにおいて、公表された試算によると
メガソーラー1メガワット製造時のCO2排出量は3070トン、森林破壊で1メガワット建設時のCO2排出量は604トン、
メガソーラー1メガワットのパネルによるCO2削減量は年間662トンのため、森林破壊によるCO2排出を見積もってもメガソーラーは建設時のCO2排出を6年弱で取り返せることになります。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/sho_energy/kojo_handan/pdf/2022_004_s05_00.pdf(資源エネルギー庁HP)

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水素

Q. 水素はなぜ燃やしても二酸化炭素を発生しないのか?(220232)

A.
石炭や石油、天然ガスなどの化石燃料は炭素(元素記号:C)を含んでおり、燃焼させると酸素と反応して 二酸化炭素(CO2)を発生しますが、水素(元素記号:H)は炭素を含まないため燃焼させてもCO2は全く発生しません(酸素と反応して水(H2O)を発生します)。 この“CO2発生量がゼロ“であることこそが水素の大きな特長です。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/suiso.html(経済産業省 資源エネルギー庁HP)

Q. 水素について基礎知識を教えてください。(220408)

A.
水素とは原子番号1の元素で元素記号はHで、通常、原子が2つ結びついた水素分子(H2)の形をとります。無色、無臭で、地球上でもっとも軽い気体であり、水素分子の状態として存在することはほとんどありませんが、水などのように他の元素との化合物として地球上に大量に存在します。
特徴としては
・宇宙で最も豊富にある元素。質量では宇宙全体の約70%を占める
・水素単体では自然界にほとんど存在せず、地球上では化合物として存在する
・無色、無味、無臭の気体
・最も軽い気体で、拡散速度が速い
・燃えても火炎が見にくい
・燃焼すると酸素と反応して水になる
・-252.6℃で液化する

詳しくは
https://www.nedo.go.jp/content/100639754.pdf(NEDO)

Q. 水素がカーボンニュートラルに向け、「夢の燃料」として大きく期待される理由は?(220308)

A.
エネルギー資源として見た場合、水素には2つの特徴があります。
この2つの特徴から、水素は日本にとって究極のエネルギー源となる可能性があります。
①さまざまな資源からつくることができる
水素は、電気を使って水から取り出すことができるのはもちろん、石油や天然ガスなどの化石燃料、メタノールやエタノール、下水汚泥、廃プラスチックなど、さまざまな資源からつくることができます。また、製鉄所や化学工場などでも、プロセスの中で副次的に水素が発生します。
②エネルギーとして利用してもCO2を出さない
水素は、酸素と結びつけることで発電したり、燃焼させて熱エネルギーとして利用することができます。その際、CO2を排出しません。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/suiso.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 水素の製造方法について教えてください。(220309)

A.
化石燃料を触媒等を改質して製造する方法、工業プロセスの副産物(コークス炉などの製鉄プロセス)、発電した電気を用いて水を電気分解して製造する方法、バイオマスから生成したメタノールやメタンガスを触媒等を改質して製造する方法などがあります。

詳しくは
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy/suiso_nenryodenchi/suiso_nenryodenchi_wg/pdf/005_02_00.pdf(資源エネルギー庁HP)
https://www.nedo.go.jp/content/100639754.pdf(NEDO HP)

Q. 水素を水電解で作る方式について教えてください。(220610)

A. 水電解(水の電気分解)は、原理としてはよく知られており、実用技術としてはアルカリ水電解法と固体高分子形(PEM 形)水電解法があります。アルカリ水電解法は、水酸化カリウムの強アルカリ溶液を用いて水電解を行うもので、大規模水素製造用として工業分野で実績があります。固体高分子形(PEM 形)水電解法は 1970 年代初期に GE が燃料電池の技術を適用したもので、日本では 1975 年頃に大阪工業技術研究所(現 産業技術総合研究所)で膜・電極接合技術が研究され、現在は民間企業主体で研究開発されています。

 詳しくは
https://www.nedo.go.jp/content/100639759.pdf(NEDO HP)

Q. 水素の製造コストについて教えてください。(220409)

A.
現在のコストは、1Nm3(気体の量をあらわす単位)あたり100円です。これを、2030年には30円に、将来的には20円にすることを目指しています。
水素の低コスト化のためには、 ①安価な原料を使って水素をつくる ②水素の大量製造や大量輸送を可能にするサプライチェーンを構築する③燃料電池自動車(FCV)や発電、産業利用などで大量に水素を利用する  の3条件が必要と言われています。

詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/suiso_nenryo/pdf/018_01_00.pdf(経産省HP)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/suisokihonsenryaku.html(資源エネルギー庁HP)

Q. グリーン水素やブルー水素、グレー水素とはどういう意味ですか?(220310)

A.
化石燃料をベースとしてつくられた水素は「グレー水素」と呼ばれます。水素の製造工程で排出されたCO2について、回収して貯留したり利用したりする「CCS」「CCUS」技術と組み合わせることで製造工程のCO2排出をおさえた水素は「ブルー水素」と呼ばれます。再生可能エネルギー(再エネ)などを使って、製造工程においてもCO2を排出せずにつくられた水素は、「グリーン水素」と呼ばれます。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/suiso_tukurikata.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 水素のエネルギーとしての利用先について教えてください。(220511)

A. 現在、期待されている水素の利用先には、まず燃料電池自動車(FCV)や燃料電池バス(FCバス)があげられます。搭載されている「燃料電池」で水素を使って電気をつくり、自動車の動力に利用するもので、乗用車や貨物車の低炭素化を図ることができます。また、フォークリフトなどの産業用車両での水素利用もすでに始まっています。
燃料電池は運輸分野以外でも使われています。皆さんにもおなじみの家庭用燃料電池「エネファーム」もそのひとつです。これは、ガスから水素を取り出して、酸素と化学反応を起こして効率よく電気をつくり、その時生まれる熱(排熱)も利用するしくみです。エネルギーを有効活用することで、一般家庭では25%の省エネと40%のCO2削減を実現します。世界に先駆けて販売がスタートした2009年の販売価格は300万円超でしたが、2017年には103万円まで低下し、すでに23万台以上が普及しています。
また、従来の発電所のように大規模な「水素発電所」の実現も期待されています。神戸市のポートアイランドにおいて、水素をエネルギー源として電気と熱を街区供給する実証事業が始まってます。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/suiso.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 水素の安全対策について教えてください。(220512)

A. 水素は滞留させてしまうと一定の割合で空気と混合した状態となり、引火によって爆発するが、水素は最も軽い気体であり空気拡散速度が高いです。安全に利用するためには、まずは漏洩防止に努め、仮に漏洩した場合でも速やかに拡散させ、滞留を防ぐことが必要です。現在、水素を利活用しようとする設備は、部屋の天井に隙間を設けたり、強制換気を行ったりして、仮に水素が発生・漏洩しても、部屋の中に滞留しないよう工夫されています。例えば、福岡県糸島市にある水素エネルギー製品研究センター(HytReC)の場合、高圧試験室には外れやすい折板屋根を採用、さらに連続の強制換気によって、常に室内の空気が入れ替わり、万が一水素が試験設備から漏れた場合でも室内に滞留しない工夫がされています。

 詳しくは
https://www.nedo.go.jp/content/100639758.pdf(NEDO HP)

Q. 工業原料として実際に水素を使う方法を用途別に教えてください。(220611)

A. .工業原料としての水素の用途は多岐にわたっている。例えば、石油の精製における原油に含まれる硫黄分の除去、半導体プロセスにおける雰囲気ガス、ステンレス鋼の光輝焼純、金属冶金や樹脂生成プロセスにおける還元剤、アンモニア合成用原料、光ファイバーの素材となる石英硝子の製造プロセス、ファイバー加工時の熱源などが主な用途です。また、身近な製品として、マーガリンやサラダオイルなどの油脂硬化剤、化粧品、洗剤、香料、ビタミン剤などの原料の一部としても使用されています。

 詳しくは
https://www.nedo.go.jp/content/100639754.pdf(NEDO HP)

Q. 水素を運ぶ、ためる方法を教えてください。(220411)

A.
①水素を高圧に圧縮して、ボンベ等で輸送・貯蔵する方法(高圧ガス)、②水素を‐253℃まで冷却することで、液化させ輸送・貯蔵する方法(液化水素)、③水素をトルエンに化合させてメチルシクロヘキサンの形にして輸送・貯蔵し、需要地で脱水素して水素を活用する方法(有機ハイドライド)、④水素を気体のままパイプラインに流すことで、需要地まで輸送する方法(パイプライン)がある。また、将来的には水素のキャリアとしてアンモニアを活用することや、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させることで水素を輸送・貯蔵する方法や、水素を二酸化炭素と反応させることでメタンに変化させ、そのまま都市ガス導管に流し、燃料として用いる方法が検討されています。

詳しくは
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy/suiso_nenryodenchi/suiso_nenryodenchi_wg/pdf/005_02_00.pdf(経産省HP)

Q. 水素ステーションについて教えてください。(220412)

A.
水素ステーションには、オフサイト水素ステーション(水素ステーション外部から水素を輸送)とオンサイト水素ステーション(水素ステーション内部にて水素を製造)の2種類がありますが、標準ステーションは、オフサイト水素ステーションです。オフサイト水素ステーションの設備構成は、以下です。
圧縮機(気体の水素を高圧に圧縮する装置)、蓄圧機(圧縮機により圧縮した水素ガスを一時的に貯蔵する容器)、プレクーラー(水素充填時に、燃料電池自動車の水素タンクの温度上昇を抑制するため、あらかじめ水素を冷却する装置)、ディスペンサ(燃料電池自動車へ高圧水素を充填する装置)

詳しくは
https://www.meti.go.jp/information_2/publicoffer/review2021/kokai/overview6.pdf(経産省HP)

Q. 水素ステーションの今後の設置計画について教えてください。(220612)

A. 2014年に世界に先駆けて燃料電池車(FCV)を商用化して以降、本格的に水素ステーション(以下、水素ST)の整備を着実に進め、その数は現時(2021年8月時点)では整備中も含め166箇所となりました。しかしながら、FCVの普及は依然として限定的(約6000台程度)。また、水素STの整備費及び運営費も事業自立化のために更に引き下げていく必要があります。2021年6月に改定されたグリーン成長戦略において、カーボンニュートラルを目指すに当たり、商用車を含む各種モビリティの普及も見据えた水素ステーションに関する新たな政府目標(2030年1000基)も設定されました。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/suiso_nenryo/pdf/027_02_00.pdf?msclkid=9fceeb5ccf7411ec999ad60dafd3fd21(経済産業省HP)

Q. 燃料電池について教えてください。(220613)

A. その原理は水の電気分解の逆なのです。まず、水の電気分解について説明しましょう。
水は水素と酸素がくっついた粒でできています。水は電気を通しにくい性質を持っていますが、電解質を入れて、電気を流すと、水は水素と酸素に分解します。これが水の電気分解です。燃料電池はこの逆のしくみを利用した発電装置です。水素と酸素がくっついて水になるとき、電気と熱が発生します。つまり、燃料電池は水素と酸素を水にもどすことで発生する電気をためているのです。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/chemical_wondertown/labo/page02.html(経済産業省HP)

Q. 燃料電池発電について教えてください。(221210)

A. 使用する際にCO2を排出しないエネルギーとして期待されている、次世代の新エネルギー・水素。水素が広く活用される「水素社会」を構築するカギのひとつとなるのが、水素を使って電気をつくるシステム「燃料電池」です。燃料電池は、家庭用燃料電池「エネファーム」が普及拡大するだけでなく、業務・産業用での利用も拡大しています。業務・産業用燃料電池が燃料として利用するのは都市ガスだけではありません。バイオガスなどを使用することで、実質CO2排出量ゼロを達成することも可能です。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/nenryodenchi_02.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 各国の蓄電池に対する政策支援や研究開発の国家プロジェクトについて教えて下さい。(221211)

A. 米欧中に於いては、蓄電池・電動車に対する大規模な政策支援が実施され、特に欧州では規制措置によって欧州域内で強固なバッテリーバリューチェーンが構築されるような産業政策を志向しています。中国ではバッテリー工場等への支援として、土地・建物リースで実質無償化及び設備補助等が実施されています。日本でもグリーンイノベーション基金に於いて、高性能蓄電池・材料、省資源化、生産技術、リサイクル等について研究開発の推進を支援しています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/industrial_restructuring/pdf/003_02_00.pdf(経済産業省HP)

Q. 燃料電池自動車の安全対策について教えてください。(220513)

A. 燃料電池自動車に関する安全対策については、日本は2005年に世界でその基準を初めて策定しました。この基準では、衝突時の安全を含む水素安全と高電圧に関する安全基準が盛り込まれており、水素安全関係については、
・水素ガスを漏らさない、漏れても滞留させない、漏れたら検知し遮断する
・水素を含むガスを排出する場合には、安全に排出する
・衝突時でもガソリン車などと同等の安全性確保(水素ガス漏れ抑止)を行う
を基本的な考え方とし、配管やその接続部の気密性能、水素漏洩時の滞留や車室内侵入の防止のための機器取り付け位置や方法、水素漏洩検知器の取り付け位置及び性能、衝突時の水素漏洩防止方法などの技術要件が規定されました。現在、燃料電池自動車の安全対策としては、水素による脆化を受けない金属材料(ステンレスSUS316など)の使用、センサーを用いた水素漏洩防止システム、火災時における水素容器の破裂を避けるための一定温度でタンク内のガスを放出させる熱作動式の安全弁の設置などが講じられています。

 詳しくは
https://www.nedo.go.jp/content/100639758.pdf(NEDO HP)

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アンモニア

Q. アンモニアがカーボンニュートラルに向け、注目される理由は?(220311)

A.
エネルギー分野でアンモニアが注目される理由のひとつは、次世代エネルギーである水素の「キャリア」、つまり輸送媒体として役立つ可能性があるためです。アンモニアは水素分子を含む物質です。そこで、大量輸送が難しい水素を、輸送技術の確立しているアンモニアのかたちに変換して輸送し、利用する場所で水素に戻すという手法が研究されています。
加えて、近年では、燃料としての利用も研究されはじめました。アンモニアは燃焼してもCO2を排出しない「カーボンフリー」の物質です。将来的には、アンモニアだけをエネルギー源とした発電を視野に入れた技術開発が進められていますが、石炭火力発電に混ぜて燃やす(混焼)ことでも、CO2の排出量を抑えることが可能です。
アンモニアはすでに生産・運搬・貯蔵などの技術が確立しており、安全性への対策やガイドラインが整備されています。さらに、サプライチェーンが確立されていることから、初期投資をあまりかけずにエネルギーに転用することができるとも考えられています。このように、早期の実用化が見込まれることは、次世代エネルギーとして大きな利点です。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ammonia_01.html(資源エネルギー庁HP)

Q. アンモニアの製造方法について教えてください。(220312)

A.
アンモニアを合成するためには水素が必要となりますが、この水素は主に天然ガスを中心とした化石燃料由来のものが使われています。この水素と窒素を触媒存在下で直接反応させることでアンモニアを製造します。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ammonia_01.html(資源エネルギー庁HP)
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg-mrv/methodology/material/methodology_2B1.pdf(環境省HP)

Q. グリーンアンモニア、ブルーアンモニア、グレーアンモニアとはどういう意味?(220313)

A.
化石燃料をベースとしてつくられたアンモニアは「グレーアンモニア」と呼ばれます。アンモニアの製造工程で排出されたCO2について、回収して貯留したり利用したりする「CCS」「CCUS」技術と組み合わせることで、製造工程のCO2排出をおさえた水素は「ブルーアンモニア」と呼ばれます。再生可能エネルギー(再エネ)などを使って、製造工程においてもCO2を排出せずにつくられた水素は、「グリーンアンモニア」と呼ばれます。

詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/nenryo_anmonia/pdf/20200208_1.pdf(経済産業省HP)

Q. アンモニアのエネルギーとしての利用先について教えてください。(220514)

A. 燃料としてのアンモニアは、「燃焼時にCO2を排出しない」という特性から、CO2排出量削減に役立つ可能性がある次世代エネルギーとして、近年になって注目を集めるようになりました。期待されている用途は、発電分野から、工場などで利用する産業分野、輸送分野まで幅広いものです。
中でも現在もっとも技術開発が進んでいるのが、石炭火力発電のボイラーにアンモニアを混ぜて燃焼させる「火力混焼」です。火力発電のCO2排出量は、日本国内のCO2総排出量の約4割を占めていることから、CO2排出量の少ない「低炭素社会」を実現するためにはその対策が欠かせません。そのための取り組みのひとつが、アンモニアの混焼、そしてその先の専焼なのです。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ammonia_02.html(資源エネルギー庁HP)

Q. アンモニアの基礎知識について教えてください。(220515)

A. アンモニアは常温常圧では無色透明の気体です。みなさんも知っている通り、特有の強い刺激臭があって、毒性があるために「劇物」に指定されています。アンモニアの分子式は「NH3」で、水素(H)と窒素(N)で構成されています。
このアンモニア、昔から肥料として利用されてきたことは知っている人も多いかと思います。今も、化学的に合成されたアンモニアの大半が、肥料の原料として使用されています。
また、アンモニアは、火力発電所が排出する煤(スス)に含まれる、大気汚染物質「窒素酸化物(NOx)」の対策にも利用されています。NOxにアンモニアを結びつけることで化学反応を起こし、窒素(N2)と水(H2O)に還元する「還元剤」として利用するのです。
さらに、アンモニアは化学製品の基礎材料としても利用されています。世界全体でのアンモニアの用途は、その約8割が肥料として消費されていますが、残りの2割は工業用で、メラミン樹脂や合成繊維のナイロンなどの原料となります。世界の人口は現在も増え続けているため、食料確保の必要性から考えても、農産物の肥料として利用されるアンモニアの重要性は今後も変わらないだろうと考えられます。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ammonia_01.html(資源エネルギー庁HP)

Q. アンモニアはCO2削減に大きく貢献しますが、世界市場規模について教えてください(230313)

A. 世界の原料用アンモニア生産は年間約2億トン程度で、貿易量は1割(約2000万トン)しかなく、ほとんどが地産地消されています。日本の原料用アンモニア消費量は約108万トン(2019年)で、うち、国内生産は約8割、約2割についてはインドネシア、マレーシアなどから輸入しています。

 詳しくは
https://www.mlit.go.jp/kowan/content/001418023.pdf(経済産業省HP)

Q. 燃料アンモニア利用によるCO2削減量とアンモニア消費量の関係について教えてください。(230314)

A. 日本の二酸化炭素排出量は約12億トンで、うち電力部門は約4億トンを排出しています。将来的にアンモニア専焼(アンモニア火力発電)へリプレースすることが出来れば電力部門の5割のCO2排出削減が可能となります。石炭火力での20%混焼によっても、電力部門の1割の削減が可能となります。他方、石炭火力1基(100万kW)で年間50万トンの燃料アンモニアが必要となります。(専焼の場合:CO2排出量▲約2億トン / アンモニア必要量約1億トン。20%混焼の場合:CO2排出量▲約4000万トン / アンモニア必要量 約2000万トン)

 詳しくは
https://www.mlit.go.jp/kowan/content/001418023.pdf(経済産業省HP)

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質問文の( )内は登録年月連番を表します。

メタン

Q. メタンも温室効果ガスじゃなかったっけ、製造していいの?(220233)

A.
確かにメタンは温室効果ガスで、地球温暖化係数はCO2の25倍となります。
ただし、ご質問のメタン製造は発電所や工場などから回収したCO2を利用して作るのであれば、すべて燃焼用に使うため、燃焼時に排出されたCO2は回収したCO2と相殺されます。
つまり、大気中のCO2量は増加しません。CO2排出は実質ゼロになるわけです。(カーボンニュートラルメタン)

詳しくは
https://www.nies.go.jp/gio/faq/faq2.html(国立環境研究所HP)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/methanation.html(経済産業省 資源エネルギー庁HP)

Q. カーボンニュートラルメタンとは何?(220234)

A.
ガスについても脱炭素化の動きが加速しています。その方法の一つとして有望視されているのが、CO2と水素から「メタン」を合成する「メタネーション」技術です。
メタンは燃焼時にCO2を排出しますが、メタネーションをおこなう際の原料として、発電所や工場などから回収したCO2を利用すれば、燃焼時に排出されたCO2は回収したCO2と相殺されるため、大気中のCO2量は増加しません。つまり、CO2排出は実質ゼロになるわけです。
こうやって作られたメタンをカーボンニュートラルメタンといいます。

メタネーションが注目されている理由は、ほかにもあります。
都市ガスの原料である天然ガスの主成分はメタンであるため、たとえ天然ガスを合成メタンに置き換えても、都市ガス導管やガス消費機器などの既存のインフラ・設備は引き続き活用できるのです。つまり、メタネーションは「経済効率(Economic Efficiency)」にすぐれており、コストを抑えてスムーズに脱炭素化を推進できると見込まれているのです。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/methanation.html(経済産業省 資源エネルギー庁HP)

Q. 合成メタン/メタネーションの取組みについて教えてください。(220913)

A. メタネーションによる合成メタン燃焼時に排出されるCO2は回収したCO2であるため、カーボンニュ―トラルとみなされます。
合成メタンは既存のLNG・都市ガスインフラを活用することで設備コストを抑えながら脱炭素化を図ることが可能です。
合成メタンの社会実装に向けての課題への取組みを推進するため、様々なステークホルダーが連携してメタネーション推進官民協議会を設置、技術開発、国内および海外ビジネス、ルールなどでアクションプランを作成、取り組んでいます。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/048_05_02.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. 農業・畜産分野で発生するメタンガスの量とその削減策について教えてください。(220914)

A. 日本における2019年度の温室効果ガス排出量12億1200万トンの内、メタンが占める割合は2.3%の2840万トン。メタンを最も多く排出しているのは農業・家畜分野で77%にあたる2190万トンとなっています。わが国では農業・家畜分野におけるメタン排出量を削減するために、メタン発生の少ないイネや家畜の育種、メタンの排出を削減する農地、家畜の管理技術の開発、メタンの削減量を可視化するシステム開発などに取り組んでいます。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/press/files/jp/116118.pdf(環境省HP)
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/GR/attach/pdf/s_win_abs-71.pdf(農林水産省HP)

Q. メタンガス化について基礎知識を教えてください。(220915)

A. 廃棄物系バイオマス(生ごみ、紙ごみ、家畜のふん尿、草木類)の利用用途の一つとしてメタンガス化(バイオガス化)があります。
バイオガスとは、微生物の力(メタン発酵)を使って生ごみ、紙ごみ、家畜のふん尿などから発生するガスのことです。ガスには「メタン」という燃えやすい気体が含まれており、発電などに利用することができます。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/recycle/waste/biomass/whatisbiogass.html(環境省HP)

Q. メタンガス化の特徴と課題を教えてください。(220916)

A. メタンガス化システムの特徴と課題として、環境負荷低減、エネルギー回収、残渣利活用、経済性の向上があげられます。
現在、環境省ではメタンガス化システムの普及を様々な施策を通して後押ししています。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/recycle/waste/biomass/foundation.html(環境省HP)

Q. メタンガス化のシステムについて教えてください。(220917)

A. メタンガス化施設の設備は、廃棄物処理施設設備と資源化物利用施設設備の2つに分類できます。メタン発酵設備は廃棄物処理施設設備であり、処理対象物の固形物濃度によって湿式と乾式に、また発酵温度によって中温発酵方式と高温発酵方式に分けられます。
メタンガス化システムを単体で導入する際は、メタン発酵槽で発生するメタンの有効利用が可能で、発生する残渣を肥料として利用可能です。
また、既存のゴミ焼却施設と合わせてメタンガス化システムを新設する場合(メタンコンバインドシステム)は発生するメタンガスを焼却設備で有効利用が可能です。さらに肥料として利用できなかった残渣の焼却も可能です。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/recycle/waste/biomass/technical.html(環境省HP)

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質問文の( )内は登録年月連番を表します。

CCS、CCUS

Q. 「CCS」「CCUS」とは何ですか?(220235)

A.
「CCS」とは、「Carbon dioxide Capture and Strage」の略で、日本語では「二酸化炭素回収・貯留」技術と呼ばれます。発電所や化学工場などから排出されたCO2を、ほかの気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入するというものです。

「CCUS」は、「Carbon dioxide Capture, Utilization and Strage」の略で、分離・貯留したCO2を利用しようとするものです。
たとえば、米国では、CO2を古い油田に注入することで、油田に残った原油を圧力で押し出しつつ、CO2を地中に貯留するというCCUSがおこなわれており、全体ではCO2削減が実現できるほか、石油の増産にもつながるとして、ビジネスになっています。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccus.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 「CCS(Carbon dioxide Capture and Strage)」について教えてください。(220614)

A. CCSとは、二酸化炭素(CO2)を大量に排出する施設(発電所や工場など)からCO2を分離・回収し、それを地中に圧入して、長期間にわたり貯留することにより、大気中へのCO2排出を抑制する技術です。CCSは、省エネルギー、再生可能エネルギーなどとともに、地球温暖化対策に貢献します。CCSを構成する要素としては以下の3つの要素技術があります。
1. 分離・回収: 工場・発電所などから発生するCO2を含む排ガス等から、CO2を分離・回収する。
2. 輸   送: 分離・回収されたCO2を、貯留地点まで輸送する。
3. 貯   留: 貯留地点まで輸送されてきたCO2を、地下1,000m以上深くにあり、上部を遮へい層で厚く覆われた貯留層に、圧入して、貯留する。

 詳しくは
https://www.japanccs.com/about/(日本CCS調査株式会社HP)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccs_tomakomai.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 「DAC」あるいは「DACCS」とは何ですか?(220413)

A.
ディエーシー 【英】Direct Air Capture [同義]直接空気回収 ダイレクトエアキャプチャー 二酸化炭素直接回収技術 Direct Air Capture and Storage DACS Direct Air Carbon dioxide Capture and Storage DACCS

吸着剤等工学的な手法を用いて大気中のCO2を直接吸収することにより、大気中のCO2を減少させる技術。従来、国際宇宙ステーションのような閉鎖空間で使用されてきたが、これを環境中で行うものである。

現在開発中の技術の例では、ファンを用いて空気を吸着材に通過させ、その後熱を加えてCO2を離脱、回収するシステムで140kg-CO2/日/台のものがある。回収したCO2は温室で使用されているが、これを地中等に貯留すれば大気中から除去されることになる。その他、人工樹木に吸着剤を塗布して、樹木以上にCO2を吸収させる方法などが提案されている。また、回収したCO2は、カーボンリサイクルの場合と同様にコンクリート養生に用いたり、炭酸塩鉱物化させて再利用するなどの研究が行われている。DACの設備製造、導入、運用時に必要なCO2を大幅に上回るCO2の吸収が必要とされることに加え、まだまだコストが高く実用化には問題があり、バイオマスをエネルギーとして使用し、発生するCO2を回収・貯留するBECCSに対する期待が高い。

実用化されれば、パリ協定の1.5℃目標の達成に資することが期待されている。国際エネルギー機関(IEA)の報告書(2021年)では、2050年のネットゼロ排出量を達成するシナリオでは、DACで2030年には9千万トン、2050年には約10億トンのCO2を回収すると想定している。

近年、大気中のCO2を除去・減少させる技術をネガティブエミッションあるいはCDRと呼び、研究が進んでいるが、DACはその一つである。

詳しくは
https://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%C4%BE%C0%DC%B6%F5%B5%A4%B2%F3%BC%FD(環境イノベーション情報機構HP)

Q. 「BECCS」とは何ですか?(220414)

A.
ベックス 【英】Bioenergy with Carbon Capture and Storage [略]BECCS [同義]回収・貯留(CCS)付きバイオマス発電

CCS(CO2回収・貯留)とバイオマスエネルギーを結び付けた技術を指す造語。エネルギー利用のためバイオマスを燃焼させたとき、CO2は排出されるが、バイオマスのライフサイクル全体での排出量は変わらないため、CO2排出量としてカウントしない約束になっている(カーボンニュートラル)。このバイオマス燃焼時のCO2を回収・運搬し、地中に貯留すれば(CCS)、大気中のCO2は純減となる。

BECCSが実用化されれば、パリ協定の21世紀後半にはCO2の排出を実質ゼロにするという長期削減目標に資することが期待されている。近年、大気中のCO2を除去・減少させる技術をネガティブエミッションあるいはCDRと呼び、研究が進んでいるが、BECCSはその代表的なものである。

詳しくは
https://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=4606(環境イノベーション情報機構HP)

Q. CO2の吸収方法と回収コストについて教えて下さい。(220415)

A.
2020年の統合イノベーション戦略推進会議にて、革新的環境イノベーション戦略として2050年までにCO2分離回収コスト1,000円/t-CO2を目指し技術開発を行う。
様々なCO2排出源に対応する分離回収能力を獲得することを目指す、ことが決定されました。
またCO2の吸収方法には、化学吸収法、物理吸収法、固体吸収法、膜分離法などがあります。

詳しくは
https://www.nedo.go.jp/content/100932834.pdf(NEDO HP)

Q. CO2の分離回収設備について教えてください。(220516)

A. 革新的環境イノベーション戦略として、2050年までにCO2分離回収コスト1,000円/t-CO2を目指し技術開発を行う。様々なCO2排出源に対応する分離回収能力を獲得することを目指す。「物理吸収法」、「固体吸収法」、「膜分離法」、「クローズドIGCC」等、様々な分離・回収技術が開発中である。

 詳しくは
https://www.nedo.go.jp/content/100932834.pdf(NEDO HP)

Q. CO2の分離回収の課題と技術開発の事例を教えてください。(220719)

A. 日本は、商用化されている、石炭火力等の高濃度CO2の分離回収プラントでトップシェア。今後は、CO2回収が未着手である天然ガス火力や工場等のより低い濃度(10%以下)のCO2回収への適用に向け、分離回収に必要なエネルギーやコストの低減が課題。新規分離膜の開発例として、セラミックや多孔質炭素繊維、高分子など、 様々な素材を基にした分離膜の開発が進行。 世界最大級の「セラミック製分離膜」や CO2を選択的に透過する「分子ゲート機能」の実現など日本企業に強み。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/gifund/pdf/gif_10_summary_set.pdf(経済産業省HP)

Q. CO2の各種輸送方法とそれぞれの長所、短所について教えてください。(220615)

A. CO2輸送では、分離・回収されたCO2を、地中に圧入する施設まで輸送します。輸送方法には、大量輸送のCO2専用パイプラインやCO2輸送船、少量輸送のタンクローリー車や鉄道コンテナ輸送などがあります。一般的にCO2の輸送コストは、輸送距離が短ければパイプライン輸送が優位となり、長距離輸送では船舶輸送が優位と言われている。これはパイプライン輸送が距離に応じ、設備費、建設費が比較的に増加するのに対し、船舶輸送の場合は輸送距離による影響をあまり受けないためである。日本に於いて、CO2を多く排出する工業地帯などが主に太平洋側の沿岸域にあるのに対し、貯留に適した場所は日本海側に多く位置しています。両者の位置が遠い場合は、パイプラインなどの陸上輸送ではなく、船舶などを使った長距離輸送が必要です。長距離輸送手段を検証するため、現在、舞鶴の石炭火力発電所で分離・回収・液化したCO2を苫小牧まで運ぶ長距離輸送の実証を計画しています。低温・低圧にした液化されたCO2の船舶輸送については、まだ世界で実証されたことがなく、日本では世界に先駆けて2024年の実証開始を目指しています。

 詳しくは
https://www.japanccs.com/business/co2/(日本CCS調査株式会社HP)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccs_tomakomai_2.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 地中に埋めたCO2は、地上に漏れてこないのでしょうか?(220616)

A. 貯留層の選定に際しては、貯留層の上部がCO2を通さない地層(遮へい層)で覆われ、貯留したCO2が長年にわたり漏れないような地層であることが条件となります。貯蓄されたCO2は、地層中の隙間を満たしている地層水に徐々に溶け込み、地層水よりも重くなって下へ沈もうとします。さらに時間が経つと溶けたCO2は岩石との化学反応で鉱物化して安定に地中に留まります。こうした条件の下、貯留されたCO2は2005年に発表されたIPCCの特別報告書によれば、貯留場所を適切に選定し、適正な管理を行うことにより、貯留したCO2のほとんどを1,000年にわたって貯留層中に閉じ込められる可能性が高いとしています。なお、海水中のCO2濃度を定期的に測定し、海底へCO2が漏れていないことを確認しています。

 詳しくは
https://www.japanccs.com/faq_category/ccs/(日本CCS調査株式会社)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccs_tomakomai.html(資源エネルギー庁HP)

Q. CCSをおこなうことで、かえってCO2が排出されることはないのですか?(220617)

A. CCSにともなうエネルギー消費によって、一定量のCO2は排出されますが、苫小牧の施設では省エネ型の分離回収などを実施しているため、CCSにかかわるCO2排出量は圧入量の15%程度となっています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccs_tomakomai.html(資源エネルギー庁HP)

Q. CO2を地下へ貯留することで地震が発生したりはしないでしょうか?(220618)

A. CCSをおこなう場合には、事前に地層の調査や評価をおこない、活断層などが近くにない安定した地層を選定するとともに、その地層が破壊されない圧力条件が維持されていることを確認しながら圧入をおこないます。このように、断層帯を避け、CO2が浸透しやすい地層に、地層を破壊しない条件を維持してCO2を閉じ込めているので、CCSによって地震が誘発されることはないと考えられています。

 詳しくは
https://www.japanccs.com/faq_category/earthquake/(日本CCS調査株式会社HP)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccs_tomakomai.html(資源エネルギー庁HP)

Q. CCSの安全性はどのように確認されているのでしょうか。(220619)

A. 苫小牧でのCCS大規模実証試験では、圧入したCO2が漏れていないか、また地層や海洋に影響しないかについて、①地中に圧入したCO2の温度・圧力の観測、②圧入したCO2の地中での広がりの把握、③貯留地点の周辺における地震発生状況の把握のモニタリングを実施し、その安全を確認しています。また、その結果は、苫小牧市役所に設置した情報公開モニターで常に公開しています。

 詳しくは
https://www.japanccs.com/faq_category/survey/(日本CCS調査株式会社HP)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccs_tomakomai_2.html(資源エネルギー庁HP)

Q. EORとは何ですか?(220517)

A. EORとはEnhanced Oil Recoveryの略で、石油増進回収法と訳される。石油増産・油田延命と二酸化炭素排出抑制対策の一挙両得の夢の技術とされ、米国などで研究開発が進んでいる技術。
油田で自噴する原油は埋蔵原油のごく一部であり、自噴しない原油をさまざまな方法で回収する技術が開発されてきた。本技術は火力発電所で大量に排出される炭酸ガスを回収、パイプラインで輸送し、油田の地下に注入し、その圧力で原油生産を図ろうとするものであり、実用化が期待されている。

 詳しくは
https://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=4382(環境イノベーション情報機構HP)

Q. ネガティブエミッション技術とは何ですか?(220416)

A.
ネガティブエミッション技術とは、DACや生物機能利用と、貯留または固定化等を組み合わせることにより、正味としてマイナスのCO2排出量を達成する技術です。
2050年カーボンニュートラルを達成するためには、どうしても避けられないGHG排出を吸収するネガティブエミッション技術が不可欠となります。

詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/green_innovation/pdf/005_06_00.pdf(経済産業省HP)

Q. 苫小牧におけるCCUS実証施設とは何?(220417)

A.
2018年7月3日に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」に基づく2020年頃のCO2回収・有効利用・貯留(CCUS)技術の実用化を目指した研究開発として、本事業では、CO2大規模貯留実証試験を通した、貯留を安全に実施するためのモニタリング技術の開発を実施するとともに、大規模CO2排出源からのCO2を低コストで分離・回収する技術開発や、CO2有効利用など関連する技術の調査等を行います。また、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」に基づいたCCS・CCU/カーボンリサイクルの2030年以降の社会実証に向けた技術開発として、分離回収したCO2を貯留地に輸送する実証試験を実施し、CO2分離・回収から輸送、貯留、有効利用及びCCUS技術に関連する調査までを一体的に進めることで、CCU/カーボンリサイクル技術の早期の確立及び実用化を狙います。目標の達成に向け、以下の項目を実施します。
(1)苫小牧におけるCCUS大規模実証試験
製油所から排出されるガスからCO2(年間約10万トン規模)を分離・回収し、地中(地下1,000m以深)に貯留するCCS実証試験を行います。試験では、〔1〕年間約10万トン規模でのCO2分離・回収設備の運転、〔2〕年間約10万トン規模でのCO2圧入、貯留試験、〔3〕貯留したCO2のモニタリング試験を実施します。また、CO2の長距離・大量輸送と低コスト化につながる輸送技術として、液化CO2の船舶輸送技術を確立するとともに、CO2の排出源と利用・貯蓄先との連携運用を実現するために必要な実証試験を行います。
(2)安全なCCS実施のためのCO2貯留技術の研究開発
大規模レベルでのCO2貯留の安全な実施に必要な技術の実用化研究を実施します。具体的には、大規模CO2圧入・貯留に係る安全管理技術の開発、大規模貯留層の有効圧入・利用技術の開発、CCS普及条件の整備、基準の整備を実施します。
(3)CO2分離回収技術の研究開発
本事業では、CO2の分離・回収コストを大幅に削減するために以下の実用化研究を実施します。
1)先進的二酸化炭素固体吸収材の石炭燃焼排ガス適用性研究
CO2分離・回収技術の一つである化学吸収法のうち、高効率な回収が可能な「アミンを固体に担持した固体吸収材」について、石炭火力発電所などの実燃焼排ガスを対象としたスケールアップ試験を行い、その適用性を研究します。
2)二酸化炭素分離膜モジュール実用化研究開発
固体吸収材によるCO2分離・回収技術について、石炭火力発電所などの実燃焼排ガスを対象としたスケールアップ試験を行い、石炭燃焼排ガスへの適用性を研究します。
3)二酸化炭素分離膜システム実用化研究開発
火力発電所等で発生するガスからCO2を分離・回収するのに有効な分離膜技術について、実ガスに適用可能なモジュールおよびシステムの実用化研究を行います。また、CO2分離・回収プロセスとCO2利用プロセスの統合を考慮した分離膜技術の研究開発を行います。
(4)CCUS技術に関連する調査
CCUSに関する技術として、CCS・CCU/カーボンリサイクルを実施する地点にてCO2を利用可能とするために、CO2大量発生源から、CO2を分離・回収し集約する技術やシナリオの調査等を実施するとともに、国内外における最新技術動向調査などを実施します。

詳しくは
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100141.html(NEDO HP)

Q. バイオマス由来化学品とは何ですか?(220418)

A.
我が国の化学製品のほとんどは石油由来の原料から製造されている。「エネルギー白書 2017」によれば、石油消費量の約23%を化学品原料として使用するなど、化学産業は化石資源を大量に消費している。また、「日本国温室効果ガスインベントリ報告書」2017年版によれば、化学産業は産業部門(製造業及び建設業)の約 16%、日本全体の約4%の二酸化炭素を排出している。そのため、二酸化炭素が固定化されたバイオマスへ原料転換することで、二酸化炭素の削減を図ることは、温暖化対策や持続可能な低炭素社会の実現の観点からも重要である。バイオマスからの化学品製造の分野には、欧州や米国などでは、多くの公的支援が投入され、活発に研究開発が進められており、将来的に市場が拡大することが予想されている。 バイオマスからの化学品製造とは、バイオマス由来の原料から化学品を製造することを意味し、原料としては、バイオマス由来の糖類や油脂類に加えて、非可食性バイオマス(セルロース、ヘミセルロース、リグニン)が利用され始めている。

詳しくは
https://www.nedo.go.jp/content/100870192.pdf(NEDO HP)

Q. 植物由来のプラスチックについて教えてください。(220802)

A. 現在使われているプラスチックのほとんどは石油などの化石燃料が原料に使われていますが、生分解性プラスチックは植物が主な原料であることから、植物性プラスチックとも呼ばれています。
原料になる植物は、でんぷんが多く含まれるトウモロコシ、サツマイモ、ジャガイモ、サトウキビなどです。生分解性プラスチックをつくるには、まず、微生物の力で、でんぷんを発酵させて「乳酸」を作ったあと、化学合成で「ポリ乳酸」をつくり、「ポリ乳酸」を成形して製品にします。生分解性プラスチックは、土などにうめられると、微生物が水と二酸化炭素に分解します。
生分解性プラスチックは、現在、釣り糸や漁業用の網、農作業用のシートなど、環境に放置されると回収しにくいものなどを中心に実用化されています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/chemical_wondertown/labo/page01.html(経済産業省HP)

Q. 光触媒って何ですか?(220518)

A. NEDOと人工光合成化学プロセス技術研究組合(ARPChem)は、信州大学、山口大学、東京大学、産業技術総合研究所と共同で、紫外光領域ながら世界で初めて100%に近い量子収率(光子の利用効率)で水を水素と酸素に分解する粉末状の半導体光触媒を開発しました。これまでに開発された光触媒では量子収率が50%に達するものはほとんど報告されておらず、画期的な成果といえます。

半導体光触媒における太陽光エネルギー変換効率の改善には、光触媒が吸収する光の波長範囲を拡大することと量子収率を高めることの大きく2つがありますが、今回の開発では後者を最大化する画期的な触媒設計指針を見出しました。従来の光触媒の課題であった収率低下要因をほぼ完全に抑えることに成功し、さらにその触媒の構造、機能、調製方法などを明らかにしました。

今回の光触媒設計指針を応用することにより、さらなる太陽光エネルギー変換効率の向上が期待でき、ソーラー水素製造技術の実用化に貢献します。今後も光触媒や人工光合成プロセス全体のさらなる効率向上を目指します。

 詳しくは
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101311.html(NEDO HP)

Q. 人工光合成とは何ですか?(220410)

A.
「人工光合成」は、化石燃料からの脱却など、脱炭素化を実現するためのキーテクノロジーです。理科の授業で習ったように、「光合成」とは、植物が、太陽エネルギーを使ってCO2と水から有機物(でんぷん)と酸素を生み出す働きのことです。「人工光合成」はこれを模したもので、CO2と水を原材料に、太陽エネルギーを活用する形で化学品を合成する技術です。
人工光合成の鍵となるのは、日本が国際的に強みを持つ「触媒技術」で、プラスチックなどの原料になる「オレフィン」を合成する例について紹介します。
人工光合成では、まず、「光触媒」と呼ばれる、光に反応して特定の化学反応をうながす物質を使います。この光触媒は、太陽光に反応して水を分解し、水素と酸素を作り出します。次に、「分離膜」を通して水素だけを分離し、取り出します。最後に、取り出した水素と、工場などから排出されたCO2とを合わせ、化学合成をうながす「合成触媒」を使ってオレフィンを作ります。
この技術により「CO2の固定化」を通じて脱炭素化の実現に大きく貢献すると期待されています。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/jinkoukougousei.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 合成燃料とは何ですか?(220301)

A. 合成燃料は、CO2(二酸化炭素)とH2(水素)を合成して製造される燃料です。複数の炭化水素化合物の集合体で、 “人工的な原油”とも言われています。

原料となるCO2は、発電所や工場などから排出されたCO2を利用します。将来的には、大気中のCO2を直接分離・回収する「DAC技術」を使って、直接回収されたCO2を再利用することが想定されています。CO2を資源として利用する「カーボンリサイクル」に貢献することになるため、「脱炭素燃料」とみなすことができると考えられています。

もうひとつの原料である水素は、製造過程でCO2が排出されることがない再生可能エネルギー(再エネ)などでつくった電力エネルギーを使って、水から水素をつくる「水電解」をおこなうことで調達する方法が基本となります。

なお、再エネ由来の水素を用いた合成燃料は「e-fuel」とも呼ばれています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/gosei_nenryo.html(資源エネルギー庁HP)

Q. e-fuelについて教えてください。(220801)

A. CO2(二酸化炭素)とH2(水素)を合成して製造される合成燃料のうち、特に、再エネ由来の水素を用いた合成燃料は「e-fuel」とも呼ばれています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/gosei_nenryo.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 経済産業省が合成燃料で協議会を立ち上げたと聞きました。詳しく教えてください。(221017)

A. 2022年9月16日に第1回 合成燃料(e-fuel)の導入促進に向けた官民協議会が開催されました。
合成燃料の商用化に向けては、技術面・価格面の課題に加え、認知度向上のための国内外への発信や、サプライチェーンの構築、CO2削減効果を評価する仕組みの整備等の課題に対応するため、官民が一体となって取り組んでいくことが重要です。
これらの議論を加速させるため、「合成燃料(e-fuel)の導入促進に向けた官民協議会」が設立されました。また、それぞれの課題について専門的な議論を行う場として同協議会の下に、「商用化推進WG」、「環境整備WG」が設置され、検討を行っていくことになりました。
「商用車WG」では、モビリティ分野(自動車・航空機・船舶)を中心とした合成燃料の商用化に向けたロードマップの策定、サプライチェーン構築の検討・実証などの検討を進め、「環境整備WG」では、CO2削減効果を評価する仕組みの整備や 合成燃料の導入促進につながる枠組み(GXリーグ等)の活用などの検討を推進します。
検討結果については、総合資源エネルギー調査会等にも共有し、必要な政策の検討へとつなげていくことになります。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/e_fuel/pdf/001_03_00.pdf(経済産業省HP)

Q. CO2を素材や燃料として再利用する「カーボンリサイクル」 について教えてください。(230315)

A. 分離・回収されたCO2の利用として、これまで一般的なのは「EOR(原油増進回収技術)」と呼ばれる手法への利用や、ドライアイスや溶接などに直接利用する方法があります。しかし、こうした方法だけでは、利用されるCO2の量は限られてしまいます。そこで、CO2を“資源”ととらえ、素材や燃料に再利用することで大気中へのCO2排出を抑制する、そのために世界の産学官連携のもとで研究開発をおこないイノベーションを進めていこうとする取り組みが、経済産業省が提唱する「カーボンリサイクル」です。CO2の利用先としては、①化学品、②燃料、③鉱物、④その他が想定されています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/carbon_recycling.html(資源エネルギーHP)

Q. カーボンリサイクルのために必要な技術の現状と課題について教えてください。(230411)

A. 経済産業省は、各々の技術の現状を把握し、理解・認識を共有することで、研究開発が効果的かつスピーディーに進むようにするため、各分野で研究開発が必要な技術的な課題を整理した「カーボンリサイクル技術ロードマップ」を、2019年6月に公表しています。ロードマップでは、2030年頃までを「フェーズ1」とし、カーボンリサイクルに役立つあらゆる技術について開発を推進し、2030年以降、2050年頃までは「フェーズ2」として、CO2利用の拡大を狙います。2050年以降のフェーズ3では、さらなる低コスト化に取り組みます。多くの技術において、安価なCO2フリー水素は必須です。現在は主に天然ガスから水素を生成していますが、生成にはエネルギーが必要となってしまいます。また、CO2を分解したり結合したりするためにも、エネルギーは必要となります。しかし、エネルギーをつくるためにCO2を排出してしまっては意味がありません。そのため、カーボンリサイクルでは、CO2排出量が実質ゼロの電気「ゼロエミッション電源」を活用してCO2フリーの水素をつくることが重要となります。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/carbon_recycling.html(資源エネルギーHP)

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森林吸収など

Q. 森林はどのぐらいの量の二酸化炭素を吸収しているの?(220314)

A.
樹木が吸収し蓄積する二酸化炭素の量は一本一本異なっています。例えば、適切に手入れされている36~40年生の スギ人工林は1ヘクタール当たり約302トンの二酸化炭素(炭素量に換算すると約82トン)注1を蓄えていると推定されます。
また、この36~40年生のスギ人工林1ヘクタールが1年間に吸収する二酸化炭素の量は、約8.8トン(炭素量に換算すると約2.4トン)と推定されます。

詳しくは
https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/ondanka/20141113_topics2_2.html(林野庁HP)

Q. 土壌改良による排出枠販売って何?(220228)

A.
土壌改良によって大気中の二酸化炭素を吸収できる量を増やし、大気中から減る分を排出枠として販売するビジネスです。
特定のバイオ炭の施用は炭素を貯留し、一部の土壌の種類/気候において土壌の状態を改善しうるとされています。

詳しくは
https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/kikaku/kankyo/04/pdf/data3.pdf(農林水産省HP)

Q. カーボンニュートラルLNGとは何ですか? (220419)

A.
天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスを、CO2クレジットで相殺(カーボン・オフセット)し、燃焼させても地球規模ではCO2が発生しないとみなすLNGのことです。現在、大手ガス会社が輸入し、供給を行っています。

詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/sho_energy/pdf/031_07_00.pdf(経済産業省HP)

Q. 植物油の燃焼で発生するCO2は除外なの?(220302)

A. 植物油に限らず、光合成によりCO2を吸収して成長するバイオマス資源を燃料とした発電は「京都議定書」における取扱上、CO2を排出しないものとされています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/biomass/index.html(資源エネルギー庁 HP)

Q. バイオジェット燃料の原料となる微細藻類とは何ですか?(220519)

A. 微細藻類には成長の過程において油脂などを蓄える種があり、培養後に回収した微細藻類から油脂などを抽出し改質することにより純バイオジェット燃料を製造することができます。特に微細藻類は光合成により二酸化炭素を吸収することからカーボンリサイクル技術の一つとして位置づけられており、将来のバイオジェット燃料需要への対応における大量培養について検討が推進されています。

 詳しくは
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101363.html(NEDO HP)

Q. ブルーカーボンとは?(220520)

A. 2009年10月に国連環境計画(UNEP)の報告書において、藻場・浅場等の海洋生態系に取り込まれた(captured)炭素が「ブルーカーボン」と命名され、吸収源対策の新しい選択肢として提示。ブルーカーボンを隔離・貯留する海洋生態系として、海草藻場、海藻藻場、湿地・干潟、マングローブ林が挙げられ、これらは「ブルーカーボン生態系」と呼ばれる。
ブルーカーボン生態系による隔離・貯留のメカニズムは、大気中のCO2が光合成によって浅海域に生息するブルーカーボン生態系に取り込まれ、CO2を有機物として隔離・貯留する。また、枯死したブルーカーボン生態系が海底に堆積するとともに、底泥へ埋没し続けることにより、ブルーカーボンとしての炭素は蓄積される。岩礁に生育するコンブやワカメなどの海藻においては、葉状部が潮流の影響により外洋に流され、その後、水深が深い中深層に移送され、海藻が分解されながらも長期間、中深層などに留まることによって、ブルーカーボンとしての炭素は隔離・貯留される。

 詳しくは
https://www.mlit.go.jp/kowan/kowan_tk6_000069.html(国土交通省HP)

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鉄鋼関連

Q. 鉄鋼業の地球温暖化対策について教えてください。(230213)

A. 現在、カーボンニュートラル行動計画フェーズⅡにおいて、技術的に確立されたBAT(Best Available Technologies:利用可能な最善の技術)最大導入を軸とした取組が行われています。
鉄鋼業では2030年度のエネルギー起源CO2排出量(総量)を2013年度比30%削減の目標達成に向け、
・省エネの推進 ・廃プラスチックの活用 ・革新的技術の導入 ・CO2削減に資する原燃料活用等の取組が行われています。
また、外生要因ですが、購入電力排出係数改善も挙げられています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/sho_energy/kojo_handan/pdf/2022_004_04_05.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. 鉄鋼業のCO2排出量について教えてください。(240307)NEW

A. 世界的な課題である「カーボンニュートラル」の実現に向けては、エネルギーをクリーンにするだけでなく、CO2 の主要な排出源である産業の脱炭素化が非常に重要です。製造業はCO2 排出量が大きく、日本でも国内の部門別排出量の3分の1を占めています。さらに、日本の製造業のうち、業界別CO2 排出量を見ると、鉄鋼業が3分の1と大きな割合を占めています。日本だけでなく世界的にも、「鉄鋼業は脱炭素化を実現するための大きなカギである」という意識が強まっています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/green_steel_01.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 鉄鋼業におけるカーボンニュートラル実現に向けての複線的アプローチの内容について教えてください。(240308)NEW

A. 生産性が高く、エネルギー効率に優れる高炉を有効活用し、水素を用いて鉄鉱石を還元するとともに、高炉排ガスに含まれるCO2 を分離・回収し、還元剤に転換して活用することにより、製鉄プロセスで発生するCO2 排出を削減することができる技術を開発する。また、2050 年までの「ゼロカーボン・スチール」の実現を見据え、水素だけで鉄鉱石を還元できる「水素直接還元法」の実現に向けた基礎技術(例えば、①鉄鉱石の還元に必要な炉内熱補償技術、②原料に含まれる不純物を除去する技術、③還元鉄の溶解に不可欠な電炉の高度化技術等)を確立する。さらに、高炉法に比べ生産時のCO2 排出量を抑えることのできる電炉の大型化に伴う技術制約の克服により、生産コストを削減し競争力を高めつつCO2 削減を実現することです。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/energy_structure/pdf/003_02_00.pdf(経済産業省HP)

Q. グリーンスチールの市場規模について見通しを教えてください。(230412)

A. IEAは、製造工程のCO2排出量が実質ゼロである「グリーンスチール」の市場が、2050年時点で約5億トンになり、2070年にはほぼグリーンスチールに替わると予測しています。5億トンの内訳は、100%水素還元製鉄が2.1億トン/年、CCUSを活用した直接還元製鉄が0.4億トン/年、CCUSを活用した次世代溶融還元炉が2.0億トン、CCUSを活用した次世代高炉が0.5億トン/年とされています。従って、グリーンスチールの市場シェアを獲得するためには、日本鉄鋼業が水素還元製鉄等の革新技術を世界に先駆けて確立することが不可欠です。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/energy_structure/pdf/010_04_00.pdf(経済産業省HP)

Q. 立ち上がりつつあるグリーンスチールの市場について教えてください。(240309)NEW

A. 製造時のCO2排出量を従来の鉄鋼より大幅に削減した、いわゆる「グリーンスチール」のマーケットは拡大すると見込まれており、IEA(国際エネルギー機関)の報告書によれば、2030年までに世界で1億トン、世界粗鋼生産の約5%まで成長する可能性があるとされています(詳しくは、カーボンニュートラルWG Q&Aの「グリーンスチールの市場規模について見通しを教えてください。(230412)」を参照ください)。
 各国の大手鉄鋼メーカーは、そうした、いわゆるグリーンスチールについて、さまざまな形で提供を始めつつあります。日本でも、日本製鉄、神戸製鋼、JFEスチールなどの鉄鋼メーカーが供給について発表しています。欧米の大手鉄鋼メーカーも同様に対応を進めており、マーケットが立ち上がりつつあります。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/green_steel_01.html(資源エネルギー庁HP)

Q. グリーンスチールの市場規模の見通しと経済効果について教えてください。(240310)NEW

A. IEAは、製造工程のCO2排出量が実質ゼロである「グリーンスチール」の市場が2050年時点で約5億トンとなり、2070年にはほとんどがグリーンスチールに代替されると予測しています。また、グリーンスチールの経済波及効果は、2050年までに約40兆円/年といわれています。(グリーンスチール最大生産量5億トン×平均鉄鋼価格8万円/トンを前提)。本市場を獲得するためには、日本鉄鋼業が水素還元製鉄等の超革新技術を世界に先駆けて確立することが不可欠です。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/energy_structure/pdf/003_02_00.pdf(経済産業省HP)

Q. グリーンスチールの市場拡大における技術開発以外の課題を教えてください。(240311)NEW

A. 水素還元技術等の革新技術が確立し実用化された場合、水素や再エネの活用によって製造コストの増加が見込まれます。企業が脱炭素化プロセス投資を回収するための適切な対価設定を行い、革新技術の確立後も鉄鋼業が競争力を確保していくことが重要です。そのためには、需要家が「グリーンスチール」に価値を見出せるよう、国際的なルールメイキングが不可欠となります。ここ1~2年、鉄鋼業の脱炭素化を図る国際的なイニシアティブ(構想・計画)があちこちで立ち上がり、世界鉄鋼協会によると、現在、その数は30以上にものぼりますが、いくつかのイニシアティブで議論となっているのが、

①CO2の測定手法
 CO2の排出量をどのように計測するのか
②CO2排出量が低い鉄鋼(いわゆるグリーンスチール)の定義
 何をもってCO2が低い鉄鋼と言うのか
の2点についてです。

一例として、我が国は、鉄鋼製品のリサイクル効果を含めた環境負荷計算法の国際規格化を提案しています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/energy_structure/pdf/003_02_00.pdf(経済産業省HP)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/green_steel_01.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 高炉に比べて 電炉は 脱炭素って言われるけど何で?(220236)

A.
電炉は鉄スクラップを主な原料とするため、製鋼工程で発生するCO2排出量が高炉と比べ少なく、一般に高炉法では1トンの粗鋼を製造するのに約2トンのCO2を排出しますが、電炉法では約0.5トンと言われています。
高炉には鉄鉱石とともに、製鉄用では原料炭と呼ばれる石炭を蒸し焼きにしたコークスを還元剤として投入するため、この還元時にCO2が発生します。
一方、電炉法では電力起因のCO2排出量に左右されるので、グリーン電力であれば「脱炭素」と言えます。

詳しくは
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcombsj/53/164/53_97/_pdf/-char/ja(日本燃焼学会誌 連載講座)
https://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16583(環境省HP)

Q. 水素還元製鉄とは何?(220237)

A.
「高炉法」と「直接還元法」の大きく二つに分かれます。
「高炉法」は高炉に水素を直接吹き込み還元する方法「COURSE50」と高炉の排ガスから分離・回収したCO2と、水素を反応させてメタンを生成し、それを高炉に吹き込んで還元剤として活用する「カーボンリサイクル」を想定しています。
「直接還元法」とは、天然ガスを使用して鉄鉱石を固体のまま還元し、そのあとで電炉に移して溶解をおこなう方法です。コークスを使わないため、高炉よりもCO2の発生を低く抑えることができる方法ですが、還元に水素を用いることで、さらなるCO2 の削減を目指します。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/suiso_seitetu.html(経済産業省 資源エネルギー庁HP)

Q. COURSE50って何?(220238)

A.
「CO2 Ultimate Reduction System for Cool Earth 50」の略です。「水素活用還元プロセス技術」あるいは「革新的製鉄プロセス技術開発」と称されます。
「COURSE50」は製鉄プロセスの高炉を使う工程に関して、低炭素化を図ろうとするものです。「COURSE50」は、以下の2つの技術で構成されています。
①「高炉水素還元技術」
石炭を蒸し焼きにしてコークスにする時、そこから排出されるガスの中にはメタン(CH4)も含まれています。このメタンから水素(H)を取り出して、高炉に投入するコークスの役割の一部を代替させます。つまり、水素(H)を、鉄鉱石「Fe2O3」の酸素「O」と結びつけて水(H2O)を作ることで、鉄鉱石から酸素をとりのぞく「還元」をおこなうわけです。
②「CO2分離回収技術」
水素で「還元」を一部代替させるとはいえ、高熱で燃焼させるためにも高炉へのコークスの投入はやはり必要です。しかしそうすると、前述した通り、「還元」でCO2が発生してしまいます。そこで、高炉が排出するガスの中からCO2を分離し、回収します。また、この分離工程には、製鉄所内で使われずに廃棄されている低温の熱エネルギー(未利用低温排熱)を利用します。
このように、「COURSE50」が実現できれば、製鉄プロセスの高炉を使う工程において低炭素化を図ることができるのです。
COURSE50により、CO2▲30%を目指しています。(高炉で▲10%+CCS▲20%)

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/course50.html(経済産業省 資源エネルギー庁HP)
https://www.course50.com/technology/technology01/((社)日本鉄鋼連盟HP)
https://www.course50.com/technology/technology02/((社)日本鉄鋼連盟HP)
https://www.course50.com/technology/technology03/((社)日本鉄鋼連盟HP)

Q. Super COURSE50って何?(220239)

A.
前述の「COURSE50」に加え、外部からの加熱水素の大量吹込みにより水素還元率の向上、さらに直接還元鉄の投入、CCUSの最大限活用でカーボンニュートラルを目指すものです。

詳しくは
https://www.challenge-zero.jp/jp/casestudy/218(経団連 チャレンジゼロ 特設ウェブサイト)

Q. グリーンイノベーション基金事業で採択された「製鉄プロセスでの水素活用プロジェクト」について教えてください。(220241)

A.
製造過程でCO2を多く排出する鉄鋼業の脱炭素化へ向け、「製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト」(予算総額1935億円)に着手するものです。
高炉でより多くの水素を活用する技術や直接還元炉で低品位鉄鉱石を活用できる水素還元技術など、製鉄プロセス全体から化石燃料の使用量を削減し、CO2排出量を2030年までに50%以上削減可能にする技術の開発を目指します。

詳しくは
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101503.html(NEDO HP)
https://www.nedo.go.jp/koubo/EV3_100237.html(NEDO HP)

Q. 高炉法にて、水素による鉄鋼製造の課題について教えてください。(220620)

A. (1) 水素で還元すると冷えてしまう
  従来の石炭による鉄鉱石の還元反応は発熱反応なので、反応が進むと鉄が溶けて出てくる、大変都合の良い反応です。一方、水素による鉄鉱石の還元は吸熱反応と言って、熱を必要とする反応なので、水素を加熱しないと反応が進みません。 爆発性のある水素ガスを大量に高温に加熱する技術はこれまで世の中のどこにもない技術で、非常にハードルの高い技術開発が求められます。

(2) 従来の鉄鋼製造法では作れない。
  現在の鉄鋼製造は、「高炉」と呼ばれる高さが100メートル位ある巨大な反応炉を用いて行われます。高炉に鉄鉱石と石炭を交互に積層し、下から高温空気を送風すると高炉内で還元反応が起こり、鉄鋼が製造され、CO2が排出されます。この際、石炭は燃えるのではなく、鉄鉱石の還元反応の原料として作用しますが、それとともに鉄鉱石を固体として支え、高炉内の通気性を維持するという重要な役割も果たしています。 一方、石炭を水素ガスに置き換えた場合、水素は気体なのでこの固体の支えがなくなってしまいます。従来の高炉法に水素を入れることは石炭を減らすことになるため、高炉に水素を入れる量には限界があります。
  高炉法はエネルギー効率、生産性共に非常に優れた鉄鉱石還元法で、数百年の歴史があり、世界の鉄鋼生産の大部分がこの方法で行われています。また、極めて巨大な反応炉で、その製造には何百億円もの費用がかかるため、従来の高炉を生かしつつ、ぎりぎりどこまで水素を入れられるかが技術上の大きな課題になります。

(3) 大量の安価カーボンフリー水素が必要
  石炭は炭鉱を掘れば出てきますが、水素ガスは地球上にはほとんど存在せず、人為的に作る必要があります。しかし、水素の利用はこれまで一部の産業に限られているため、現在、大量の水素を広範囲に供給する社会基盤はほとんどありません。 また、水素製造はこれまではほとんどが化石燃料から作られており、水素製造時にもCO2が発生しています。ゼロカーボン・スチールのために使う水素は、その製造時にもCO2を出さない水素(カーボンフリー水素)でないと最終的には意味がありません。 さらに、鉄鋼は世の中のあらゆる場所で大量に使用されている基礎素材であるため、その製造に必要な水素も安価であることが求められます。 つまり、ゼロカーボン・スチールの実現には、大量の安価カーボンフリー水素の供給という社会インフラの整備も不可欠です。

 詳しくは
https://www.zero-carbon-steel.com/about/(日本鉄鋼連盟HP)

Q. 主に高炉法にて、ゼロカーボン・スチール(CO2排出ゼロの鉄鋼)実現に向けて進めるべき技術開発について教えてください。(220621)

A. 鉄鋼分野に関する技術開発としては、
・COURSE50・・所内水素利用による高炉内の水素還元比率アップ、高炉ガスからのCO2分離
・Super COURSE50・・外部水素利用による高炉によるさらなる水素還元率アップ
・水素還元製鉄・・石炭を利用しない水素還元製鉄
・CCU・・副生ガスからのカーボンリサイクル
・CCS・・副生ガスからのCO2回収

社会共通基盤としての技術開発としては、
・カーボンフリー電力・・脱炭素電源(原子力、再生可能、化石+CCS)、次世代電力系統、電力貯蔵等
・カーボンフリー水素・・低コスト・大量水素の製造・輸送・貯蔵技術開発
・CCU/CCS・・CO2分離貯留・利用技術開発
があげられます。

 詳しくは
https://www.zero-carbon-steel.com/(日本鉄鋼連盟HP)

Q. 鉄鋼業のカーボンニュートラルに向けた国内外の動向等について教えてください。(221018)

A. 2022年9月12日に経済産業省 製造産業局が公表した資料によると

我が国の鉄鋼業は、日本経済・地域経済の基幹産業として、中国の伸長をはじめ厳しい国際競争に晒される中、高い競争力を有する生産体制を構築。自動車など川下産業への質の高い素材供給を通じて様々な産業の競争力の基盤として大きな役割。
鉄鋼分野におけるカーボンニュートラルの実現に向け、①高炉法での水素還元、②電炉法の利用拡大、スクラップの利用による生産だけでは鉄鋼需要を満たせないことを踏まえ、③グリーンな鉄源確保のための直接水素還元技術の拡大等、複線的アプローチを追求。
日本は世界に先駆けて水素還元製鉄の技術開発を開始したが、海外も着々とカーボンニュートラルに向けた取り組みに着手。
長期的なイノベーションを推進していくとともに、トランジション期間の設備投資や標準化などの戦略的な国際ルール形成により、グリーン市場の創設に向けた取組を官民一体となって進めることが重要。

とのことです。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/energy_structure/pdf/010_04_00.pdf(経済産業省HP)

Q. 改正省エネ法における鉄鋼業の非化石転換の定量目標の目安について教えてください。(230214)

A. 2022(令和4)年12月23日 資源エネルギー庁主催の第4回工場等判断基準WGで議論されました。
主要5業種の2030年度における非化石目標の目安案が示されました。

その案によると、
鉄鋼業(高炉)では粗鋼トンあたり石炭使用原単位を、2030年度において2013年度比2.0%削減する。
鉄鋼業(普通鋼電炉・特殊鋼電炉)では2030年度における、使用電気全体に占める非化石電気の割合を59%とする。(外部調達分と自家発電分を合わせた数字)となっています。
今後、2023年2月の省エネ小委員会を経て、2023年4月1日より改正省エネ法が施行される予定です。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/sho_energy/kojo_handan/pdf/2022_004_03_00.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. 改正省エネ法における鉄鋼業(高炉)の非化石転換の定性目標の目安について教えてください。(230215)

A. 高炉では、2050年カーボンニュートラルに向けた取組みとして
・高炉を用いた水素還元製鉄設備や水素による直接還元製鉄の導入
・製造工程において発生する二酸化炭素を活用した合成燃料等の使用割合向上
・大型電炉の実用化を進めるとともに、非化石電気の使用割合の向上
を定性目標の目安としています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/sho_energy/kojo_handan/pdf/2022_004_04_05.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. 改正省エネ法における鉄鋼業(電炉)の非化石転換の定性目標の目安について教えてください。(230216)

A. 特殊鋼電炉、普通鋼電炉では、2050年カーボンニュートラルに向けた取組みとして
・電気炉におけるバイオコークス及び通常利用が困難である廃タイヤ等の活用
・加熱炉等における非化石燃料バーナー(水素バーナー等)の活用
等を定性目標の目安としています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/sho_energy/kojo_handan/pdf/2022_004_04_05.pdf(資源エネルギー庁HP)

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その他

Q. カーボンニュートラルって個人として何をすればいいの?(220242)

A.
日本は、「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」(2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること)を目指しています。
この高い目標の達成に向けて、社会の仕組みを大きく変えていくことに加えて、日常生活の中で、一人一人のライフスタイルに合わせて、できることがあります。
それらを「ゼロカーボンアクション30」としてまとめ、日常生活における30の脱炭素行動と暮らしにおけるメリットを明らかにしています。
暮らしを脱炭素化することで、快適やおトクといったメリットにつながることもあります。

詳しくは
https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/topics/20210826-01.html(環境省HP)

Q. カーボンニュートラルに向けたトラック業界の認識と課題について、教えてください。(220404)

A. 経済産業省主催の第2回 カーボンニュートラルに向けた自動車政策検討会(令和3年3月26日開催)での全日本トラック協会のプレゼン資料によると、個々の事業者が脱炭素化に直接的に寄与できるのは、エコドライブの推進、環境性能の高い車両の導入、輸送効率化の推進が主要な対策。

温室効果ガス排出を2050年までにゼロにするという目標については賛成。
電気トラック等の次世代自動車の市場への普及が図れれば、積極的に導⼊を推進し、業界として運輸部門の排出量低減につとめていく。

そのために最も必要なことは
・次世代車両の価格低減
・燃料充填(充電)スタンドの設置数増加と燃料(電気)料金の低減
・次世代車両導⼊へのインセンティブ拡充(税制、道路利用料・・・・)などであり、

そのため
・車両導⼊、スタンド整備に対する補助・助成制度の拡充
・次世代車両等に対する優遇税制の拡充
・円滑な普及に向けての総合的な対策を政府に要望しています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/carbon_neutral_car/pdf/002_09_00.pdf(経済産業省HP)

Q. 主要国がCO2を1トン削減するのに必要な費用について教えてください。(220706)

A. 地球環境産業技術研究機構(RITE)の試算によると、目標達成に最終的に必要となる二酸化炭素(CO2)を1トン削減する費用は、日本が452ドルと主要国では最も高い。続いて高いのは英国 438ドル、EU 412ドル、米国 359ドルと続く。ちなみに隣国の韓国は179ドルとされている。

 詳しくは
https://www.rite.or.jp/system/events/5_akimoto_1.pdf(地球環境産業技術研究機構HP)

Q. 環境省が、CO2排出削減の為にGaN((高品質)窒化ガリウム)を利用した事例と成果について教えてください。(220720)

A. 環境省では、高品質窒化ガリウム(GaN)を活用し、社会のあらゆる場面でエネルギー損失を徹底的に減らし、CO2排出削減を達成することを目的に「GaN技術による脱炭素社会・ライフスタイル先導イノベーション事業」を令和3年度まで実施しました。本事業は、社会全体の大幅なエネルギー消費量削減のキーとなる、多種多様な電気機器に組み込まれている各種デバイス(半導体)を高効率化し、徹底したエネルギー消費量の削減によるCO2排出削減を実現する技術イノベーションの創出を目的に実施しました。世界初の窒化ガリウム(GaN)デバイスを用いた超省エネルギー電気自動車「All GaN Vehicle(AGV)」や、従来比20%以上の電力消費量削減を達成した選択型マイクロ波加熱装置(電子レンジ)などの成果を創出しています。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/press/111167.html(環境省HP)

Q. サーキュラーエコノミーについて教えてください。(220804)

A. サーキュラーエコノミー(循環経済)とは、従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すものです。また、循環経済への移行は、企業の事業活動の持続可能性を高めるため、ポストコロナ時代における新たな競争力の源泉となる可能性を秘めており、現に新たなビジネスモデルの台頭が国内外で進んでいます。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r03/html/hj21010202.html(環境省HP)

Q. マイクロEV(超小型モビリティ)とは何ですか?(220813)

A. マイクロEVとは、1~2人乗りの小型電動モビリティのことで、①低速走行による安全性向上、②車体が小さく運転が容易、③ラストマイルの移動手段、④駐車スペースが小さい、④環境負荷低減などの特徴があり、普及促進の意義は大きいとされています。また、カーシェアリングの観点からも期待されています。他方、普及促進には、コスト面や社会受容性、更なる安全性などに課題もあります。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/mobility/pdf/002_03_00.pdf(経済産業省HP)
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000043.html(国土交通省HP)

Q. 自動車の脱炭素化はどのような方法で実現出来ますか?(230413)

A. ひとつには、CASEのうちの「E」にあたる、「電動化」を推進することです。また、燃料をガソリンからバイオ燃料や「合成燃料」(CO2を資源として活用し、水素と組み合わせて製造した燃料)などに置き換える方法も考えられています。「電動化」といってもさまざまな手法が存在します。電気を動力源として使う自動車を「電動車」と呼びますが、動力源の100%が電気である「電気自動車(EV)」のほかにも、ガソリンと電気の両方を使う「ハイブリッド自動車(HV・HEV)」や「プラグイン・ハイブリッド自動車(PHV・PHEV)」、水素を使って電気をつくる「燃料電池自動車(FCV・FCEV)」があります。それぞれに長所と短所があり、たとえば、EVは走行時のCO2排出はゼロですが、コストの高さ、航続距離が短いなどの短所があります。また、搭載する電池の製造過程ではCO2が排出されます。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/xev_2022now.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 持続可能な航空燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)について教えて下さい。(221118)

A. SAFとは、「持続可能性のクライテリアを満たす、再生可能又は廃棄物を原料とするジェット燃料」。燃焼時にCO2排出としてカウントされないバイオマスだけでなく、化石由来の廃プラスチックなども原料になり得る。ただし、化石由来の場合は、CO2削減効果は小さくなる。世界のSAF供給量は、2020年時点で6.3万kL(世界のジェット燃料供給量の0.03%)だが、2050年には4.1億kL~5.5億kL(世界のジェット燃料の90%)が見込まれている。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/content/000044157.pdf(環境省HP)

Q. グリーンイノベーション基金を用いて実施予定の「次世代航空機の開発」について教えて下さい。(230414)

A. カーボンニュートラル社会の実現に向けて、航空機分野においては、SAF(持続可能な航空燃料)と合わせ、機体側としては更なる機体軽量化・エンジン効率化・電動化・水素航空機の開発等を組み合わせた野心的なイノベーションが必要とされています。機体全体の開発は欧米OEMメーカー(ボーイング、エアバス)が主導しますが、我が国としては、既に支援を開始している軽量化や電動化技術に加え、グリーンイノベーション基金において水素航空機のコアとなる技術の技術開発を強力に後押しし、競争力強化を目指しています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/press/2021/07/20210716003/20210716003-1.pdf(経済産業省HP)

Q. 住宅の省エネルギーについて教えてください。(230111)

A. 我が国の家庭のエネルギー消費において、約30%を占めているのが暖冷房ですが、この暖冷房のエネルギー消費を抑えることのできるのが「省エネルギー住宅」です。省エネルギー住宅を実現するためには、断熱、日射遮蔽、気密の3つが対策の柱となります。目指すべき最終の水準は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とされています。これは、外皮の断熱性能を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅のことです。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/index.html(資源エネルギー庁HP)

Q. ZEHについて教えてください。(220814)

A. ZEH(ゼッチ)とは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略称です。快適な室内環境を保ちながら、住宅の高断熱化と高効率設備により、住宅におけるエネルギー消費量を省エネルギー基準から2割以上削減し、さらに再生可能エネルギーを導入することで年間の収支がゼロとすることを目指した住宅です。ZEHのメリットは、①気温の変化が少ないためヒートショックが起きにくく、健康で快適な毎日が送れる。②高断熱、高性能な省エネ機器、創エネで光熱費が安くなる。③晴れた日中は太陽光発電設備で電力確保が可能なので、災害時にも安全・安心です。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/data/zeh_leaflet.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)のメリットについて教えてください。(230112)

A. 導入メリットとしては、1.経済性(高断熱・高効率設備により光熱費を抑制、また、太陽光発電等により売電が可能)。2.快適・健康性(夏は涼しく、冬は暖かい、快適な生活。冬は、急激な温度変化によるヒートショック事故を防ぐ効果もあり) 3.レジリエンス(台風や地震などによる停電時でも、太陽光発電や蓄電池の活用で電気の利用が可能)。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/index03.html(資源エネルギー庁HP)

Q. ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)についての政府の取り組みと進捗について教えてください。(230113)

A. 第6次エネルギー基本計画(2021年10月)での目標は、”2030年度以降新築される住宅は、ZEH水準の省エネルギー性能確保を目指す”、”2030年には新築戸建住宅の6割で太陽光発電を行うことを目指す”というもので、取り組みの結果、2020年のハウスメーカーが新築する注文戸建住宅においては、約56%がZEHとなりました。また、令和4年3月現在、全国のハウスメーカー、工務店を中心に4,722社がZEHビルダー登録を行っています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/index03.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 省エネ・省CO2の住宅について、経済産業省・国土交通省・環境省の3省連携について教えてください。(230114)

A. 戸建住宅は、LCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)、次世代ZEH+、ZEH+、ZEHの4区分があります。集合住宅はZEH‐M(ゼッチマンション)のみです。各々について、各省庁が要件を設定して、支援を行っています。一例として、ZEH+の場合、強化外皮基準で、一次エネルギー消費量が省エネ基準から原則▲100%、また、以下3つのうち2つ以上を実施することが条件(1.断熱性能等級5を超える外皮性能、2.高度エネルギーマネジメント(HEMSなど)、3.電気自動車への充電)。また、ZEHビルダーが設計・建築・販売する住宅であることが条件。ZEH+の場合、1戸あたり定額100万円の補助金が支給されます。更に蓄電システムを設置した場合、2万円/kWh(上限20万円)の補助金も支給されます。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/data/pamp.pdf(資源エネルギー庁HP)

Q. ZEBについて教えてください。(220815)

A. ZEB(ゼブ)とは、「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の略称です。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。建物の中では人が活動しているため、エネルギー消費量を完全にゼロにすることはできませんが、省エネによって使うエネルギーをへらし、創エネによって使う分のエネルギーをつくることで、エネルギー消費量を正味(ネット)でゼロにすることができます。2021年10月に閣議決定された地球温暖化対策計画では、業務部門(事務所ビル、商業施設などの建物)においてエネルギー起源CO2排出量を2013年度比51%削減するといった目標が設定されており、建物でのエネルギー消費量を大きく減らすことができるZEBの普及がカーボンニュートラルの実現に向けて求められています。ZEBのメリットは、①光熱費の削減②快適性・生産性の向上③不動産価値の向上④事業継続性の向上です。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/zeb/about/index.html(環境省HP)

Q. エネルギー政策における原子力の位置付けについて教えて下さい。(221212)

A. 原子力は、運転時にCO2を排出しないことから地球温暖化対策に貢献する電源(電気をつくる方法)であり、すぐれた安定供給性と効率性、また運転コストの低さや燃料価格変動の影響を受けにくいといった特性を持っています。今回の基本計画では、こうした特性をふまえ、「2050年カーボンニュートラル」に向けては、安全性の確保を大前提に、必要な規模を持続的に活用していくことが示されました。それとともに、2050年を見すえた2030年の原子力発電の比率については、電源構成比の20~22%程度と、これまでと変わらない数値が示されています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energykihonkeikaku2021_kaisetu07.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 原子力発電所の再稼働に向けた取り組みについて教えて下さい。(221213)

A. 東京電力福島第一原子力発電所のような重大な事故を二度と起こさないよう、政府として、2012年に独立性の高い原子力規制委員会を設置しました。また、福島第一原子力発事所の事故の教訓をふまえ、IAEA(国際原子力機関)や諸外国の規制基準も考え合わせて、世界でもっとも厳しい水準の新規制基準を2013年に策定しました。原子力発電所の再稼働については、このような高い独立性を持つ原子力規制委員会が科学的・技術的に審査し、新規制基準に適合すると認めた原子力発電所のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら進めていくこととなっています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energykihonkeikaku2021_kaisetu07.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 原子力発電所の再稼働状況について教えて下さい。(230115)

A. 2022年7月現在、再稼働している原子炉は10基あります。また原子力規制委員会から設置変更許可を得た上で、地元自治体が再稼働に理解を表明した原子炉が4基あります。更に設置変更許可を得た原子炉が3基、新規制基準申請中の原子炉が10基あります。エネルギーミックスの実現(第6次エネルギー基本計画における20~22%程度という電源構成比)に向けては、引き続き再稼働に向けた取り組みを進めていく必要があります。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energykihonkeikaku2021_kaisetu07.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 「革新炉」と呼ばれる新しい原子炉の開発状況について教えて下さい。(230116)

A. .「革新軽水炉」:現在の軽水炉に新しい技術を導入した革新軽水炉の開発が進められています。地震や津波などの自然災害へのレジリエンス向上や、航空機衝突・テロ対策などといった安全対策、出力を変動させて自然エネルギーの変動をおぎなうなどの機能向上を追求した炉です。
「高速炉」:現在の原子炉よりも核のゴミを減らすことができ、すぐれた安全性などを持つ炉です。
「高温ガス炉」:日本が試験炉「HTTR」に代表される、世界最先端の技術を持っています。世界最高温度950℃の高温を記録したHTTRの技術を活用すれば、発電だけでなく、同時に水素をつくるコジェネレーションが可能です。高温ガス炉では、たとえば太陽光発電を使って水素を製造した場合と比較すると約1600分の1の敷地面積で、大量かつ天候に左右されず安定的に、カーボンフリーの水素と熱を電気に加えて供給することができます。これによって、鉄鋼や化学などのエネルギーを多く消費するタイプの産業部門においても、2050年に脱炭素化を実現できる可能性があります。
「SMR」:Small Modular Reactor、小型モジュール炉)と呼ばれる新しいタイプの原子炉も注目されています。原子炉が小さいため、設計がシンプルで人的ミスや機器故障などを回避できたり、初期投資コストが小さいなど、小型ならではのさまざまなメリットがあります。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/energykihonkeikaku2021_kaisetu07.html(資源エネルギー庁HP)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/smr_01.html(資源エネルギー庁HP)

Q. エネルギー問題と環境問題を根本的に解決するものと期待される「核融合エネルギー」 について教えてください。(230316)

A. 核融合は、太陽をはじめとする宇宙の星々が生み出すエネルギーの源です。 太陽が誕生したのは46億年前のことですが、今も約1.5億キロメートル先の地球を照らし続けています。 気の遠くなるような長い時間にわたって膨大なエネルギーを生み出し続ける太陽で起きている現象を、人類の手で生み出し、発電等に使用することを目指すのが、核融合エネルギーの研究開発です。このため、「地上に太陽をつくる」研究とも言われています。 核融合エネルギーは、「資源が海水中に豊富にある」、「二酸化炭素を排出しない」といった特徴があり、エネルギー問題と環境問題を根本的に解決するものと期待されています。 また、磁場閉じ込めによる核融合エネルギーの研究開発は、軍事用技術と原理が異なるため、安全保障上の制約が少ないという特徴もあります。このため、東西冷戦下の1985年に行われた米ソ首脳(レーガン=ゴルバチョフ)会談において、平和目的のための核融合研究を国際協力のもとで行うことが提唱され、ITER(イーター)計画が実施されることになりました。

 詳しくは
https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/iter/019.htm(文部科学省HP)
https://www.qst.go.jp/soshiki/155/39177.html(量子科学技術研究開発機構HP)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/fusion/(文部科学省HP)

Q. 新エネルギー開発の超大型国際プロジェクト「ITER」計画について教えて下さい。(230317)

A. ITER(イーター)は、「International Thermonuclear Experimental Reactor (国際熱核融合実験炉)」の略称であり、平和目的のための核融合エネルギーが科学技術的に成立することを実証する為に、人類初の核融合実験炉を実現しようとする超大型国際プロジェクトです。「ITER」はラテン語で道という意味を持ち、核融合実用化への道・地球のための国際協力への道という願いが込められています。ITER計画は、2025年の運転開始を目指し(2016年6月ITER理事会で決定)、日本・欧州・米国・ロシア・韓国・中国・インドの7極により進められています。

 詳しくは
https://www.fusion.qst.go.jp/ITER/iter/page1_1.html(量子科学技術研究開発機構HP)

Q. 欧州の原子力発電の政策は、ウクライナ情勢を受けてどのように変化していますか?(230415)

A. 英国は2022年4月、「エネルギー安全保障戦略」の中で、原子力発電を「唯一の信頼性の高い実証済みの低炭素電源」と言及し、「2050年までに発電割合を現在の15%から25%までに拡大し、現在の約3倍以上となる最大24GWの導入を目指す」としています。フランスは、2022年2月、マクロン大統領が原子力を低減させる目標を撤回し、2050年までに6基の原発(欧州加圧水型炉、EPR)を建設し、さらに8基のEPR2(EPRの改良版)建設に向けた検討を始めると表明しました。ドイツは、2011年の法改正で脱原子力を法制化し、当初の方針では、2022年12月末に最後の3基を閉鎖し、脱原発を完了する予定でしたが、ロシアからのガス供給の懸念が増大したことにより、2022年11月、原発3基の運転を2023年4月15日まで延長することを決定しました。ベルギーは、2022年3月、現在の地政学的な状況や化石燃料からの脱却を強化するため、2025年に40年運転をむかえ閉鎖する予定だった原発2基の運転を、10年間延長する方針を決定しました。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/anzenhosho2023_genshiryoku.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 安全保障の観点から見た原子力発電の有用性とは何ですか?(230416)

A. 現在のエネルギー危機において、原子力発電は安価で低炭素なエネルギーを提供可能であること、また「ベースロード電源」(一定の量の電気を安定的につくりだすことのできる発電方法)であることや、電力系統の変動に対応して需給バランスを維持でき、エネルギーの安定供給に有用です。原子力発電は、燃料の投入量に対して、産出可能なエネルギー量が圧倒的に大きいという特徴があります。たとえば100万kWの電力を生み出す原子力発電を1年間運転すると、21トンの燃料(濃縮ウラン)が必要となる一方で、同じ100万kWの電力量の火力発電を1年間運転すると、天然ガスでは95万トン、石油では155万トン、石炭では235万トンが必要となります。また、国土あたりの平地面積の割合が少ない日本では、面積あたりの発電効率が高いので、一定量の電気をつくるのに必要な面積を抑えられるメリットがあります。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/anzenhosho2023_genshiryoku.html(資源エネルギー庁HP)

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質問文の( )内は登録年月連番を表します。

略称

Q. 「BECCS」とは何ですか?(220414)

A.
ベックス 【英】Bioenergy with Carbon Capture and Storage [略]BECCS [同義]回収・貯留(CCS)付きバイオマス発電

CCS(CO2回収・貯留)とバイオマスエネルギーを結び付けた技術を指す造語。エネルギー利用のためバイオマスを燃焼させたとき、CO2は排出されるが、バイオマスのライフサイクル全体での排出量は変わらないため、CO2排出量としてカウントしない約束になっている(カーボンニュートラル)。このバイオマス燃焼時のCO2を回収・運搬し、地中に貯留すれば(CCS)、大気中のCO2は純減となる。

BECCSが実用化されれば、パリ協定の21世紀後半にはCO2の排出を実質ゼロにするという長期削減目標に資することが期待されている。近年、大気中のCO2を除去・減少させる技術をネガティブエミッションあるいはCDRと呼び、研究が進んでいるが、BECCSはその代表的なものである。

詳しくは
https://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=4606(環境イノベーション情報機構HP)

Q. 「CCS(Carbon dioxide Capture and Strage)」について教えてください。(220614)

A. CCSとは、二酸化炭素(CO2)を大量に排出する施設(発電所や工場など)からCO2を分離・回収し、それを地中に圧入して、長期間にわたり貯留することにより、大気中へのCO2排出を抑制する技術です。CCSは、省エネルギー、再生可能エネルギーなどとともに、地球温暖化対策に貢献します。CCSを構成する要素としては以下の3つの要素技術があります。
1. 分離・回収: 工場・発電所などから発生するCO2を含む排ガス等から、CO2を分離・回収する。
2. 輸   送: 分離・回収されたCO2を、貯留地点まで輸送する。
3. 貯   留: 貯留地点まで輸送されてきたCO2を、地下1,000m以上深くにあり、上部を遮へい層で厚く覆われた貯留層に、圧入して、貯留する。

 詳しくは
https://www.japanccs.com/about/(日本CCS調査株式会社HP)
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccs_tomakomai.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 「CCS」「CCUS」とは何ですか?(220235)

A.
「CCS」とは、「Carbon dioxide Capture and Strage」の略で、日本語では「二酸化炭素回収・貯留」技術と呼ばれます。発電所や化学工場などから排出されたCO2を、ほかの気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入するというものです。

「CCUS」は、「Carbon dioxide Capture, Utilization and Strage」の略で、分離・貯留したCO2を利用しようとするものです。
たとえば、米国では、CO2を古い油田に注入することで、油田に残った原油を圧力で押し出しつつ、CO2を地中に貯留するというCCUSがおこなわれており、全体ではCO2削減が実現できるほか、石油の増産にもつながるとして、ビジネスになっています。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccus.html(経済産業省 資源エネルギー庁HP)

Q. CDPについて教えてください。(220713)

A. CDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)は2000年に設立された国際的な環境非営利組織であり、「人々と地球にとって、健全で豊かな経済を保つ」ことを目的に活動しています。CDPは投資家、企業、自治体、政府に対して働きかけ、それぞれの環境インパクトに関する情報開示を促しています。CDPの情報開示システムは世界経済における環境報告のグローバルスタンダードとなっており、企業や自治体の環境インパクトに関する世界最大のデータセットを保有しています。CDPは情報開示の要請者と回答者の環境データ受け渡しのプラットフォームの運営を行っています。環境に関する3つの質問書(気候変動・水セキュリティ・フォレスト)を作成し、質問書への回答を基にスコアリング(A~D-)を実施しています。2022年、CDPは署名機関からの環境情報開示要請(気候変動分野)の対象日本企業を、東証プライム市場上場企業全社(1841社)に拡大します。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/zeb/news/pdf/20220303_cdp.pdf(環境省HHP)

Q. CFP(カーボンフットプリント)とは何ですか?(221102)

A. CFP(カーボンフットプリント)とは、Carbon Footprint of Products の略称で、商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量を CO2に換算して、商品やサービスに分かりやすく表示する仕組みです。LCA(ライフサイクルアセスメント)手法を活用し、環境負荷を定量的に算定するものです。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sangi/carbon_neutral/pdf/001_04_01.pdf(経済産業省HP)

Q. COPとはどういう意味ですか?(220220)

A. conference of the parties の略で「締約国会議」を意味します。ここでは「国連気候変動枠組条約締約国会議」を指します。
だいたい、毎年1回開催され、COPの次に数字を付けて何回目かの会議を表します。
日本人になじみのあるのは1997年京都で開催されたCOP3で「京都議定書」が定められました。

詳しくは
http://www.env.go.jp/earth/copcmpcma.html(環境省HP)

Q. COURSE50って何?(220238)

A.
「CO2 Ultimate Reduction System for Cool Earth 50」の略です。「水素活用還元プロセス技術」あるいは「革新的製鉄プロセス技術開発」と称されます。
「COURSE50」は製鉄プロセスの高炉を使う工程に関して、低炭素化を図ろうとするものです。「COURSE50」は、以下の2つの技術で構成されています。
①「高炉水素還元技術」
石炭を蒸し焼きにしてコークスにする時、そこから排出されるガスの中にはメタン(CH4)も含まれています。このメタンから水素(H)を取り出して、高炉に投入するコークスの役割の一部を代替させます。つまり、水素(H)を、鉄鉱石「Fe2O3」の酸素「O」と結びつけて水(H2O)を作ることで、鉄鉱石から酸素をとりのぞく「還元」をおこなうわけです。
②「CO2分離回収技術」
水素で「還元」を一部代替させるとはいえ、高熱で燃焼させるためにも高炉へのコークスの投入はやはり必要です。しかしそうすると、前述した通り、「還元」でCO2が発生してしまいます。そこで、高炉が排出するガスの中からCO2を分離し、回収します。また、この分離工程には、製鉄所内で使われずに廃棄されている低温の熱エネルギー(未利用低温排熱)を利用します。
このように、「COURSE50」が実現できれば、製鉄プロセスの高炉を使う工程において低炭素化を図ることができるのです。
COURSE50により、CO2▲30%を目指しています。(高炉で▲10%+CCS▲20%)

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/course50.html(経済産業省 資源エネルギー庁HP)
https://www.course50.com/technology/technology01/((社)日本鉄鋼連盟HP)
https://www.course50.com/technology/technology02/((社)日本鉄鋼連盟HP)
https://www.course50.com/technology/technology03/((社)日本鉄鋼連盟HP)

Q. 「DAC」あるいは「DACCS」とは何ですか?(220413)

A.
ディエーシー 【英】Direct Air Capture [同義]直接空気回収 ダイレクトエアキャプチャー 二酸化炭素直接回収技術 Direct Air Capture and Storage DACS Direct Air Carbon dioxide Capture and Storage DACCS

吸着剤等工学的な手法を用いて大気中のCO2を直接吸収することにより、大気中のCO2を減少させる技術。従来、国際宇宙ステーションのような閉鎖空間で使用されてきたが、これを環境中で行うものである。

現在開発中の技術の例では、ファンを用いて空気を吸着材に通過させ、その後熱を加えてCO2を離脱、回収するシステムで140kg-CO2/日/台のものがある。回収したCO2は温室で使用されているが、これを地中等に貯留すれば大気中から除去されることになる。その他、人工樹木に吸着剤を塗布して、樹木以上にCO2を吸収させる方法などが提案されている。また、回収したCO2は、カーボンリサイクルの場合と同様にコンクリート養生に用いたり、炭酸塩鉱物化させて再利用するなどの研究が行われている。DACの設備製造、導入、運用時に必要なCO2を大幅に上回るCO2の吸収が必要とされることに加え、まだまだコストが高く実用化には問題があり、バイオマスをエネルギーとして使用し、発生するCO2を回収・貯留するBECCSに対する期待が高い。

実用化されれば、パリ協定の1.5℃目標の達成に資することが期待されている。国際エネルギー機関(IEA)の報告書(2021年)では、2050年のネットゼロ排出量を達成するシナリオでは、DACで2030年には9千万トン、2050年には約10億トンのCO2を回収すると想定している。

近年、大気中のCO2を除去・減少させる技術をネガティブエミッションあるいはCDRと呼び、研究が進んでいるが、DACはその一つである。

詳しくは
https://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%C4%BE%C0%DC%B6%F5%B5%A4%B2%F3%BC%FD(環境イノベーション情報機構HP)

Q. ディマンド・リスポンス(DR)とは何ですか?(230103)

A. ディマンド・リスポンス(DR)とは、電力の需要と供給のバランスをとるために、消費者が賢く電力使用量を制御することで、電力需要パターンを変化させることです。これにより、電力の需要と供給のバランスをとることができます。私たちの生活に欠かせない電気を安定して供給するためには、電気をつくる量(供給)と電気の消費量(需要)が同じ時に同じ量になっている必要があります。これらの量が常に一致していないと、電気の品質(周波数)が乱れてしまい、電気の供給を正常に行うことができなくなってしまいます。電力会社は、この電力の需給バランスを一定にするために、あらかじめ作成した発電計画をベースにしつつ、刻々と変動する電力需給に合わせて発電量を変え、供給する電力量を需要と一致させ続ける努力をしています。しかし、電気は貯めることができないため、急な需要の増加に備えて電気をあらかじめ蓄えて用意しておくことはできません。その日その時に使う電気は毎日生産し、必要になった都度供給しなければならないのです。さらに、供給側には、電力需給バランスに急な変動をもたらしてしまうリスク要因が存在しています。たとえば、太陽光や風力など再エネの供給量は、天候などさまざまな条件によって変動しますが、近年の再エネの導入拡大によってこの変動量が増加しています。需要が多い時期には電力需給がひっ迫する一方、需要が少ない時期には供給が過剰になり、再エネ由来の電気が余ることもあります。どこかの発電所や送配電線が急なトラブルで電気を送れなくなり、電力需給バランスを狂わせてしまう場合もあります。こうした状況を背景として、エネルギーの需要側が、供給状況に応じて賢く消費パターンを変化させるDRの重要性が高まっているのです。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electricity_measures/dr/dr.html(資源エネルギー庁HP)

Q. e-fuelについて教えてください。(220801)

A. CO2(二酸化炭素)とH2(水素)を合成して製造される合成燃料のうち、特に、再エネ由来の水素を用いた合成燃料は「e-fuel」とも呼ばれています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/gosei_nenryo.html(資源エネルギー庁HP)

Q. EORとは何ですか?(220517)

A. EORとはEnhanced Oil Recoveryの略で、石油増進回収法と訳される。石油増産・油田延命と二酸化炭素排出抑制対策の一挙両得の夢の技術とされ、米国などで研究開発が進んでいる技術。
油田で自噴する原油は埋蔵原油のごく一部であり、自噴しない原油をさまざまな方法で回収する技術が開発されてきた。本技術は火力発電所で大量に排出される炭酸ガスを回収、パイプラインで輸送し、油田の地下に注入し、その圧力で原油生産を図ろうとするものであり、実用化が期待されている。

 詳しくは
https://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=4382(環境イノベーション情報機構HP)

Q. FIP制度とは?(220406)

A.
FIP制度とは「フィードインプレミアム(Feed-in Premium)」の略称で、FIT制度のように固定価格で買い取るのではなく、再エネ発電事業者が卸市場などで売電したとき、その売電価格に対して一定のプレミアム(補助額)を上乗せすることで再エネ導入を促進する制度です。
FIP制度においては、再エネ発電事業者はプレミアムをもらうことによって再エネへ投資するインセンティブが確保されます。さらに、電力の需要と供給のバランスに応じて変動する市場価格を意識しながら発電し、蓄電池の活用などにより市場価格が高いときに売電する工夫をすることで、より収益を拡大できるというメリットがあります。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/fip.html(資源エネルギー庁HP)

Q. 日本が戦略パートナー国として参画することを発表した「First Movers Coalition」とはどのようなものですか?(220603)

A. First Movers Coalition(FMC)は、COP26において米国政府が世界経済フォーラムと協力して立ち上げたイニシアティブであり、2050年までにネット・ゼロを達成するために必要な重要技術の早期市場創出に向け、世界の主要グローバル企業が購入をコミットするためのプラットフォームです。
日本政府は、2022年5月24日、戦略パートナー国としてのFMCへの参画を発表しました。本参画は、2021年4月に発表された「日米気候パートナーシップ」に基づく協力の成果であり、5月23日に日米首脳会談後に発表された気候パートナーシップのファクトシートにおいて、日米がFMCにおいて更なる協力を進めるとともに、この分野で日本企業の役割を高めることの意思が示されております。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/press/2022/05/20220524001/20220524001.html(経済産業省HP)

Q. ゼロエミ・FIT電源ってなに?(220305)

A.
「ゼロエミ(ゼロ・エミッション)」とは、産業等の活動から発生するものをゼロに近いものにするため、資源の有効活用を目指す理念のことです。
また、FITとは「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のことで、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。FIT制度で買い取られた再生可能エネルギーのことを「FIT電気」といい、電力会社が買い取る費用の一部を電気の利用者から賦課金という形で集め、今はまだコストの高い再生可能エネルギーの導入を支えています。

詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/surcharge.html(資源エネルギー庁 HP)

Q. GMP(グローバル・メタン・プレッジ)とは何ですか? 日本の対応は?(220901)

A. 世界全体のメタン排出量を2030年までに2020年比30%削減することを目標とする米国・EUの共同イニシアティブのことです。COP26で正式に発足しました。
現時点では、削減量の国別目標は求めていません。
日本も参加を表明、すでにメタンの排出量が米国の約23分の1、EUの約15分の1とすでに相当低い水準を達成しているため、2030 年度までにメタン排出量を 2013 年度比 11%削減(2019 年度比6%削減)することを掲げるとともにこれまで国内でメタンの排出削減に成功した取組を優良事例として各国に共有する等のイニシアティブを含む各種取組を通じ、世界の脱炭素化に向けて、引き続き我が国としてリーダーシップを発揮していくことを表明しました。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/others/global_methane_pledge.pdf(経済産業省HP)

Q. GXリーグについて教えてください。(220501)

A. GXとは「グリーントランスフォーメーション」の略です。
2050年カーボンニュートラルや、2030 年の国としての温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組を経済の成長の機会と捉え、排出削減と産業競争力の向上の実現に向けて、経済社会システム全体の変革がGXです。
2050年カーボンニュートラル実現と社会変革を見据えて、GXへの挑戦を行い、現在および未来社会における持続的な成長実現を目指す企業が同様の取組を行う企業群や官・学と共に協働する場が、GXリーグです。
GXリーグに参画する企業に求められる役割は、1.自らの排出削減の取組 2.サプライチェーンでの炭素中立に向けた取組 3.製品・サービスを通じた市場での取組 の3つです。
2022年度、GXリーグでは、賛同企業と共に「未来社会像対話」「市場ルール形成」「自主的な排出量取引」という3つの場の構築を行います。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/GX-league/gxleague_concept.pdf(経済産業省HP)

Q. インターナルカーボンプライシング(ICP)について教えてください。(220606)

A. インターナルカーボンプライシング(ICP)は、組織が内部的に使用する炭素価格です。組織が独自に自社の炭素排出量に価格を付け、何らかの金銭価値を付与することで、企業活動を意図的に低炭素に変化させることができる仕組みです。例えば、CO2 1tあたり20,000円で換算し投資基準を引き下げて再エネ導入を増やしたり、CO2 1tあたり20,000円を実際に社内で積み立て、脱炭素活動に投資したりします。ICPの幅は0.01-909US$/CO2tと広いのが現状です。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/press/ICP%E6%A6%82%E8%A6%81%E8%B3%87%E6%96%99.pdf(環境省HP)

Q. IEAとは?(220225)

A. IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)は、第1次石油危機後の1974年に、エネルギーセキュリティやエネルギーに関する政策協力を行うためのOECDの枠内における自律的な機関として設立されました。 IEAの枠組みにおいては、石油供給途絶時等にメンバー国が協調行動をとることにより、石油の国際的な安定供給を図ることとなっています。さらに、IEAはエネルギー需給に関するデータ分析、省エネルギー政策、クリーンエネルギーの推進政策等を行っており、これらの活動を通じて、各国のエネルギー政策の立案や国際協調に貢献しています。IEAの参加要件は、OECD加盟国(現在37か国)であって、かつ、備蓄基準(前年の当該国の1日当たり石油純輸入量の90日分)を満たすことです。

詳しくは
https://www.oecd.emb-japan.go.jp/itpr_ja/00_000212.html(OECD HP)

Q. IPCCとは?(220224)

A. 気候変動に関する政府間パネル(IPCC: Intergovernmental Panel on Climate Change)は、世界気象機関(WMO)及び国連環境計画(UNEP)により1988年に設立された政府間組織で、2021年8月現在、195の国と地域が参加しています。
IPCCの目的は、各国政府の気候変動に関する政策に科学的な基礎を与えることです。世界中の科学者の協力の下、出版された文献(科学誌に掲載された論文等)に基づいて定期的に報告書を作成し、気候変動に関する最新の科学的知見の評価を提供しています。

詳しくは
http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/index.html(気象庁HP)

Q. IPCCについて、もっと詳しく教えてください。(221117)

A. IPCCとは、「Intergovernmental Panel on Climate Change」の略で、日本語では「気候変動に関する政府間パネル」と呼ばれます。1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)によって設立された政府間組織で、2022年3月時点における参加国と地域は195となっています。

IPCCが果たしている重要な役割は、各国政府の気候変動に関する政策に対し、科学的な基礎をあたえることです。といっても、IPCC自らが研究をおこなっているわけではなく、世界中の科学者が協力して、科学誌などに掲載された論文などの文献に基づいた定期的な報告書を作成し、公表しています。

報告書には、定期的な報告書と、「特別報告書」と呼ばれるテーマを限ったものとの2種類があります。定期的な報告書は、1990年にIPCCが公表した「第1次評価報告書(FAR)」から始まり、現在は「第6次評価報告書(AR6)」の作成が進められています。IPCCの報告書は、世界中の政策決定者から引用され、「気候変動枠組条約(UNFCCC)」をはじめとする国際交渉や、国内政策のための基礎情報となっています。たとえば、「第1次評価報告書(FAR)」は、1992年に採択されたUNFCCCにおける重要な科学的根拠とされています。

また、気候変動問題に関する国際的な枠組み「パリ協定」における、「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち(2℃目標)、1.5℃に抑える努力をする(1.5℃努力目標)」という目標も、IPCCの報告書と関わりをもっています。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ipcc.html(資源エネルギー庁HP)

Q. NEDOとは?(220219)

A. NEDO(独立法人新エネルギー・産業技術総合開発機構/New Energy and Industrial Technology Development Organization)は、持続可能な社会の実現に必要な技術開発の推進を通じて、イノベーションを創出する、国立研究開発法人です。リスクが高い革新的な技術の開発や実証を行い、成果の社会実装を促進する「イノベーション・アクセラレーター」として、社会課題の解決を目指します。

 詳しくは
https://www.nedo.go.jp/introducing/(NEDO HP)

Q. RE100について教えてください。(220711)

A. RE100(Renewable Energy 100%)とは国際的なイニシアチブで、2014年に結成した、事業を100%再エネ電⼒で賄うことを⽬標とする企業連合のことです。リスク回避・コスト削減・ESG投資の呼び込み・コネクションの拡⼤など、RE100には様々なメリットがあります。RE100に参加する企業は世界全体で年々増加しています。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/intr_trends.html(環境省HP)

Q. 地球環境産業技術研究機構(RITE)について教えてください。(220707)

A. 公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)は、1990年に我が国が提唱した「地球再生計画」に基づき、地球温暖化問題に対する革新的な環境技術の開発などを国際的に推進する中核的研究機関として設立されました。これまでCO2回収・貯留(CCS)技術、バイオリファイナリー技術の開発、温暖化対策のシステム分析など、地球環境とりわけ地球温暖化問題に特化した独自性の高い研究を行う機関として国内外で広く知られるに至っています。また近年では米国やヨーロッパなどの研究所との共同研究推進や気候変動に関する政府間パネルであるIPCCへの参加など国際的な活動も大きく広がってきています。

 詳しくは
https://www.rite.or.jp/about/greeting/(公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE) HP)

Q. 持続可能な航空燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)について教えて下さい。(221118)

A. SAFとは、「持続可能性のクライテリアを満たす、再生可能又は廃棄物を原料とするジェット燃料」。燃焼時にCO2排出としてカウントされないバイオマスだけでなく、化石由来の廃プラスチックなども原料になり得る。ただし、化石由来の場合は、CO2削減効果は小さくなる。世界のSAF供給量は、2020年時点で6.3万kL(世界のジェット燃料供給量の0.03%)だが、2050年には4.1億kL~5.5億kL(世界のジェット燃料の90%)が見込まれている。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/content/000044157.pdf(環境省HP)

Q. SBTについて教えてください。(220710)

A. SBTとは、Science Based Targetsの略号の国際的なイニシアチブです。パリ協定が求める⽔準と整合した、5年〜10年先を⽬標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減⽬標のことです。SBTに取り組むメリットは、パリ協定に整合する持続可能な企業であることを、ステークホルダーに対して分かり易くアピールできることです。SBTに参加する企業は世界全体で年々増加しています。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/intr_trends.html(環境省HP)

Q. Super COURSE50って何?(220239)

A.
前述の「COURSE50」に加え、外部からの加熱水素の大量吹込みにより水素還元率の向上、さらに直接還元鉄の投入、CCUSの最大限活用でカーボンニュートラルを目指すものです。

詳しくは
https://www.challenge-zero.jp/jp/casestudy/218(経団連 チャレンジゼロ 特設ウェブサイト)

Q. TCFDについて教えてください。(220712)

A. TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)とは.投資家等に適切な投資判断を促すための、効率的な気候関連財務情報開示を企業等へ促す民間主導のタスクフォースです。TCFD提言に沿った情報開示は、一般にTCFD開示と呼ばれています。TCFD開示では、以下の4項目を開示推奨項目としています。
  ガバナンス:気候関連リスク・機会についての組織のガバナンス
  戦略:気候関連リスク・機会がもたらす事業・戦略、財務計画への実際の/潜在的影響(2度シナリオ等に照らした分析を含む)
  リスク管理:気候関連リスクの識別・評価・管理方法
  指標と目標:気候関連リスク・機会を評価・管理する際の指標とその目標
戦略においては気候関連リスクと機会が与える影響を評価するため、シナリオ分析による情報開示が推奨されています。
また、コーポレートガバナンス・コードが改定され、プライム市場上場企業において、TCFD 又はそれと同等の国際的枠組みに基づく気候変動開示が求められています。

 詳しくは
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/disclosure.html(経済産業省HP)
https://www.fsa.go.jp/news/r2/singi/20210406.html(金融庁HP)

Q. 「仮想発電所:バーチャルパワープラント(VPP)」 について教えてください。(230106)

A. 東日本大震災に伴う電力需給のひっ迫を契機に、従来の省エネの強化だけでなく、電力の需給バランスを意識したエネルギーの管理を行うことの重要性が強く認識されました。また太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入が大きく進みましたが、これらは天候など自然の状況に応じて発電量が左右されるため、供給量を制御することができません。このような背景から、大規模発電所(集中電源)に依存した従来型のエネルギー供給システムが見直されるとともに、需要家側のエネルギーリソースを電力システムに活用する仕組みの構築が進められています。バーチャルパワープラント(VPP)とは、需要家側エネルギーリソース、電力系統に直接接続されている発電設備、蓄電設備の保有者もしくは第三者が、そのエネルギーリソースを制御することで、発電所と同等の機能を提供することです。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/advanced_systems/vpp_dr/about.html#tag1(資源エネルギー庁HP)

Q. ZEBについて教えてください。(220815)

A. ZEB(ゼブ)とは、「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の略称です。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。建物の中では人が活動しているため、エネルギー消費量を完全にゼロにすることはできませんが、省エネによって使うエネルギーをへらし、創エネによって使う分のエネルギーをつくることで、エネルギー消費量を正味(ネット)でゼロにすることができます。2021年10月に閣議決定された地球温暖化対策計画では、業務部門(事務所ビル、商業施設などの建物)においてエネルギー起源CO2排出量を2013年度比51%削減するといった目標が設定されており、建物でのエネルギー消費量を大きく減らすことができるZEBの普及がカーボンニュートラルの実現に向けて求められています。ZEBのメリットは、①光熱費の削減②快適性・生産性の向上③不動産価値の向上④事業継続性の向上です。

 詳しくは
https://www.env.go.jp/earth/zeb/about/index.html(環境省HP)

Q. ZEHについて教えてください。(220814)

A. ZEH(ゼッチ)とは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略称です。快適な室内環境を保ちながら、住宅の高断熱化と高効率設備により、住宅におけるエネルギー消費量を省エネルギー基準から2割以上削減し、さらに再生可能エネルギーを導入することで年間の収支がゼロとすることを目指した住宅です。ZEHのメリットは、①気温の変化が少ないためヒートショックが起きにくく、健康で快適な毎日が送れる。②高断熱、高性能な省エネ機器、創エネで光熱費が安くなる。③晴れた日中は太陽光発電設備で電力確保が可能なので、災害時にも安全・安心です。

 詳しくは
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/data/zeh_leaflet.pdf(資源エネルギー庁HP)

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